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山崎バズーカ第20弾炸裂 前編

kage

2018/10/27 (Sat)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第20弾となります。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は先週の10月6日(土)でした。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は前回と同じ住宅ジャーナリストの榊淳司さんでした。おそらく前回の不動産業界の裏側を大胆に暴く企画が好評だったのでしょうね。実際に今回も非常に興味深い内容のオンパレードでしたので、表題をご覧いただければお気付きのとおり、久しぶりに前編・後編に分けてお届けします。

なお前回と今回では番組の構成が大きく変わった点があります。それは長らくアシスタントを務めてきた阿部哲子アナが突然番組卒業となったこと。これには深い理由がありそうなのですが、ここではあえて触れません(気になる方はネット検索してみてください)。後任はかつて「スイカップ」で一世を風靡した古瀬絵理アナです。また今回の放送では予想外のトラブルもありました。それは番組MCの田村淳さんのスタジオ到着が放送開始に間に合わなかったこと(ちなみにこの番組は生放送です)。結果的に放送開始から5分後ぐらいに到着となり冠番組をMCが欠席という最悪の事態は回避されました。以下に遅刻ネタが出てくるのはそういう次第ですのであらかじめご承知おきください。

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それでは早速今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて榊さん:KYB免震・制振装置改ざん。こういうことが起こるとだいたい国土交通省が火消しに回る。以前東洋ゴムが同じような改ざんを行った時も火消しに回ってうやむやにしてしまった。だが今回はどうも話が大きくなりそう。住宅に限ればほとんどがタワーマンション。タワーマンション自体がこの10年でそれほど多くは供給されていないのですごい割合で使われているはず。半分くらいの可能性もある。だから皆さん、戦々恐々とされているのではないか。実際には地震がきてみないとどうなるのかはわからないが、耐えられない可能性があることも確かなので非常に深刻な問題。

番組アシスタントの古瀬絵理さん:もし修繕するとなったらどのくらいの期間が必要なんですか?

榊さん:2年くらいと言われている。しかしそもそも基準を満たせなかった会社がすべて正常な製品に取り替えられるのか?という疑問は残る。そこが私は不思議でしょうがない。本当に取り替えなんてできるのか?なのでマンション業界にとってはとんでもない爆弾を落とされたなという印象。

山崎さん:マンション関係の他に自動車の制振ダンバーも作っていてそちらの売上の方が大きいので波及しなければいいねという話はある。

田村淳さん:この問題はどこで落ち着くんでしょうか?

榊さん:結局はごまかしてしまうと思う。東洋ゴムの時も大騒ぎしたが今も情報公開は進んでいない。それでもあまり騒がれなくなった。国土交通省が火消しに回るのでいずれ世間も忘れてしまう。

田村淳さん:この番組はずっと言い続けますよ。僕の遅刻のことも言い続けてください。戒めになりますから。

番組レギュラーの鈴木奈々さん:言い続けます。遅刻するなー!

山崎さん:消費増税は何年が遅刻してくれればいいんですけどね。

田村淳さん:僕の遅刻に絡めてきますね。でも消費増税はもうこれ以上遅刻しないでしょう。

山崎さん:そのために財務省が頑張って政治家を羽交い締めにしているような状態。それで来年10月を既成事実化しようとしている。しかしまだこれがひっくり返される可能性はゼロではない。今出てきている対策はいずれもしょぼいじゃないですか。とりあえず対策を出させてみて、どれもしょぼいねというムードを作って、今の状態ではできないという判断もある。例えばアメリカの金利がもう少し上がって株価が大きく下がるようなことが起こってくると(筆者注:放送日は10月6日で、ご承知のとおり10日には実際に米国で株価大暴落が起こりました)リーマンショック的なことが起こったとしてもう一度延期を判断しましたという可能性もある。そうすれば来年の選挙(参院選)にも有利だし。ただ私は上げない方がいいと思っているが、意見の問題や利害の問題もある。例えば新聞などは軽減税率が欲しいために消費増税には賛成という立場。財界も消費税率引き上げで税収が増えれば法人税は下げてもらえるのではないかとの期待感がある。しかし来年10月に上げるとおそらくまずいと思う。消費税対策は暫定的で将来まで有効ではないので、将来を考えるとみんな買い控える。そうすると需要は落ち。米国の金利上昇による株価下落が起こると世界の景気もスローダウンする。そう考えると来年の10月は経済予測的にも大変心配な状況になりそう。だから上げない方がいいと思うが、それでも上げることになったら残念でした、チーン(両手を合わせて拝むポーズをしながら)という感じ。

榊さん:住宅業界としても消費増税には反対。それはマンションが売れなくなるから。必ず売れなくなる。前回も前々回も売れなくなった。ただ前回は黒田さん(日銀総裁)がバズーカを2発撃ったのでなんとかごまかせた。しかし今回はバズーカに残っている弾がない。

山崎さん:住宅ローンに関してはこれ以上低金利にすることはできない。財務官僚は増税を手柄のように思っている。そのためによく消費税を上げなければ社会保障費が足りなくなると言っているが、そもそもお金に色が付いているわけではないので国債で調達するなど他からもってくればいい。消費税と社会保障を関連付けるのはインチキ。

今週のキキタイ、テーマは「どうなるタワマン?人口減少時代に住むべき街は?

少子高齢化による人口減少社会が不動産業界を直撃している。マンションの主な買い手と想定される15~64歳の生産年齢人口は今後35年で35%の減少が予想される。また2013年に13.5%だった全国の空き家率が2040年には30%を超えるとの予測もある。そのような状況で私たちはマイホーム購入をどのように考えるべきか?そもそも購入する必要はあるのか?

不動産の購入には投資の視点も大切。1980年台後半からのバブル期には東京の地価が上昇し郊外の新築一戸建てブームが起きた。これにより東京の人口は転出超過となる。その後バブル崩壊で東京の地価は下落。利便性の高い都内に人が戻り、1990年台後半には人口も転入超過に変わった。1997年には建築基準法改正による規制緩和でタワーマンションの建築計画に拍車がかかり都心回帰マンションブームにつながっていく。

将来的に資産価値が落ちづらいとされる物件の条件
・交通や生活の利便性が高い、災害などのへの安全性が高いなどの立地条件
・部屋の広さや間取り、設備などの居住空間

駅近で防犯、防災機能に優れ最新設備のあるタワーマンションはこれらの条件を満たしており人気に拍車をかけたとも言われる。しかしタワーマンションが乱立した地域では通勤通学時に駅が大混雑、学校や保育所の不足、エレベーターの渋滞などの問題も発生した。またタワーマンションは設備や防犯・防災が充実している分、施設管理費が高額になる。中でも特に深刻なのは修繕費用の問題。現在築20年以上のタワーマンションの68%が国が定める分譲マンションの修繕積立金残高の適正水準を満たしていない。タワーマンションでは築15年程度で行われる大規模修繕の費用が通常マンションの1.5~2.5倍もかかる。それが築30年程度で行わる大規模修繕では3~5倍にも跳ね上がる。適切な修繕が行わなければ機能低下や外観劣化を招き、資産価値も低下する。

鈴木奈々さん:私、茨城県に住んでいて、茨城県に家を買おうとも思っているんですけど。

榊さん:お止めになった方がいいでしょうね。値下がりが続くでしょうから、買った値段では多分売れないんですよ。それでもいいって言うんならね。

田村淳さん:私は茨城が好きだと。郷土愛があるんなら価値を見い出せているんですから、住めばいいんですよ。

山崎さん:株式投資でいえば逆張りというか、ボロ株投資もあるわけで、それだけ人気がない(鈴木奈々さん曰く、都道府県人気度ランキング6連連続最下位)と聞くと逆に魅力的に思えたりする。

榊さん:今の不動産価格は高い。それは金利が安いから。都心の不動産価格は概ね金利と連動する。金利が上がれば不動産価格は下がる。今は金利が下がっているので不動産価格は高い。金利はこれ以上下がりそうにないので不動産価格も一番高いところにある。アメリカはすでに金利が上がっているので日本もいずれ上げざるを得なくなる。その時ようやく不動産価格は下がる。

田村淳さん:ということは、今は手放し時なんですか?

榊さん:そうです。売り時です。ずっと僕は売れ、売れと言っている。

山崎さん:来年の消費増税に向けて不安があるので日銀はまだしばらく金利は上げないと言っているが、その後インフレ率が上がってくれば利上げに動く可能性もある。すなわち将来的に不動産価格は下がる可能性が高いことを考えると、長期投資の性格に近い不動産を今年とか来年に買う人は一番下手なタイミングを選ぶことになる。でもお金持ち(自宅を購入したばかりの田村淳さんを指しながら)は勇気を持って高いところを買うというのは経済にとって大事ですよね。

古瀬絵理さん:不動産購入には投資的な側面があるということですが、資産価値が下がりにくい場所はあるんですか?

榊さん:東京なら青山、表参道あたり。あるいは番町(千代田区一番町から六番町まで)、代官山。ただし市場全体が下落に入ったらやはり値下がりする。それでも他と比べると底堅い。茨城なら半値以下になるかも知れないがこれらの場所なら6~7割で止まる。

鈴木奈々さん:でも高くて買えなーい。

榊さん:今の表参道あたりの不動産価格は6年前の2倍になっている。だからこそ6割程度まで下落することもあり得る。

田村淳さん:山崎さんは何を基準に住む場所を選べばいいと思いますか?

山崎さん:買うか借りるかでいえば、購入することでどれだけ有利になるかの問題。ただ人生にはいろいろと変化がある。私のように12回転職することはなくても、例えば若い夫婦に子供ができれば、子供の学校を変えたい、子供部屋を作りたい、子供が独立したので狭くても便利な場所に引っ越したいとかいろいろと状況が変わる。それを売ったり買ったりしながらつないでいくことができるのか?と考えれば、買うことに関しては少し慎重になった方がいい。ただし借りる場合には大家さんの利益分も払わなければいけないので、ずっと同じ場所にいるのなら買う方が合理的になる場合もある。今は超低金利で局地的に大都市圏の不動産価格は値上がりしている。このように価格が上昇のサイクルに入っているところでわざわざ買うというのはいかがなものか。

榊さん:今は買うよりも賃貸の方がいい。現在の東京都心は不動産が金融化してあり得ないほどの高さになっている。一方で賃貸の賃料は実需でしか動かない。だから値上がりする前に借りておこうとは誰も思わない。ゆえに経済法則に合致した月額賃料になっているので、例え表参道で借りても賃料が割高ということはない。しかし買う場合は賃料の50年分とかになる。買う意味がない。借りて住む方が明らかに得。

古瀬絵理さん:タワーマンションは修繕積立金問題が深刻。

榊さん:タワーマンションは壮大な実験中。この先、どうなるか分からないというところがある。そもそも修繕費がべらぼうにかかる。さらに今は人手不足なのでコストは日々上昇している。タワーマンションは構造的問題で必ず15年に一度は外壁の工事をしなければならない。軽くするためにALCパネルという板をはめているのだが、コンクリートとの間に入れている接着兼防水用のコーキング剤が風雨で劣化する。特に湾岸地区は潮風が吹くので劣化が激しい。

田村淳さん:そのために修繕費も高くなるんでしょう?

榊さん:普通のマンションに比べてだいたい2倍以上ですね。30年経ったらもっと取られる。ただし30年目の大規模修繕を行ったタワーマンションはまだないはず。だからタワーマンションは壮大な実験場。

田村淳さん:その実験は今のところ成功していると思いますか?

榊さん:いや、かなり危うい未来が待っていると思いますよ。

山崎さん:高いところでゆっくりと揺れていて健康にもよくない感じがするし、眺めがいいといってもすぐに飽きてしまいそう。馬鹿と煙は高いところへとかいうような…。将来、建て替えとかいうこともあるんですよね?

榊さん:何十年か経てばあるでしょう。あれ、どうやって壊すのかな?

古瀬絵理さん:今話題の街、武蔵小杉では現在11本のタワーマンションがあり、さらに今後5本を新設予定。

榊さん:川崎市はタワーマンションが大好き。市長は人口が増えればいいと思っている。だからタワーマンションをひたすら認可してしまう。本来は建てられないのに、規制を緩めて建てられるようにしている。その結果、朝はすごい通勤ラッシュになっている。それを避けるために30分早く家を出たりしているそう。つまり30分遠くへ住んでいるのと同じ。武蔵小杉から30分といえば横浜を超えてしまう。そこなら安く広い家に住んで始発電車で座って通勤できるかも知れないのに。

山崎さん:今でさえ大変なのにさらに5本建てるなんて、なかなか止まらないんでしょうね。商売をやる人は毎年毎年やらないといけないから。

榊さん:保育園は足りないし公園もないし、もう無茶苦茶ですよ。

田村淳さん:行政はトータルで考えなければならないのに、人口さえ増えればいいというのはおかしくないですか?

榊さん:おかしいんですよ。川崎市長が特におかしいんですよ。こんなにいびつなのに価格は高い。実は文京区と同程度。多摩川を超えた川崎市の武蔵小杉と山手線内の文京区がだいたい同じくらい。

山崎さん:私は今、文京区に住んでいますが同じ家賃であそこに住みたいとは思わない。

古瀬絵理さん:今は高いですけど、将来の資産価値はどうなるんですか?

榊さん:今はこれだけマイナス情報が入っていて、駅もよほど拡張しないと快適にはならない。だからドンドン人気が低下している。

田村淳さん:だったら価格も下がっている?

榊さん:下がりません。新築マンションの価格は上がり続ける運命にある。なぜなら人手不足で建築費が上がり続けているので。

田村淳さん:そんな高い価格でも武蔵小杉にマンションを買いたいと思う人がいるんですね。

山崎さん:高値を最後の最後に買う判断力のない人が尽きるまで上がるということでしょうね。

以上、山崎バズーカ第20弾炸裂・前編をお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか?榊さんの解説を拝聴すると、タワーマンションを取り巻く問題はいずれも深刻ですね。特に直近のKYB免震・制振装置改ざん問題は詳細が明らかになっていない分、やっかいでしょう。この詳細をうやむやにしたままマンションの売買を進めることは明らかにリスクが高過ぎます。具体的には売る場合は詳細が分からないことをいいことに足元を見られて買い叩かれる心配がありますし、買う場合はとんでもない欠陥品を掴まされる恐れがあります。ですから私個人の意見としては、メーカーに関係なく少なくとも免震・制振装置を使用している物件については一時的に売買の検討を凍結すべきだと考えますがいかがでしょう?とはいえ私のような根っからの庶民にとってはそんな高級物件に関与する機会は一生訪れないと思いますので、すっかり他人事としてお金持ちにはお金持ちなりの苦労もあるのだなと漠然と思うだけですが。もっとも資産運用としてJ-REITを保有していますので、間接的にその評価額に影響が及ぶ可能性には警戒する必要があるのかも知れませんね。

今回の放送では川崎市の武蔵小杉が話題になりましたが、実を言うと私はかつて同じ川崎市の溝の口に住んでいたことがあります。その頃はハイソサエティのイメージがある東急田園都市線でもJR南武線が通る溝の口(JRの駅名は武蔵溝ノ口)だけはイメージが悪いと陰口を叩かれていました。おそらく当時は東急東横線でも南武線が通る武蔵小杉は同じようなイメージだったでしょう。それが今や東京都文京区に肩を並べる地位に上り詰めているのですから、街のイメージなど当てにならないものですね。しかしインフラ整備が追いつかないのにタワーマンションの建設が続くのは明らかに行き過ぎでしょう。もっとも武蔵小杉は交通の便が良いので、かつての住宅公団(現在のUR)の団地(例えば光が丘や高島平)のような高齢化+空き家増加が直ちに進行するとは思えませんが、行政の対応次第で将来の街のイメージは大きく変わるのではないでしょうか?

さて、後編のテーマは「あなたは被害に遭った経験はありませんか?悪徳不動産業者とマンション管理会社問題について考える」です。どうぞお楽しみに。

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