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ひふみ投信 よくある誤解

kage

2018/09/08 (Sat)

ご覧のとおり、今回もまたひふみ投信ネタです。このところ安直にこのネタを引きずっておりますが、その背景に「とりあえずひふみ投信のことを書いておけば簡単にアクセス数が稼げる」というよこしまな考えがあることを私は決して否定いたしません。ご承知のとおり今年に入ってから(正確には2月初旬のVIXショック以降)ひふみ投信の運用成績は低迷を続けています。このため不安に駆られた多くの受益者がいろいろと情報を求めてネット上を徘徊しておられるのでしょう。かく言う私もひふみ投信設定時からの受益者ですのでそのお気持ちは痛いほど分かります。一方で理由はどうあれひふみ投信に対する関心が高まっていることは紛れもない事実ですので、ブロガーとしてはその状況を黙って見逃す手はありません。ですからこのように柳の下で二匹目、三匹目のどじょうを狙うことを悪しからずご了承くださいませ。

先ほども書いたとおり、私自身もひふみ投信の受益者ですのでネット上で日々さまざまな関連情報を収集しております。今回はその中から、「ちょっとそれは違うんじゃないの?」と感じたご指摘をいくつか取り上げてみましょう。それではまずこちらのご指摘から。

・ひふみ投信はもはや中小型株ファンドではない

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このご指摘についてはいくら私でも「明らかな誤解だ」と一刀両断に斬り捨てることはできません。確かにひふみ投信が中小型株ファンドからの脱却を図っていることは紛れもない事実でしょう。実際に昨日公開された8月度の月報(ひふみのあゆみ)に掲載されている資産配分比率を見てもその傾向は鮮明に現れています。

ひふみ01

ご覧のとおり東証一部銘柄が8割以上を占め、海外株比率も1割を超えていますので、ひふみ投信の組入銘柄が中小型新興市場株ばかりでないことは明々白々です。しかしちょっと待ってください。東証一部銘柄といえば確かに日本を代表する株ではありますが、それらはすべて大型株ばかりなのでしょうか?ご承知のとおり東証一部上場銘柄全体を平均した指数がTOPIX(東証株価指数)なのですが、その中には大型株(TOPIX Core30、TOPIX Large70)だけでなく、中型株(TOPIX Mid400)、小型株(TOPIX Small)も含まれています。ですから組入銘柄の8割以上が東証一部だから中小型株ファンドではないというご指摘は必ずしも正確とは言い切れません。それでは実際にひふみ投信の中小型株比率はどのくらいなのでしょうか?実はその解答も8月度月報(ひふみのあゆみ)に掲載されておりました。

ひふみ02

ご覧のとおり、いまだに56.2%は中小型株が占めているのですよ。すなわち中身の半分以上が中小型株なのですから、「中小型株ファンドではない」というご指摘は誤解ではないにしても、少々言い過ぎであるというのが私の意見です。

さて、それでは次のご指摘に移りましょう。これは多くの受益者にとって現状最大の関心事ではないでしょうか?

・ひふみ投信はTATERU株を上手に売り抜けた

株式会社TATERUはアプリではじめるIoTアパート経営「TATERU Apartment」を展開しており、サッカー・本田圭佑選手を起用したテレビCMでもおなじみです。そのTATERU社の従業員が銀行の融資審査を通りやすくするために顧客の預金残高を改ざんしていたとの報道があり、同社の株価は9月に入って3営業日連続でストップ安比例配分となりました。そして4営業日目にようやく寄り付いたのですが、株価は直近高値の2,092円(8月8日)から昨日終値は502円にまで大暴落しております。そのTATERU株をよりによってひふみ投信が大量保有していたのです。ひふみ投信を運用するレオス・キャピタルワークス社が提出した大量保有報告書によると、今年5月31日時点で発行済み株式数の5.99%を保有しておりました。そして実際に5月末時点の組入銘柄ランキングでは堂々の第9位にランクインしていたのです(組入比率は1.5%でした)。しかしその後はベスト10から名前が消えたため、もしかするとひふみ投信はTATERU株を大暴落前に上手に売り抜けていたのでは?との希望的観測をネット上でたびたび見かけました。しかし現実はそんなに甘くないというのが私の見解です。

その根拠は大量保有報告書の提出を義務付けるいわゆる「5%ルール」にあります。すなわち保有株比率が一旦5%を上回れば、その後は1%以上増減した場合に必ず報告をしなければなりません。その報告期限は該当日から5営業日以内です。ちなみに昨日もレオス社からいくつか大量保有報告書(変更を含む)が出されておりますが、これらはすべて8月31日時点のものでした。ここにTATERU社の名前がなかったということは、暴落前にすべて売り切ったという希望的観測は結局のところ夢のまた夢であったことに他なりません。仮に売っていたとしても最大1%未満であり、約5%を保有したままあの3営業日連続ストップ安に突入したはずです。この間は連日比例配分で出来高が極端に少なく、売るに売れない状況でした。ですからもし全数売却できたとしたら9月6日(木)となります。果たしてそこで売ったのか?はたまた超逆張りで買い増したのか?それともあえて何もしなかったのか?その答を知るには次の大量保有報告書提出をひたすら待つしかありません。いずれにせよひふみ投信がTATERU株大暴落の影響を少なからず受けたことはおそらく間違いないでしょう。私たち受益者もその現実を直視する必要がありそうです。

あと大量保有報告書関連で余談ですが、こちらも受益者の間で何かと話題だった大塚家具について、6月29日時点の保有比率1.75%への変更後に新しい報告が出ていないため、現在も保有を続けているのでは?との憶測もあるようですが、これもそうとは限りません。なぜなら保有比率が5%を下回った時点で報告義務はなくなりますので、その後はすべて売り切ろうが再度4.99%まで買い増そうが自ら手の内を明かす必要はないからです。ですから正確なところは10月1日決算後の運用報告書で確認するしかありません。

長くなりましたのでここで終わりにしてもいいのですが、せっかくですからもう一度下記の話題を蒸し返しておきましょうか。

・中小型株だけで勝負できなくなったひふみ投信はもうダメ

私自身個別株投資も実践しておりますので、2月初旬のVIXショック以降の国内株式市場で個人投資家好みの中小型新興市場銘柄に大逆風が吹き荒れていることは身にしみて感じております。ですから私はむしろひふみ投信が中小型株だけで勝負できなくなったことが不幸中の幸いだったのでは?とも思えるのです。例えばこれまでひふみ投信を寄せ付けない圧倒的なパフォーマンスを誇っていたSBI中小型割安成長株ファンド(ジェイリバイブ)の低迷ぶりを見るにつけ、中小型株以外の選択肢がない恐ろしさをまざまざと感じます。相場にタラ・レバが存在しないことは百も承知の上であえて申し上げますが、もしひふみ投信の純資産総額が増えずに中小型株だけで勝負していたら、今よりもっと悲惨な結果になった可能性も十分にあるのではないでしょうか?そういう意味では「カンブリア宮殿効果」で好むと好まざるとに関わらず運用方針を転換しなければならなかったことは、今にして思えば結果オーライだったのかも知れませんね。

とはいえ過去のエントリーで繰り返し書いているように、私の持論は「アクティブファンドの評価は良くも悪くも結果がすべて」ですから、受益者が信じて託した大切な資産を守りながら増やせていないことについては大いに不満です。外部環境が悪いことは私も重々承知しておりますが、実際に同じ条件下で圧倒的なパフォーマンスを残している東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンなどもあるわけですから、ここは運用チームの皆さま方により一層の奮起をお願いしたいところです。

比較1年

青:ひふみ投信
赤:東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
緑:SBI中小型割安成長株ファンド(ジェイリバイブ)

ただそうは言ってもいくら天才的なファンドマネージャーでも神ではないので百発百中は到底望めません。さらに相場の世界は9割成功しても1割の失敗ですべてを失う可能性もある厳しい現実もあります。私たち受益者にはファンドを売却してスッパリ縁を切る自由もあるのですから、もしも不安で夜も眠れないような状況なら一旦売却して距離を置くという選択肢もあるでしょう。しかし大切な資産を信じて託すと決めたのであれば、後はどのような結果になろうとそれはすべて自己責任です。私たちは運用チームの皆さんが常に最善を尽くしてくださることをひたすら信じるしかありません。願わくば私たち受益者に明るい未来が訪れますように。

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この記事へのコメント

kage

はじめまして。
突然のコメントで失礼いたします。

私もカンブリアからひふみに興味を持った投資初心者です。
藤野さん信者とまでは言いませんが、私も今現在の不調に対しての批判があまりにも自己中極まりないと感じております。

投資は自己責任。まずこれを前提として資金を預けなければいけないことを忘れてはいけませんね。
ひふみの投資方も変わってきたと批判されていますが、これは時代にあった臨機応変な対応と私はみています。
何事もトレンドを意識し、その波を乗りこなさなければ生き残れないものだと思います。

これから先もひふみでの積立を続行しようと思っています。

記事を読ませていただきありがとうございます。

Posted at 12:02:17 2018/10/28 by

この記事へのコメント

kage

コメントありがとうございます。

現状を例えるなら、台風の中で船の乗客が揺れがひどいと文句を言っているようなものですね。ですから今は、他の船に乗り換えたとしても多かれ少なかれ揺れに悩まされることになるでしょう。であれば私たちには船を降りる自由もあるのですから、思い切って下船する(売却する)という選択もあっていいと私は思います。

最悪の選択は将来に期待が持てない船に乗り続けることではないでしょうか?その選択は非生産的ですし、精神衛生上も良くありません。少なくとも私は、ひふみ投信の成績への不満はあっても将来への期待は残っているためこれからも投資を継続するつもりです。

とはいえ将来の値動きは誰にも分かりません(神のみぞ知る)。これから世界経済がリーマン・ショック級の大混乱に陥る可能性だって決してゼロではありませんし。ですから私たち個人投資家は投資を継続することはすなわち損失を覚悟することであるという現実と冷静に向き合いたいものですね。

Posted at 08:07:19 2018/10/29 by おやじダンサー

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kage


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