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山崎バズーカ第16弾炸裂 前編

kage

2018/05/06 (Sun)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第16弾となります。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は昨日5月5日(土)でした。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は第14弾第15弾と同じく、第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト・永濱利廣さんでした。最近はすっかりこのコンビが定着した感がありますね。それでは早速今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

番組MCの田村淳さん:さあ、鈴木さん。ゴールデン・ウィーク真っ只中ですが今日はお金の話をじっくりしていきたいと思います。

鈴木奈々さん:ゴールデン・ウィークでお金すごい使っちゃったんですよ。なのでお金について聞きたいです、今日。

田村淳さん:ちなみに何に使われたんですか?

鈴木奈々さん:旅行に行ったんですよ。

田村淳さん:休みよく取れましたね。

鈴木奈々さん:家族と旅行に行って。一泊二日で仙台の方に行って。親孝行ちょっとしたいなと思ってお金を全部出したらいっぱい使っちゃったんですよ。なので今日、お金の話を聞きたいです。

田村淳さん:まあそれを取り返せるかどうか分かりませんが。

鈴木奈々さん:取り返したいです。

1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて山崎さん:新天皇即位で恩赦、政府検討。恩赦というのが気に入らない。率直に言って選挙違反をした人たちを復権させようとする企みだと思う。前の天皇即位時に恩赦で減刑になった人たちは何百人単位だが、復権となると200万人もいた。実質的にはこの復権のところに目的があるのだと思う。とりあえず減刑というところに新聞記事的には注目が集まっているが、天皇即位がめでたいことだとしてもなぜ悪いことをした人が減刑されなければいけないのか。そういうことを関連付けることはそもそも失礼ではないか。失礼だけれども前もやったからやろうというのはたぶん選挙違反の連中を助けるためにやろうとしている悪だくみ。それも良くないことだし、あえて言えば天皇陛下に対して失礼だと思う。

田村淳さん:僕もニュースで恩赦と聞いても飲み込めないでいたんですけど、確かに過去にやったからといって繰り返す必要はないですもんね。

山崎さん:悪いことを許してやるっていうのがどうしてめでたいことと結び付くのかっていうのが関係がまったく分からない。今までの悪弊を改めた方がいい。

田村淳さん:昔、将軍が変わる時に借金がゼロになるとか。

山崎さん:ひどい話ですよね。それも。

田村淳さん:それをずっと日本の歴史の中で繰り返してきた中でそれが今なお続いていることに山崎さんとしてはいかがなものか?と思うということですね。

山崎さん:被害者の感情を考慮して被害者のいるような刑事犯については対象外にするという報道もあったが、例えば選挙違反は有権者全体が被害者なのだから、目に見える被害者がいるかどうかで考えること自体がおかしい。

1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて永濱さん:日銀調査、消費税10%引き上げ時の家計負担は前回の1/4。結論から言えば真に受けてはいけない。前回(2014年4月)は3%引き上げで8兆円の負担があった。今回は2%引き上げなので普通に考えると5.6兆円の負担になるが軽減税率適用で1兆円、教育無償化で1.4兆円など政府効果で3.4兆円減少するので家計負担は2.2兆円だと言うのだが影響も1/4にはならないと思う。なぜなら教育支援などの還付の部分は事後的にお金が戻るもの。だから還付を受ける人も消費増税の負担は感じる。そうなると影響は1/4に留まらない。さらには前回の消費増税時には日本経済はアベノミクス初期段階で良かったし、米国経済も良かった。しかし今回(2019年10月予定)は日本経済では五輪特需も剥落しているし、米国経済も結構ヤバイ状態になっている可能性があるので単純に1/4とは言えないのではないか。これは日銀が強気な経済や物価の見通しを出してきていることに対する言い訳をしているだけだと思うが、そんなことはないと思う。

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田村淳さん:例え1/4だとしても負担は負担ですからね。1/4だからいいやっていうことにはならない。それが1/4で留まらないということならなぜ日銀はこのようなデータを出したのでしょうか。

山崎さん:不思議ですよね。仮に2.2兆円だとしてもそれがずっと続くわけですから結構影響はあるはず。物価目標2%を達成してから増税すればいいのに、なぜその前に増税しても大丈夫だという話をしなければいけないのか?経済の理屈としては本当はおかしいのだが政治家も財務省も増税したいと思っているのでそれに賛成する試算を出してきたのかなとも思う。それにしても日銀が出してくるのはおかしい気もする。せっかく黒田さんがインフレ率を上げようとしているのに。でもあれも約束をやめちゃいましたからね。例えば2年後に必ず結婚すると約束していた男が1年、また1年と約束を先送りしているようなもの。

田村淳さん:最低の男ですね。

山崎さん:一応最初の方は期限をキチンと言った方が「この人は決意している」と思われる。だから国民に対するメッセージとしては言った方がいいという面はある。しかしそれが繰り返し破られてしまうと今度は期限を言わない方がいいのかということにもなる。

永濱さん:最近は日銀が早めに出口に向かうのではないか?との懸念で円高が進行していた。これに対して早めに出口に向かうことはないとアナウンスするためにあえて時期は外したし、2%の物価目標についても2020年の見通しでもまだ1.8%で未達成。すなわちこれは2020年度まで日銀は出口に向かわないというアナウンスである可能性はある。

山崎さん:例え出口には向かわないとしても財政が拡張的になると金融も拡張的になるし、財政が緊縮的になると金融も緊縮的になるという仕組みに今はなっている。長期金利をゼロに固定している状況で増税してしまうと経済にブレーキがかかる。そのブレーキをかけるタイミングがちょうど米国経済が曲がるあたりに重なるのではないかというちょっと嫌な感じはする。

永濱さん:アベノミクスが終わらなければ来年の半ばまではいいと思う。ただアベノミクスが終わってしまうと今年中に失速する懸念もある。

田村淳さん:アベノミクスについてはこの後でじっくりと。

今週のキキタイ。テーマは「GW遊んでいる場合じゃない?!あなたの給料が減っていくかも」。

アベノミクスの成果
1. バブル超えの「有効求人倍率」。低い失業率「2.7」。
2. 上場企業最高収益、21兆8,196億円(2018年3月)。
3. バブル後最高値の日経平均株価(2万3,962円)。

しかし庶民にとっては実感が乏しい。2017年の給料の金額「名目賃金」は+0.4%でも給料からどれだけのモノが買えるかの「実質賃金」は-0.2%。アベノミクス開始以降、名目賃金は伸び続けているが実質賃金は下がり続けている。日銀のアンケート(2018年3月)でも生活にゆとりが無くなったが41.4%、物価が上がったが73.5%。実際の物価を示す消費者物価指数1.1%に対して消費者が体感する物価指数は5.8%と実に5倍以上に差に。また総務省調査では世帯が自由に使えるお金を示す可処分所得が2000年の42万9,338円/月から2017年は38万2,434円/月と17年間で4万7千円/月減少。一方で税金や社会保険料など自由に使えない非消費支出は17年間で3%上昇している。中でも社会保険料はこの10年間で一般的なサラリーマン世帯で9,500円/月増加している。さらに電気料金やガス料金も増えている。

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このような状況の中、実質賃金を増やして脱デフレを目指す安倍政権は経済界に3%以上の賃上げを要請。しかし結果は2.54%アップに留まった。

アベノミクスを待ち受けるさまざまな難題。
1.2019年には五輪特需が終了。五輪関連雇用80万人の行方は?
2.米国の金融緩和が終了し引き締め(利上げ)が進行。
3.米中貿易戦争。
4.消費税10%引き上げ。

ちなみに前回の消費増税が個人消費に与えた影響は甚大だった。

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永濱さん:アベノミクスの実感が乏しい理由は大きく2つ。1つ目は賃金もそれなりに上がってはいるがアベノミクス最大の効果は働く人の数が増えたこと。例えば今年に入って2ヵ月だけでデータ上は90万人雇用が増えている。そういう意味では家計が受け取る総賃金は確実に増えている。2つ目は賃金の上昇以上に物価や負担が上昇していること。消費増税も大きかったが最近の物価上昇では2/3が原油価格上昇の影響。ここはアベノミクスではどうしようもない。

山崎さん:賃金の統計に入っていなかったような人にも職が増えていて賃金がもらえるようになった。雇用市場の一番弱い人たちは助かっている。一方で株や土地を保有している資産家も恩恵を受けている。ただその中間の勤労者の所得がなかなか上がらないのは、政府が企業の経営者に対してもっと利益を出して株価を上げろと強く言っているために賃金を抑えて利益を上げようとするため。利益と賃金を同時に上げろというのはブレーキとアクセルを同時に踏めと言っているようなもの。経営者にとっても自分の立場を安定させて収入を増やすためには株主利益を上げるのが近道。すなわち政府の企業に対するプレッシャーのかけ方で企業に利益が溜まってしまった。株主の利益は増えても従業員には回らない。

永濱さん:日本の企業では一度採用するとなかなかリストラしにくい。なので賃金を上げなくても簡単には辞めないだろうという思いが経営者にあるのだと思う。逆に言えば労働者側がもっと積極的に転職をするようになれば環境は変わるだろう。

山崎さん:解雇する時にこれだけは保障しますよという金銭解決のルールをキチンと作った方がいいと思う。中小企業では社長の一存で何の保障もなくクビというケースが実質的に多いわけで、法制整備は労働者保護にもつながる。経営者側としても解雇のコストがハッキリすれば動きやすい。解雇される人が多くなるということは自分が解雇されても雇用されるチャンスが増えるということ。出入りを簡単にする方が効率はいいし、労使お互いにとって合理的だと思う。

永濱さん:転職する人は確実に増えているがまだまだ日本人は安定志向が強い。春闘の目標を見てもいまだに賃上げより雇用の安定が重視される。賃上げが政府目標の3%に届かなかったのも労働者側が雇用の安定を重視しているため。

鈴木奈々さん:でも転職するのって結構怖くないですか?

山崎さん:一回やると度胸が付きますよ。

鈴木奈々さん:何回してるんでしたっけ?

山崎さん:12回(スタジオ大爆笑)。一回目と二回目、三回目は明らかに精神的なハードルは違う。一回目は私でも相当ドキドキした。これで本当に大丈夫なんだろうかと。でも健康で働く気さえあれば給与水準が少々下がっても何とかなるだろうと考えた。後は上手くいきますようにと祈った。

田村淳さん:アベノミクスを待ち受ける4つの懸念についてはどうですか?

永濱さん:この4つの前にアベノミクスが終わってしまうという懸念がある。今年9月の自民党総裁選で安倍さんが負けてしまうと総理大臣が変わることになる。ポスト安倍候補の経済政策は増税に積極的だったり金融緩和に消極的だったり、どれも景気が悪くなるような内容ばかり。これまで外国人投資家は曲がりなりにもアベノミクスを評価して株を買ってきた。アベノミクスを批判する人に対案を聞いても出てこない。この状況でもし安倍さんが負けると外国人投資家は日本株を売り、円高株安が進行して日本は景気後退に陥りかねない。

山崎さん:安倍政権自体はかなり継続性に疑問が付いてきている。永濱さんがおっしゃるとおりポスト安倍とされる石破さん、岸田さん、さらに小泉進次郎さんや野田聖子さんを入れても財政規律重視で金融緩和の弊害を指摘する人ばかりなので経済政策だけを考えると安倍さんが変わるのはものすごくマズイ感じ。株価で言えば日経平均株価2、3千円安はあるだろうなというイメージ。もう一つの問題は米国。米国は金利が徐々に上がっている。金融の引き締めに最終的に勝てる相場はないのでどこかで曲がり角が遠からず来る。その後1、2年で回復するとしてもアベノミクスの終了や五輪特需の終了と重なれば景気後退もあり得る。

永濱さん:あくまでも個人的な意見だが、安倍総理の後継者が担当する3年間は相当経済的には厳しくなると思う。五輪特需の消滅、米国景気の失速、消費増税などが控えているので。そう考えるとかなり火中の栗を拾う覚悟が必要になる。ならば安倍さんとしてはその3年間をあえて他の人に任せて「アベノミクス待望論」を待つという手もある。

番組アシスタントの阿部哲子さん:個人消費がどれぐらいで戻ったか?を見ると、東日本大震災は1年、リーマンショックは2年、前回の消費増税では3年もかかった。

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鈴木奈々さん:消費増税は今、どのぐらいの確率ですか?

山崎さん:70%ぐらい。

鈴木奈々さん:えー!結構高いですね。

田村淳さん:消費が冷え込むと言われているのになぜ消費増税をしたがるんですか?

永濱さん:それは将来の社会保障の財源確保のためと言うのだが、いくら増税しても経済が戻らなければ話にならない。そういう面では経済が病気のままで増税をやってもいいのかなという疑問はある。

山崎さん:やはり現時点の増税は良くない。もし仮に安倍政権継続の確率が50%だとすると、安倍政権以外では消費増税確率100%で安倍政権継続でも上げざるを得ない確率が50%以上あると思うので、やはりトータルで消費増税の確率は7、8割。そう考えると景気に対してはあまり強気になれない。

田村淳さん:消費増税を止めると宣言した方が支持を集めるような気がするんですが。

永濱さん:仮に次の自民党総裁選で今のアベノミクスでは不十分なのでもっと積極的に金融・財政政策をやるという人が出てくればたぶん一番支持を集めるだろう。でもそういう人はいないので。

田村淳さん:もしいても自民党内の支持を集めるのはその人じゃないから。それなら選挙でもう一回選び直す時に考えましょうということになるけど今は自民党政権なのでやっぱり増税なんだね。若手の中に消費増税に反対する人はいないんですか?

永濱さん:例えば世耕さん(世耕弘成元経済産業大臣)なんかは景気重視派。菅さん(菅義偉官房長官)なんかもそう。

田村淳さん:いずれは消費増税をしなくてはならないとしても、今ではないということですよね。

永濱さん:今の米国経済のように加熱を懸念するような状況になればむしろ消費税を上げた方がいいということになると思う。

以上、山崎バズーカ第16弾炸裂・前編をお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか?消費増税を強力に推進しているのが最強の省庁とも言われる財務省であることはよく知られていることですが、ご承知のとおりこのところの度重なる不祥事でその影響力は確実に低下しています。これにより一部ではもうこれで消費増税は無理だろうとの観測さえささやかれるようになりました。しかしこの財務省の自爆行為が安倍政権の運命をも左右しているのは紛れもない事実です。内閣総理大臣は行政の長なのですから、もし仮に現在野党から追求を受けている数々の問題とまったく無関係であったとしても管理責任からは決して逃れることはできません。そう考えると個人投資家の端くれとしてはアベノミクス終了(というよりはむしろ頓挫という表現が適切なのかも知れませんが)のリスクも想定して準備を整えておく必要があるのかも知れません。いずれにせよ今秋に予定されている自民党総裁選挙や米国の中間選挙など注目のイベントの結果次第では相場がかなり翻弄されることも今の内から覚悟をしておきましょう。

さて、後半のテーマはこどもの日にちなんで「子どもを取り巻くお金のいまとむかしを考える」です。どうぞお楽しみに。

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