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個人の確定申告代行はルール違反です

kage

2018/03/10 (Sat)

本エントリーは2015年8月18日に書いた「個人の資産運用代行はルール違反です」の続編のようなものです。ですから、本エントリーの趣旨も「知らず知らずの内に法令違反を犯さぬよう、くれぐれもご注意ください」である点は前回と変わりません。

さて、今年も確定申告の季節を迎え、周囲の会話やネット上の書き込みでもそれに関する内容をたびたび見聞きするようになりました。その中で特に私が気になるのは「親の確定申告を代行した」というような内容です。なぜなら税理士法で確定申告書の作成や申告ができるのは本人と税理士のみであることが明確に定められており、例え親、兄弟、配偶者であっても他人の確定申告書に関われば法令違反に問われる可能性も十分にありますので。さらに税理士法の厄介なところは、税務に関する相談も税理士の独占業務と定められている点です。すなわち、「親の配当所得申告について相談を受けたのでアドバイスした」というような事例であっても、アウトと考えるべきでしょう。ちなみにこの法令に違反した場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる場合があります。詳しくは国税庁のサイトに掲載されている「非税理士により行うことが禁止される税理士業務」をご参照ください。

上記リンク先をご覧いただければお分かりのとおり、事業として確定申告書の作成、実際の申告、税務に関する相談ができるのは税理士のみです。ですから税理士以外の者は他人の確定申告に関わることができません。ちなみに「事業として」とはいっても、有償、無償を問わないため、対価を取らない単なる善意の行動だから問題ないだろうなどと甘く考えていると、後々大事にもなりかねませんのでくれぐれもご注意ください。また親、兄弟、配偶者は「他人」ではないから大丈夫といった独善的断定も極めて危険であると私は思います。それでもし仮に税理士法違反に問われた時に、果たして自説を貫き通して勝てるのか?をぜひ考えてみてください。このように「代行」に厳しい税理士法ですが、確定申告書の単なる代書や代理提出についてはこの限りではありません。ですから「親の確定申告書作成のためのネット入力だけ代行した(内容はすべて親が決定)」とか「高齢の親に代わって税務署に確定申告書を持参した」といったケースであればセーフになると思われます。一方で対象が親族以外の友人、知人になるとそれが本当に単なる代書や代理であっても、税務署に「何かあるのでは?」と思われて痛くもない腹を探られることにもなりかねませんのであまりおすすめできません。

以上の観点から具体的な事例を考えてみると、「金融機関の投資信託販売担当者が顧客の詳しい家計状況を聞いてiDeCo(イデコ)の節税額を算出し伝えた」とか「FP(ファイナンシャル・プランナー)が顧客の詳しい家計状況を聞いて配当所得を総合課税で申告するようアドバイスした」というケースもアウトになると考えられます。どちらにも共通するのは、いくら専門家であってもこと税務に関しては税理士以外が個別の相談を受けてはならないということです。もちろんこれは私たちブロガーも例外ではありません。私自身もよく証券税制などをネタにしてエントリーを書きますが、その内容はあくまでも一般論の枠内に留めています。これがもしある読者からの質問に答える形で個別の事例にアドバイスを与えるような形になると法令違反になる可能性が払拭できませんので。ちなみに、これは資産運用についても同様です。冒頭にリンクを貼った「個人の資産運用代行はルール違反です」にも書いたとおり、個別の投資判断に関するアドバイスができるのは投資顧問業の免許を取得した専門業者だけですので、当ブログにおいても一線を越えぬように注意して書いているつもりです。

とはいえ実際の社会生活においてはちょっと税制に詳しい人に分からない点を聞いてみることなど当たり前のように行われていますので、正直「そんなに目くじらを立てなくても・・・」と思わないでもありません。しかし、それがルール違反であることは紛れもない事実ですので安易に公共の場で話したりブログやSNSに書き込むことは控えるべきだと私は考えます(ルール違反行為を助長する恐れがありますので)。納税は国民の義務でもありますので、まずは正しい知識を身に付け、ルールを守って正しく申告するように心がけたいものですね。

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