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投資信託格付けチェック(2017年版)

kage

2018/03/04 (Sun)

本エントリーは昨年2月12日に書いた「投資信託格付けチェック」の改訂版です。ですから基本的な内容は1年前と変わりはありません。タイトルは相変わらずお正月の人気テレビ番組のパクリですし、チェック項目も引き続きリスクとリターンのたった2つのみです。また比較対象も投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017のランキングからピックアップさせていただきました。変わった点はランキングの変化に伴う選択ファンドの一部入れ替えと、格付けチェックを現時点の最新データで行ったことです。なお昨年同様にチェックに用いる元データは過去3年間のものを使いますので、設定から3年未満のファンドは残念ながら対象外となります。また今回も海外ETFは対象外とさせていただきました。さらに12位のひふみプラスも6位のひふみ投信と同じマザーファンドで運用されるため、比較対象から除外しました。ここで念のためになぜ過去3年のデータで格付けチェックを行うのかをご説明しておきましょう。それは過去1年では相場環境があまりにも好調過ぎてファンドの実力が判定できず、過去5年ではアベノミクス開始による株高・円安の恩恵が成績に下駄を履かせる格好になるためです。本当ならリーマンショックの影響を加味した過去10年のデータで比較したいのですが、それではピックアップできるファンドがほどんどなくなってしまいこの企画自体が成立しません。そこで消去法的に過去3年が残るわけですが、この期間に起きたチャイナショックやブレグジットによる市場混乱がファンドの成績に少なからず影響を及ぼしているため、実力判定にふさわしいと考えました。ただ実際にこの条件で対象ファンドを選出してみると、今年は昨年以上に対象外が多く、最終的に同率24位まで掘り下げなければ合計10以上になりませんでした。ちなみに同率24位で対象になったファンドが3つあったため、結局今回の比較対象は11ファンドとなっております。それではその栄えある(?)格付けチェック出場者の顔ぶれをご覧ください。

第2位・〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンド
第6位・ひふみ投信
第11位・セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
第14位・結い 2101
第17位・セゾン資産形成の達人ファンド
第19位・三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド
第20位・世界経済インデックスファンド
第20位・三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
第24位・野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型
第24位・eMAXIS バランス(8資産均等型)
第24位・SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ

以上の11ファンドを比較対象として、前回と同様にリスク(標準偏差)とリターン(トータルリターン)で格付けを行います。すなわち、判定基準は取ったリスクに見合ったリターンが得られたか?であり、投資効率の良し悪しを判定すると言い換えてもよいでしょう。なお今回も比較に必要な下記データはすべてモーニングスターのサイトから引用させていただきました。いつも個人投資家にとって大変貴重なデータをご提供いただき、心より厚く御礼申し上げます。

(過去3年間の実績)トータル
リターン
標準偏差シャープ
レシオ
A:ニッセイ外国株式インデックスファンド8.1515.880.51
B:ひふみ投信23.0113.181.75
C:セゾンバンガードグローバルバランスファンド3.809.680.39
D:結い 21018.047.351.09
E:セゾン資産形成の達人ファンド11.2215.500.72
F:三井住友DCつみたてNISA全海外株インデックスF7.8015.560.50
G:世界経済インデックスファンド3.7010.160.36
H:三井住友DCつみたてNISA日本株インデックスF11.0716.010.69
I:野村IF・内外7資産バランス・為替ヘッジ型4.066.130.66
J:eMAXIS バランス(8資産均等型)3.338.810.38
K:SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ32.1015.052.13

上記データを使って今回もエクセルでグラフを作成してみました。なお前回同様に比較対象が多くグラフ上にファンド名を表示すると乱雑になってしまうため、便宜上ファンド名称の頭に付けているアルファベット一文字で表記しています。このため少々分かりにくくなっていますが何卒ご了承くださいませ。下図(左)では水色の線がリスクとリターンが同じ数値になるポイントを示しており、一般的にこの水色の線より上側に位置するファンドが優れている(=取ったリスクに見合う以上のリターンを得ている)と判断できます。また下図(右)においては、線が立っている(=垂直に近い)ほど投資効率に優れ、寝ている(=水平に近い)ほど劣っていると視覚的に判断できます。

 FOY2017 3年 

上図(左)を見ると、水色の線の上側に位置して投資効率が良い(=取ったリスクに見合う以上のリターンが得られた)と判定できるのがアクティブファンドばかり(ジャイリバイブ、ひふみ投信、結い 2101)というのが興味深いです。同じアクティブファンドのセゾン資産形成の達人ファンドはここに仲間入りできませんでしたが、他のインデックスファンドを抑えて第4位に付けていますので、辛うじて面目は保ったと考えられなくもありません。結果的に下位に沈んだ形のインデックスファンドでも三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドや野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型の投資効率が相対的に良いことから、過去3年間における資産運用上最大のリスク要因は為替変動であったとも考えられそうです。実際にこの間のドル円相場の推移を見ると、1ドル=120円超えもあれば1ドル=100円割れもあるという大きな振れ幅を記録していますので。

上記グラフは嘘偽りのない現実を私たちに突き付けています。すなわち、過去3年間に限れば国際分散投資は為替変動リスクに翻弄されてまったく効率的な運用ができなかったと考えても差し支えないでしょう。念のために申し添えておきますが、この結果は怖いくらいに絶好調だった昨年1年分も含んでいるのですよ。私自身、この現実とは真摯に向き合わなければならないと考えております。確かにインデックス運用による国際分散投資は長期投資の手段として合理的な選択なのでしょうが、少なくとも過去3年間においてはまったく効率的な運用ができておりません。ちなみに今回投資効率面で堂々の第1位に輝いたSBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブの過去10年間のトータルリターンは22.39%、標準偏差は18.88、シャープレシオは1.18です。すなわち上図(左)において水色の線の上に位置しているわけで、リーマンショックの影響を加味してなおこの成績を残したことは素直に賞賛に値すると私は思います。とはいえリーマンショック当時のジェイリバイブは典型的なダメダメファンドで、基準価額も2013年頃まで設定時の1万円を割り込んでいました。だからこそ現状の目覚ましい成績についてもあらかじめ予想することはできず、あくまでもこれは結果論に過ぎません。それでもハイリスク投機家を自認するバリバリのアクティブ派である私は、合理的な選択が必ずしも最良の結果を生むとは限らないのだと声を大にして申し上げておきます。

さて、今回の判定に用いたリスクとリターンを使って算出する投資信託の評価指標がシャープレシオなのですが、これを使って今回のタイトルをいただいたお正月の人気テレビ番組のように比較対象を格付けしてみましょう。

一流投資信託(シャープレシオ1.0以上)
K:SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ
B:ひふみ投信
D:結い 2101

普通投資信託(シャープレシオ1.0未満0.8以上)
該当なし

二流投資信託
(シャープレシオ0.8未満0.6以上)
E:セゾン資産形成の達人ファンド
H:三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
I:野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型

三流投資信託(シャープレシオ0.6未満0.4以上)
A:〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンド
F:三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド

そっくりさん(シャープレシオ0.4未満0.2以上)
B:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
J:eMAXIS バランス(8資産均等型)
G:世界経済インデックスファンド

投資する価値なし(シャープレシオ0.2以下)
該当なし

ご覧の通り、昨年と比較して一流投資信託とそっくりさんが増え、途中の普通投資信託が該当なしとなったことから投資効率の格差が拡大した形になりました。相変わらず世界経済インデックスファンドが最下位ですが、今回は他の主要バランスファンドもお仲間に加わりましたね。とはいえ私もセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと世界経済インデックスファンドの受益者であり、ブランドは違えども8資産均等型バランスファンドに投資している身ですから、全然嬉しくありませんが。前回は同じバランスファンドでもeMAXIS バランス(8資産均等型)が頭一つ抜け出した形になっていたのですが、今回はほぼ横並びとなりました。その理由は定かではありませんが、おそらく資産配分比率の差より為替変動のインパクトが大きかったためではないかと想像しています。今回も投資する価値なしに該当がなかったことはせめてもの救いですが、願わくば次回こそはそっくりさんも該当なしとなりますように。

繰り返しになりますが、今回の格付けはあくまでも過去3年間の実績に基づく結果論です。過去の成績が良かったからといって未来の成績も良くなるとは限りません。また評価基準もシャープレシオのみであり、いわば一つの切り口で見ただけです。ファンドの評価には多角的な視点が必要であることは言うまでもありませんが、このような角度から見ることもできるという参考になれば幸いです。

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この記事へのコメント

kage

こんにちは。この企画が大好きです。シャープレシオの比較。意外な気付きがあり面白いです。時期によって評価も変わってしまうのですね。ヘッジ付きバランスFがしぶとく中位にとどまっているのが印象的でした。

Posted at 06:21:43 2018/03/05 by 徳米

この記事へのコメント

kage

徳米さん

コメントありがとうございます。

シャープレシオは切り取る期間によりかなり違います。モーニングスターのサイトで誰でも確認できますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

過去3年間の結果については本文中にも書いたとおり、結局のところ為替変動が最大のリスク要因であったということなのでしょう。高評価のジェイリバイブやひふみ投信は比較的円高の影響を受けにくい中小型新興銘柄中心の運用だったことが有利に働いた面も大きいと思います。その観点では海外比率9割弱でありながら野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型の上に位置しているセゾン資産形成の達人ファンドはかなり健闘しているともいえそうですね。

Posted at 06:25:30 2018/03/06 by おやじダンサー

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kage


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