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山崎バズーカ第15弾炸裂 前編

kage

2018/02/25 (Sun)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第15弾となります。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は昨日2月24日(土)でした。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は前回と同じく、第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト・永濱利廣さんでした。前回の放送から1ヵ月も経たずして再びこのコンビが復活したということは、よほど好意的な反響が大きかったのでしょうね。実際にこの後に出てくる番組冒頭のコメンテーター紹介部分で番組MCの田村淳さんからそれを思わせる言及もありましたし。それでは早速今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

番組MCの田村淳さん:さあ鈴木さん、今日は大好評のお金の話を。

番組レギュラーの鈴木奈々さん:お金ってやっぱり、すごく大事な問題だと思うので。今日はお金の話ですよね?超楽しみに来ました。

田村淳さん:永濱さんがね、非常に。僕のツイッターにも、いつもの永濱さんじゃない永濱さんが見れましたっていうコメントが。あんなにイキイキしている永濱さんをメディアで見れたのは嬉しいですと。山崎さんはいつもどおり、のびのびと泳いでらっしゃいますけれども。永濱さんも今日はまた自由に泳いでいただきたいと思います。

1週間NEWSフラッシュ!で気になる話題は?と問われて永濱さん:裁量労働制比較「非適切」。実は私、厚生労働省の経済データの委員もやらせてもらっていて内容もある程度分かるのだが、多分これは意図的にやったものではない。単に間違っちゃった。

山崎さん:嘘つきじゃなくておバカということですかね。

田村淳さん:いいですね。泳いでますね、自由に。いいですよ、山崎さん。

永濱さん:データの扱い方にそこまで熟練した人が少なかった。厚生労働省は業務が幅広い。他の省庁なら経済統計などに特化できる人もいるが、厚労省にはなかなかいない。

田村淳さん:厚労省みたいな大きな省庁にデータをキチンと扱える人がいないということですか?

永濱さん:そうみたいですね。そういう感じです。人事異動も2、3年で、いろいろなところに動いちゃうし。しかも各省庁の中でも比較的注目が薄い統計を作っていたので、あまりそこに力を入れていなかったのかも知れない。

田村淳さん:プロフェッショナルがいないとこういうことが起きちゃうということですね。まるで吉本興業みたいです。吉本興業もお笑いの会社なのに、詳しい人がいない映画に手を出して失敗しちゃうとか。

山崎さん:(厚生労働省は)医療とか年金とかを扱っていて、統計が正しく扱えないというのはかなりマズイですね。

永濱さん:そこは多分専門の人がいると思う。こういったところ(=裁量労働制)の調査をする人がちょっと手薄だった。

田村淳さん:省庁の方って頭の良い方がみんな行かれるイメージですけどね。

永濱さん:(厚生労働省は)いろいろくっつけちゃって大きくなり過ぎているから、三分割ぐらいした方がいい。

1週間NEWSフラッシュ!で気になる話題は?と問われて山崎さん:あえて「政府、カジノ入場料2,000円案」。これは何となく中途半端。2000円では多分ギャンブル依存症の抑制には全然ならないだろうし、そもそも他のギャンブルとカジノを分ける必要があるのか?

田村淳さん:他のギャンブルには入場料なんかないですもんね。

山崎さん:まあ競馬場に入る時には200円払いますけど。

田村淳さん:競艇もあるな。50円とか取られるか。

山崎さん:これが2,000円になると私は嫌だし、カジノにも不要だと思う。カジノに本当に必要なのは徹底的なギャンブル教育。決して儲かるものではありません。それはFX(為替証拠金取引)も同じです。パチンコも一緒です。宝くじもそうです。儲からない仕組みになっているのでほどほどにしましょうね。借金してまでやるようになるとかなりマズイ状態ですよと。もちろんMXテレビでやってもいいのだが、NHKのEテレが徹底的にやるべき。

田村淳さん:なるほど。お母さんと一緒にギャンブルを学ぶという番組があった方がいいと。

山崎さん:そうです。基礎英語と同じくらい大事。カジノの税金なんかを財源にしてやればいい。

永濱さん:(カジノ問題を)ぶっちゃけて言えば、外国人観光客にどれだけたくさん日本にお金を落としてもらえるかということ。そこから考えれば(入場料)はもう少し高くてもいい。1万円くらい取ってもいいだろう。

山崎さん:外国人はタダ(無料)だから。

鈴木奈々さん:1万円だと行きづらくなりますね。

永濱さん:でも山崎さんのお話だとギャンブルは損をする仕組みになっているので、日本人はあまりそんな損をする所へ積極的に行かない方がいい。

山崎さん:(ギャンブルへの出費は)投資ではなく教養娯楽費。だからこそギャンブルが娯楽であることをもっと正当に評価すべき。そこ(=気軽に楽しめることが)が一番のメリット。よく経済効果だとか税収だとかいった話ばかりするが、教育の場であり娯楽の場であることをもっと堂々と認めればいい。

田村淳さん:(番組アシスタントの阿部哲子アナに向かって)どうです?カジノができたら行きますか?

阿部哲子さん:私はFXで負けているので止めておきます。

田村淳さん:こんなにしっかりした人でも負けるんですね。

阿部哲子さん:大きく負けてます。

田村淳さん:じゃあ頑張って働かないとね。

阿部哲子さん:地道に働きます。

今週のキキタイ。テーマは「金融緩和とITが“あなたのお金の未来”を変える?」。

田村淳さん:お金の未来、僕たちの生活。どう変わっていくのでしょう?

山崎さん:ドンドンデジタル化していくし、それが合理的なのだと思う。今、現金だと思っているものも我々が現金だと決めて現金だと信じているから現金として流通している。これが改ざん不能なデジタルデータに置き換わることは極めて合理的。お金自体の性能としてはむしろ仮想通貨の方が優れている。おそらく現在銀行がやっていることは将来的に不要になるだろう。これはスマホが普及した後の固定電話と同じで、銀行の支店や銀行員は廃れていく。支店がなくなるのだから銀行に入ってもなかなか支店長になれない。銀行員人生の中では人事が最も大事なので支店長になれないのは大問題。実際銀行の支店に行っても待たされるし、ああせいこうせいと言われるし。それらもほとんどネットで済む時代になっている。事務もロボット化が加速している。(融資に必要な)銀行員の判断でさえAI化できるようになりつつある。

田村淳さん:そうなると銀行はどのような形で存続することになるんですか?

山崎さん:最終的には名前と株主と人事部だけが残るのではないか。

阿部哲子さん:銀行も悩んでいる。日本銀行の中曽副総裁は「適正な対価を求めずに銀行が預金口座を維持し続けるのは困難になってきた」と発言。その背景にあるのは、マイナス金利による収益減少、高度化する銀行システムやATM維持費などの負担、口座あたりに支払う印紙税の負担(通帳が発行される口座には毎年200円の印紙税が発生するため銀行業界全体で2015年度は726億円の印紙税が発生した)など。

訊きたい01

永濱さん:お金の仲介役である銀行の機能縮小が不可避なのであれば、個人が自己判断でお金に関するいろいろな決定を行う必要が生じる。そうなると一般の人たちもお金や経済に関する知識が求められる。その優劣で恩恵を受ける人と損失を被る人の差がかなり広がるのではないか。

鈴木奈々さん:銀行がそんなに危ない状態になっているのに銀行にお金を預けておいて大丈夫ですか?

永濱さん:(ペイオフ制度で)1,000万円までは保障されます。

山崎さん:まだ大丈夫。でも銀行員には近付かない方がいい。銀行は儲からなくなっているわけだから、金持ちのお金を運用して手数料を取るか貧乏人にお金を貸して金利を取るかしかない。例えばカードローンの金利とか。クレジットカードを作ってもやたらリボルビング払いにしろと言われる(筆者注:リボ払いの金利がベラボーに高いことは皆さんご承知のとおりです)。いわば借金生活の入り口を作って待ち構えているようなもの。リボ外しは大事。そもそも銀行員の時間を使うということは彼らの人件費分を手数料として支払わなければならない。近付くと危ない。今は大体のことがネットでできるので、ネットバンキングを積極的に活用しましょう。

永濱さん:実は私、某銀行の客員研究員もやらせていただいている。だから(山崎さんのご意見には)コメントしづらい。ただ銀行の従業員は優秀な方々が多いことも事実。かつてある地方銀行が経営破綻した時にはそのような優秀な人材が地元企業に供給されて経済の活性化につながったという事例もある。だから例え銀行に就職する人が減っても優秀な人材が別の分野へ供給されるのなら経済全体としてはいいこと。

山崎さん:確かに銀行は優秀な人材を集めているが、50歳くらいで早々に出向させてしまう。これはわざわざつまらない人間を仕立てて飼い殺しちゃうようなもの。その銀行員が減って優秀な人材が有効活用されるのなら本当に素晴らしい。20代の銀行員さんであれば銀行員は優秀という世の中のイメージがある内に転職先をぜひ探すべき。

永濱さん:最近の銀行員は入社3年目で転職している人がかなり多い。

田村淳さん:昔は銀行に就職すればそのまま一生安泰というイメージがあったのに。

阿部哲子さん:結婚相手としても最高と言われていましたしね。

鈴木奈々さん:えー、時代が変わったー。

阿部哲子さん:お金を預ける方も変わらないといけないですね。

永濱さん:預ける側はそんなに変わる必要はないのではないか?普通の会社と違って銀行は取引先も多く、潰れると大変なことになるので、国が守って簡単には潰さない。例えば強い銀行に吸収させるとか。そう考えると(銀行の将来を)それほど心配する必要はないのではないか?

田村淳さん:(銀行の合併で)これ以上長い銀行名になるの、俺、嫌なんだよな。ドンドン長くなるでしょう。ところで、メガバンクが自ら仮想通貨を発行しようとする背景には何があるんですか?

山崎さん:例えば仮想通貨なら送金手数料が安いなどのメリットがある。しかしそれ以上に仮想通貨に乗り遅れると、銀行を通さない個人間の取引が活発化した時にお金の動きを把握しているという銀行の強みを失ってしまう。だから何とかそこに関わりたいという思いがあるのだろ。それにしてもMUFGコインは言いにくい。

永濱さん:仮想通貨は将来的に広がっていくだろう。これは通貨の革命的な動きだと思っている。今、私たちが当たり前のように価値があると信じている紙幣にしても元々は金本位制で金(Gold)の裏付けがなければ発行できなかった。しかしそれでは金の量が足りなくなるので金本位制から離脱して政府や中央銀行の信任で紙幣の発行をできるようにした。今回それと同じような新たな革命が起きている。しばらくは制度設計の問題でいろいろなトラブルも出てくるだろうが間違いなく広がっていく分野だと思う。

鈴木奈々さん:でも仮想通貨って目に見えないのでちょっと怖くない?何だか信用できないんだけど。

田村淳さん:怖いですよ。実際に俺がコインチェックに預けているお金は動かせないんですからね。どうなってるの?俺のイーサリアムは。それよりも今後、政府が生活に必要最低限のお金を全国民に給付するベーシックインカムの時代が本当にくるんですか?

永濱さん:私はくると思う。くるというよりはむしろ、そうしていかないと人類は生活ができなくなる。AIが進化するとどうしても仕事を失う人が出てきてしまう。そういう人たちに最低限の生活を保障するベーシックインカムは不可欠だと思う。だだ問題としてよく指摘されるのが財源をどうするのか。その莫大な費用を増税で徴収すれば景気に悪影響が出るので、おそらく政府・中央銀行がお札を刷って世の中に供給する方法になるのだろう。

田村淳さん:その方がよくないですか?働かずにみんな毎月同額のお金をもらって生活をするという。

鈴木奈々さん:その金額はどのくらいになるんですか?

永濱さん:それはさすがに必要最小限の額になると思う。具体的な金額はその時代によって違う。

山崎さん:例えば7万円とか、10万円とか。

阿部哲子さん:2017年1月からフィンランドが実験的に2年間限定でベーシックインカムを導入している。給付対象は無作為に選出された約2千人の失業中市民。支給月額は約6万8千円。

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鈴木奈々さん:もし月額7万円として4人家族であれば毎月28万円が国から出るということですか?それ、スゲーいいっすね。いいですよね。でも足りるかな?28万円で。

田村淳さん:それは足りるように生きていくしかないでしょう。働いてないんだから。

山崎さん:追加で働けば働いた分だけ増える。これは再分配の仕組みとしてはとても優れている。仮に財源を増税で賄うにしても手取りが7万円増えているので支払うことはできる。要はどれだけ再分配するか?ということ。だからベーシックインカムについては財源をそれほど気にする必要はない。(仕組みは単なる再分配なので)たくさん稼ぐ人からはたくさん税金を取り、支払うベーシックインカムとの差し引きで考えればいい。だから仕組みとしてはとても合理的。例えば日本年金機構のような無駄な組織が年金を集めて歩くみたいな…

田村淳さん:無駄なんですか?納めてますけど、僕。

山崎さん:相当程度無駄。事務の効率も悪いし。そういうものをドンドン縮小することもできるのでコスト的にも良い。ただ官僚が不要になってしまう面もあるので相当反対されると思う。例えば生活保護の認定なども不要になる。このようにベーシックインカムは素晴らしい制度だが、日本の行政はそれを実現しないだろうと予想する。

永濱さん:多分海外がやって、日本がそれに追随するという形になると思う。

田村淳さん:逆にベーシックインカムのデメリットってどこですか?

永濱さん:(財源確保のために)増税をやり過ぎると景気に悪影響が出る。だから私は極論だが日本銀行が何の裏付けもなくお札を刷って給付に使ってもいいと思う。例えば政府が永久無利子国債を発行して日銀がそれを買えばお金はできる。それをみんなに配ればいい。

山崎さん:インフレを財源とするベーシックインカムという考え方ですよね。

永濱さん:ただそれを日本だけがやると通貨が暴落してしまうリスクがある。他の国と同時にやればそのリスクも軽減できると思う。世界的にやることが重要。

山崎さん:再分配で難しいのは税収と給付の差し引きのコントロール。ベーシックインカムならその調整も簡単になる。今の日本は一生懸命デフレから脱却しようとしているが、ベーシックインカムはその有効な対策にもなり得る。いいですよ、なかなか。

永濱さん:(田村淳さんや鈴木奈々さんを指しながら)ただ皆さんのようにいっぱいお金を稼いでいる方には増税になる。

田村淳さん:俺、全然税金納めますよ!たくさん稼いでたくさん納めたいですもん。そうでしょう?国のために。

鈴木奈々さん:カッコイイ!

以上、山崎バズーカ第15弾炸裂・前編をお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか?個人的にはベーシックインカムを巡る議論を大変興味深く拝聴いたしました。フィンランドの実証実験での支給額が毎月約6万8千円ということなので、日本に当てはめて考えると国民年金の満額(現在月額約6万5千円)に近いと思えば理解しやすいかも知れません。すなわち、ベーシックインカムとは年金保険料を納めていなくても、国民であれば誰でも(生まれたばかりの新生児でも)一律に国民年金満額相当の給付が受けられる制度ということですね。考えてみれば現状の国民年金でもすでに国庫負担割合は1/2ですから、50%を100%にするだけだと思えばそれほど大したことではないのかも知れません。とはいえ納付期間などの受給要件が撤廃され、未成年者や現役世代も給付の対象になるわけですから給付の絶対額が激増することは間違いないでしょう。さらに年金保険料を納付した人としていない人の間で不公平が生じることも事実ですので、過渡期には給付額に差を設けるなどの対策が必要になるのかも知れませんね。あと財源について永濱さんが言われたような日銀による無利子永久国債の引き受けはいわゆる「ヘリコプターマネー」そのものですので、インフレの暴走という懸念もあります。これを例えるなら現在のキャベツ・レタス・白菜のように物価が跳ね上がるイメージです。もっとも長くデフレに苦しめられた日本がインフレに転換するためにはそれくらいの「劇薬」が必要なのかも知れませんが。ベーシックインカムの導入で国民年金や生活保護の制度を撤廃できれば事務作業効率化の恩恵はかなり大きいと思われます。しかしそこに関わる仕事や既得権がなくなるため、山崎さんご指摘のとおり官僚の抵抗は強烈でしょうね。ただベーシックインカムにしても仮想通貨にしても世界全体の流れがそちらに向かえば日本だけが抵抗するわけにもいきません。もしかすると私たちの老後生活は現在の想定よりもかなり変わった形になるのかも知れませんね。

さて、私の戯言はこれくらいにして、また文字起こし作業に戻ります。なお後編のテーマは「あなたはどのサイトで買い物をしていますか?加熱するネット通販戦争について考える」です。どうぞお楽しみに。

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