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山崎バズーカ第14弾炸裂 前編

kage

2018/02/03 (Sat)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第14弾となります。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は先週土曜日の1月27日でした。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は番組初登場の第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト・永濱利廣さんでした。私自身は永濱さんを他局の経済情報番組でたびたびお見かけしていたので存じ上げていたのですが、まさかバラエティー色が強いこの番組に出演されるとは驚きです。ちなみに番組MCの田村淳さんとはかつてフジテレビ系列で放送されていた「知りたがり!」で面識があるとのこと。「大変窮屈な番組でしたが、ここでは自由に発言していただいて結構ですから」と番組冒頭から自由度全開の発言で大いに笑わせていただきました。なお永濱さんの代表的な著作を欄外でご紹介しておきますので、ぜひご参考になさってください。それでは今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

 

番組MCの田村淳さん:今日は鈴木さん、お金に詳しいお二人ですからね。

鈴木奈々さん:えっ、保険の?今も保険の?

永濱さん:保険会社のシンクタンクなんで。別に保険を売っているわけではないんですけど。保険会社辞めてますから。

鈴木奈々さん:ああ、そうなんですね。山崎さんは絶対保険入らない方がいいって言うんですけど、それはどうお考えですか。

永濱さん:それはモノにもよると思います。

山崎さん:この辺で許しておいてあげてください。でも奈々さん、経済の話を怖い思いをしないで聞けるじゃないですか。私は口が悪いし、町田さん(筆者注:前回の相棒です)あたりは話し方が怖いし、須田さん(筆者注:第十弾の相棒です)なんかは話さなくても怖いので。でも永濱さんはグッドルッキングだし、優しいし。

1週間NEWSフラッシュ!の中で気になる話題は?と問われて永濱さん:草津白根山噴火、1人死亡。昨日前橋に講演に行った。私は栃木出身だが生まれは群馬。聞いてきたところによると、かなり観光客が減っているそう。地元の人曰く、同じ草津と書いてあっても草津温泉からは5km以上離れている。温泉にはまったく被害はないので風評被害に騙されないで観光に来てくださいと。

山崎さんは?と問われて山崎さん:安倍首相「残業に上限」意欲。これはなかなか厳しい。結局残業代が減ることになるだけではないか?あるいは家に仕事を持ち帰ることになるとか。成果を測って報酬を支払う人事制度がキチンとできていないのにそこ(残業)だけ厳しくしてもと思う。あとはやはり仮想通貨NEM、580億円消失。仮想通貨のテクノロジー自体は非常に信頼性が高いもので今後有望だと思う。改ざんできないデータだというのは最もお金にふさわしい性質を備えている。しかし仮想通貨を扱っている人、扱っている場所が問題。それは今のお金でも同じで誰に預けるかが重要。株券や投資信託も証券会社がキチンと預かる仕組みができている。しかし仮想通貨についてはまだそこまで信頼できる仕組みが整っていない。価格変動も激しいので、結構儲かっている人がいるからといって自分も一儲けしようと安易に手を出すと大変なことになりかねない。今回問題を起こしたコインチェック社の共同創業者が書いたビットコインの本(筆者注:番組では紹介されませんでしたが表紙が画面に映ったので下記の書籍だと分かりました)を買ってきたのだが、本自体はとてもわかり易く、表紙に「NHKクローズアップ現代に著者出演」とも書いてあるので、コインチェックという会社も多分大丈夫なんだろうとは思わない方がいい。



田村淳さん:クローズアップ現代に出ているからといって信用してはダメだということですね。

山崎さん:クロ現とかね。あさイチとかね。ああいう番組に出ているからといって信用してはいけない。ただ私もクロ現に出たことがある。手数料の高い投資信託は全部ダメだと言ってきましたけど。

田村淳さん:ちゃんと放送されました?

山崎さん:生放送ですから。

田村淳さん:でも二回目呼ばれないとかあるでしょう?

山崎さん:まだ呼ばれないですね。

田村淳さん:メディアで都合の悪いことを言うと二回目呼ばれなくなるのよ。そんなバカなと思うけど。

永濱さん:私はクローズアップ現代に出たことはないが、それぞれの地域でやっている北海道クローズアップには出たことがある。北海道は生放送ではなかった。直前に収録してすぐに放送というようなスタイル。

田村淳さん:その疑似生放送みたいなのが俺は一番信用できないですけどね。生でやれよ!と思っちゃう。僕、コインチェックに入れているんですよね。ビットコイン持ってましたから。でもどうなるか今のところ分からない。昨日の説明会件見てましたけど、のらりくらりとね。あまり聞きたいことは聞けなかったので。この先、見守るしかできないですけどね。この番組の特集で取材に行ったのはbitFlyerさんでしたが。ただネットを見ていて出川哲朗さんにコイン返せというのは俺は違うと思う。出川さんは広告として出ているだけで、出川さんが持ち逃げしたみたいな。皆さんそのあたりはキチンと。請求とか問い合わせは会社に。出川哲朗さんに連絡するのは止めてください。

今週のキキタイ。テーマは「2018年、わたしたちのお給料は上がるの?」

田村淳さん:鈴木奈々さんは旦那さんが会社員の方ですが、実感はありますか?給料が上がったなっていう。

鈴木奈々さん:旦那の給料まだ知らないんですけど。でも、上がっているとは思うんですよね。

田村淳さん:そんな適当な会話は聞きたくないです。会社員の奥さんだからそういう情報があるかなと思って聞いたのに。

鈴木奈々さん:でも上がってもらわないと困りますよね。上がると思いたい。だって消費税が上がるかも知れないから。

田村淳さん:数字(各種経済指標)だけ見たら「安倍さん、ありがとう。あのドン底からよくぞここまで立て直してくれた。」と言いたくなるような数字ばかり並んでいるんですが、それが昇給という形で実感できないと景気が上がったとは言えないのではないですか?

永濱さん:普通の番組では言えないことを言っていいですか?(番組の解説VTRで紹介された)戦後2番めの景気回復というのは実は違う。景気回復の期間というのは内閣府が景気の山と谷を決めて、谷から山までを景気回復期間としている。これまでは11の経済データを元に判定していたが、今回は不可解なことに1つが除かれて10の経済データで判定している。以前の基準で機械的に判定すれば2014年4月から2年くらい景気後退になっているはず。その判定をしているメンバーの多くが2014年4月に消費税を上げても経済への影響は限定的だと言っていた人たちなので、消費増税で景気後退しましたとは判断しにくい。

山崎さん:政府と有識者がグルだったということなんですね。まあそりゃそうでしょうね。政府に呼ばれたら嬉しがるような人たちだから。政策の効果だけではないが、人手不足が顕著なのですでに非正規の給与は上がってきている。だからさすがに全体も上がってくるのではないか?しかしそれほど大きくはないのではないかという感じはする。

永濱さん:それなりにお給料は上がると思う。一方で今、原油価格が上がっているので物価も上がってきている。お給料は1%ぐらい上がると思うが物価も1%上がるから今年の生活水準はあまり上がらない。

番組アシスタントの阿部哲子さん:国税庁民間給与実態統計調査によると2013年のアベノミクス開始以降、名目賃金(実際に手に入るお給料)は徐々に上がってきている。しかし厚生労働省毎月勤労統計調査によると実質賃金(インフレ率を加味した実感のお給料)は下がっている。また正規雇用と非正規雇用の賃金差は依然として大きいという厳しい現状がある。

アベノミクスと賃金

田村淳さん:データを信用したいですけど、都合のいいデータだけを持ち出す可能性もありますからね。

永濱さん:このデータも野党にとっては都合がいい。平均賃金は正規雇用と非正規雇用をまとめて平均したもの。アベノミクスで雇用は増えている。ただし増えたのは賃金の安い女性や高齢者などの非正規雇用。それをまとめて平均してしまうのでより賃金が下がって見える。本当はここまで下がっていないと思う。

田村淳さん:野党はアベノミクスの効果は出ていないことを示すためにこのデータを使うし、政府は政府で一番いいところのデータを使うし。(国民が)本当に知りたいデータを扱っている政党がないということですね。選挙の時だけ、擦り寄ってくるのは。

山崎さん:でも経団連が賃金を3%上げましょうというのは珍しいこと。通常はそんなに上げられないと言うのがあっちのおじさんの係なのだが。これまで政府は賃金とROE(自己資本利益率)を同時に上げろと、まるでアクセルとブレーキを同時に踏めと言っているようなものだった。ROEを上げようとすると賃金は上げられないので、経団連が声をかけなければ仕方がないのかなとも思う。ただ中小企業まで一斉に賃上げするのは難しいだろう。実質賃金がプラスになれば今年は上々なのではないか。ただこれだけ外部環境が良くてもその程度となれば、来年、再来年はさらに身構えてしまって財布の紐は緩められないかなという感じはする。

山崎さん:(永濱さんに向かって)消費税を上げてしまうと絶対ダメですよね?

永濱さん:そうですね。私は来年は景気が悪くなると思います。かなりの確率で悪くなると思います。

鈴木奈々さん:嫌だ-。やめてー。

永濱さん:2019年10月に消費税率が10%に上がる。これはまだ100%決まったわけではないので、上がらなければ悪くならないかも知れない。また東京五輪自体は2020年の夏に開催されるが、前回の東京五輪を見ると経済成長率が一番上がったのはちょうど開催1年前だった。なぜなら五輪特需は再開発などの建設投資がメイン。建物はいきなり使うわけではなく点検などもあるので需要のピークは前倒しになる。前回同様なら2019年の夏がピークになる。そうなると消費増税と同じタイミングで五輪特需効果も下向くことになる。さらには米国経済も景気回復が9年目に入り相当長い。景気回復は永遠には続かず循環するもの。もし米国経済が2019年から下向けば確実に日本も景気後退に陥る。

山崎さん:順番でいえば米国の株価が先に崩れてもおかしくない。FRBが金融引締めをしているので。米国に株価についてはすでにかなり高い水準にきていると言われているので、崩れれば日本にも影響が出てくる。世界全体の景気サイクルを考えても来年あたりは小休止になる可能性がある。五輪が一大プロジェクトであることは認めるが、その次にそれに匹敵するものがあるかといえばない。さすがに長野五輪後の長野のようにはならないとは思うが。そうなると不動産を持っている人はまだ買い手がいる内に売っておこうかなと思うのが前の年、あるいはもう少し前かも知れない。

永濱さん:ただ景気は循環するので、悪くなってもずっと悪くなり続けるわけではない。また良くなる時はくる。少しの我慢かなと。

鈴木奈々さん:でも(景気後退に備えて)何かしておいた方がいいことはありますか?

山崎さん:今は良くなっている時なんだから人生をエンジョイしないと。

鈴木奈々さん:じゃあ今家を買っておいた方がいいのかな?

山崎さん:今家を買うのが一番まずい。(五輪特需の)ピークなので。自分へのご褒美とか言って興奮して不動産を買っちゃったりすると危ない。

田村淳さん:俺は今、家を建てている真っ最中ですけどね。もう散々ですわ。今家建ててるし、コインチェックにビットコインを預けるし。コインチェックのことはまだ嫁に言ってないですしね。でも何とか明るい兆しを絞り出せませんか。

永濱さん:先程も言ったように景気は循環するということと、仮に日銀が出口戦略を早めたりすると今年後半から日本株も下落に転じるかも知れないのでそれを見た安倍さんが消費増税を止める判断をする、あるいは今の米国のように減税をする決断をすれば消費は拡大するだろう。

山崎さん:減税になれば手元のお金が増えるので消費は拡大する。政府の収支を赤字にして需要を追加して物価を上げるという形に早く、素直にすればいい。国民にお金を渡す方法としては公共事業をやるよりは減税で広く消費者にお金を渡す方がいい。その意味では消費税率を下げるというのは非常に素晴らしい政策。2014年の消費増税で失敗したから下げるというのは素直でいい。でも(消費増税の決断をする)年末はまだ安倍さんなんですかね?

永濱さん:9月に自民党総裁選挙がありますから。

山崎さん:もし安倍さんでなくなっているとすると、今のところ石破さんでも岸田さんでも小泉進次郎さんでもどちらかといえば官僚さんのご説明の毒が回っていて消費税を上げたがっているような感じなんですよね。

永濱さん:安倍さんが辞めちゃうと株は暴落だと思いますよ。外国人投資家が売ると思います。昨年日経平均株価が16連騰した要因は衆議院解散総選挙で自民党が勝ちそうだということで外国人投資家がアベノミクス継続の安心感で買ったから。その逆が起こり得る。

以上、山崎バズーカ第14弾炸裂・前編をお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか?お二人のお話を聞く限り、今年の年末頃と予想される消費増税の決断が今後数十年の日本の行方を決める重大なターニングポイントとなりそうですね。もっともその前に9月の自民党総裁選で「安倍退陣」ともなれば、永濱さんご指摘のとおり日本株が大暴落して経済界も大混乱という最悪のシナリオも考えられますが。そもそもバブル崩壊以来長く我が国を覆い続ける閉塞感を産んだ諸悪の根源は少子高齢化の急速な進行を知りながら有効な対策を講じられなかった政治家にあることは言うまでもありません。しかし元を正せばその政治家を選んだ国民一人ひとりの自業自得とも言えるわけで、私たちの中にある「問題を将来に先送りしても自分は痛みを負いたくない」という本音の反映なのかも知れません(自戒を込めて)。ただし理由はどうあれこのまま手をこまねいていては日本の社会保障制度は破綻を余儀なくされることは火を見るより明らかです。今後も加速度的に増加を続ける社会保障費をすべて消費税で賄おうとすると、税率20%でも全然足りませんので。私が思うに、失われた10年(20年?)の間に私たち国民に深く浸透してしまったデフレマインドを一掃するためには相当思い切った対策が必要なのではないでしょうか?これを例えるなら湿った炭に火を付けるようなもので、マッチや着火剤では全然ダメなので思い切ってガスバーナーを使うといったような。そういう意味で消費減税は大いに検討の余地があるように思います。本当にこのままだと「投資など金持ちの道楽だ!」と決め付けられて税金を搾り取る対象にされ、投資ブログなど絶滅してしまいますよ。そして私が一生を終える時に「思えば東京五輪前が人生最後の明るい時代だったな」と回想することになりそうで怖いです。

さて、私の戯言はこれくらいにして、また文字起こし作業に戻ります。なお後編のテーマは「結局TPPは良いの?悪いの?あらためて学ぶTPP11」です。どうぞお楽しみに。

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