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現状の仮想通貨投資は非効率?

kage

2018/01/13 (Sat)

今回は昨年12月10日付のエントリー「ビットコインバブル」に引き続き、ビットコインに代表される仮想通貨に関して思うところをつらつらと書き連ねてみたいと思います。タイトルに掲げたとおり、私個人としては現時点における仮想通貨への投資(投機)は極めて効率が悪いと判断しています。ただしその理由は仮想通貨自体の問題(バブルであるとかそもそも価値があるのか?など)ではありません。それではどこに問題があると感じているのか?といえば、株式や為替などの取引と比較してまだ投資環境が全然整っていない点です。その代表例が税制であり、国税庁のサイトに掲載された下記の通達をご覧いただければお分かりのとおり、ビットコインの取引で得た利益の税目は昨年4月1日になってようやく決まったような状況なのです。このように現状においては投資環境の整備が完全に後手後手になっており、投資(投機)で負うリスク以外の部分で思わぬ不利益を被る可能性が否めません。

No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係

[平成29年4月1日現在法令等]

 ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

 このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

(所法27、35、36)



それでは改めて上記通達の中身を確認してみましょう。ビットコインの取引で得た利益は所得税の課税対象となります。そしてその税目は原則雑所得です(ただし法人口座で事業として取引を行うような場合は事業所得)。これがいったい何を意味するのか?と申しますと、株式取引に適用される分離課税とは異なり、給与所得などとすべて合算される総合課税となるため、適用される税率も累進課税で最高45%となるわけです。ご参考までに国税庁のサイトからお借りしてきた所得税の速算表を貼り付けておきますのでご参照ください。

所得税率

例えば昨年のビットコインバブルで1億円の利益を得たとすれば、4,000万円を超える部分に適用される税率は上限の45%となります。なお4,000万円以下の部分については45%より低いそれぞれの税率が適用されるため、結果的に控除額の欄に記載された金額が課税額から差し引かれます。すなわち1億円の利益であれば、1億円✕45%-479万6千円=4,020万4千円が納税額となる計算ですね(厳密には復興特別所得税が上乗せされますがここでは無視します)。現実にはこれに加えてさらに住民税も課税されるわけですが、ザックリ税率10%とすると(実際の計算式は自治体により異なります)実に利益の半分以上が税金で持って行かれることになり、これでは取ったリスクに全然見合わないというのが私個人の印象です(自営業者であれば翌年の国民健康保険料も跳ね上がるでしょう)。しかも税目が雑所得であるため損失の繰越もできません。さらに言えば繰越どころか他の所得(給与所得、利子所得、不動産所得、株式等の譲渡所得など)との損益通算もできないのです。損益通算ができるのは同じ雑所得だけ(ブロガーのアフィリエイト収入など)であり、これで本当にリスクを負うだけの価値があるのか?私個人としては疑問を禁じ得ません。

このようにビットコインに代表される仮想通貨の取引で得た利益は総合課税の雑所得となるため、サラリーマンであっても給与所得以外の合計が20万円を超えれば確定申告の義務が生じます。社会的にビットコインへの注目度が増したことにより国税庁も脱税に目を光らせているとの下記の報道もありますので、昨年仮想通貨取引で申告すべき利益を得た方はくれぐれも確定申告をお忘れなく。

ビットコイン長者、国税がリストアップ着手 税逃れ対策(朝日新聞)

現ナマ(現金のこと。もはや死語ですか?)と違って仮想通貨の取引には電磁的記録という「動かぬ証拠」が残っていますので、間違っても意図的な申告回避はされませんようご忠告申し上げます。なぜなら脱税は悪質と判断されれば逮捕もあり得る重大な犯罪ですので(FXの世界には過去に巨額脱税で逮捕されたことを逆手に取って、それを売りにしている元主婦講師もおられるようですが)。

あと確定申告をされる際には住民税の支払い方法選択にも十分ご留意ください。ご承知のとおり住民税の支払いには特別徴収(給料天引き)と普通徴収(自分で支払う)があるのですが、ビットコインで大儲けしたサラリーマンが深く考えずに給料天引きの特別徴収の方が簡単で楽ちんだからと選んでしまうと、給料がマイナスになって社内騒然!という事態にもなりかねませんのでくれぐれもご注意を。例えば副業禁止の会社であれば、人事部から「お前は社則を破ってこっそり副業をしているだろう」と痛くもない腹を探られる可能性も十分にありますので。ちなみに住民税の特別徴収(給料天引き)と普通徴収(自分で支払う)の選択は確定申告で可能です。該当部分(赤枠で囲っておきました)の画像を下に貼り付けておきますので、ご参考になさってください。

確定申告

これらのことから私自身は現状における仮想通貨取引は非効率(もっとあからさまに表現すれば非合理)であると考えております。ただし米国でビットコインの先物取引が開始されたように相場環境も徐々に整ってくると思われますので、もし私なら仮想通貨分散投資信託とかビットコイン連動ETFが登場するまで待ちますね。そうすれば私たち個人投資家に馴染み深い証券税制が適用されますので。とはいえ世の中には価格の大半が税金であると知りつつタバコやお酒を嗜む方々数多くおられますので、非効率を承知の上でチャレンジされるというのであればもうこれ以上何も申し上げることはございません。どうぞご自由に、心置きなく一攫千金を狙ってくださいませ。そして実際に大儲けしていただければ巨額納税で間違いなく世のため人のためになりますので。

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