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山崎バズーカ第13弾炸裂 前編

kage

2017/12/30 (Sat)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第13弾となります。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は先週土曜日の12月23日(天皇誕生日)でした。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は第5弾以来久しぶりとなるジャーナリストの町田徹さんでした。ちなみに番組で紹介される町田さんの肩書が第5弾時のジャーナリスト・ノンフィクション作家から今回はゆうちょ銀行社外取締役・ジャーナリストに変わっており、大の銀行嫌いで知られる山崎さんとのバトルも見どころのひとつです。ただし本エントリーは放送内容の約半分を取り急ぎ文字起こししたもので、そのバトル部分はまだ登場しません。悪しからずご了承ください。それでは今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

番組MCの田村淳さん:さあ、鈴木さん。今日はお金の話、たくさん聞けると思いますが。

番組レギュラーの鈴木奈々さん:超聞きたいです。私お金大好きなんで。

田村淳さん:相当貯め込んでますもんね。

鈴木奈々さん:そうですね。この芸能界いつどうなるか分からないので、貯金はちゃんとしています。

田村淳さん:何が気になりますか?今、お金のことでは。

鈴木奈々さん:いろいろ今あるじゃないですか、お金で。問題が。

田村淳さん:例えば?

鈴木奈々さん:不正しているとか。

田村淳さん:誰が?

鈴木奈々さん:企業が、企業が。いろいろあるじゃないですか。そういうの気になりますよね。あとやっぱり保険も気になりますね。

田村淳さん:でも山崎さんがどれだけ保険の話を鈴木にしてくれても実行に移さないですからね。

山崎さん:やっぱり自分が失敗したということをなかなか認めにくいんでしょうね。

田村淳さん:保険入るなって山崎さん言っているのに。(番組アシスタントの阿部哲子さんに向かって)話聞いてからやっぱり解約したでしょ?

阿部哲子さん:はい、私保険やめました。

鈴木奈々さん:マジですか?

田村淳さん:ほら。

鈴木奈々さん:本当にやめたんですか?

阿部哲子さん:本当に今無保険です。

田村淳さん:その代わり自分でキチンと…

山崎さん:貯蓄が。

田村淳さん:貯蓄してってことですよ。

鈴木奈々さん:えー。

山崎さん:貯蓄がある人は保険いらないですよ。

鈴木奈々さん:本当ですか。やめるのが怖くて怖くて。(町田徹さんに向かって)保険入ってますよね?

町田さん:ちょっとだけね。

鈴木奈々さん:ちょっとだけ。

田村淳さん:町田さんに聞くのもちょっと何か。ゆうちょの方に。(筆者注:保険を販売しているのはかんぽ生命なので建前上はゆうちょ銀行と保険は無関係です。)

1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて町田さん:やはりリニア(リニア工事、大林組談合申告)。なくならないでしょう、談合が。何度やめると言って社長が辞任なんかしたりしても全然なくならない。結局リーニエンシー制度(課徴金減免制度)っていうのができて、談合をやっていたやつが仲間を裏切って売ればあなただけ罪を軽くしてあげるよっていうのができて、ある程度摘発は簡単になって日本の公正取引委員会はそればっかりやりたがるけど、全然なくならない。結局課徴金では生ぬるくて、一回(談合を)やったら鹿島も大林も潰れちゃいますっていうぐらいのことをしないとなくならない。

田村淳さん:山崎さん、談合って今まで何度となく報じられてきているのに、いまだに企業が談合しちゃうってどういうことなんですかね。

山崎さん:どうですかね。やっぱり一人ひとりが会社のためっていうことになると結構悪いことができちゃう。でもこういうことはずっとあったのだろうが、まだそれでも今は表に出るようになってきた。三菱マテリアルの話にしても、各種いろいろなものが出るようになってはきた。それは個人の会社との距離感というものが変わってきたということではあるんのだろうが。しかしまだ告発した人が、告発が利益になるような仕組みが十分にできていない。告発して形の上では守られていてもサラリーマン生命が終わるみたいな状況で会社から「会社のためだから」と言われたら個人としては何もできないし、しなくていいと思っているという状況が延々と続いている。だから個人が不正を告発することが個人にとって利益になるというぐらいのレベルまで持っていかないといけないだろう。さらに町田さんが言われたように企業や経営者に対する処罰も甘すぎるのだろう。

町田さん:日本の公正取引委員会は世界の独占禁止法の専門家たちの常識では特異な存在。歴代のトップは財務省か経済産業省から来ている。だから銀行の保護とか、産業の育成とか、そういう観点の独禁法になってしまって、消費者の利益を守るという視点がない。だから欧米の独禁法の教科書を書いている人に言わせると、そういう特別変わったユニークな独禁法をやっているのが日本だということを一章別に立てて説明しなければならないという話になる。本来の独禁法は消費者最優先なので今のような生ぬるい処罰で許していること自体がおかしいし、リーニエンシーができたから複数の談合は摘発しやすくなったが一つの会社が悪さをしているケースは摘発されない。欧米であればグーグルやマイクロソフトが頻繁に摘発されているのに。だからもっと悪いのもやらない(摘発しない)、一社で悪さしているのもようやらない(摘発できない)。もはや独禁当局自体を鍛え直さないと全然だめ。

田村淳さん:それは企業の利益を守ることで国の利益が高まるということなんですか?

町田さん:だからそういう風に考える人が出てくる。東南アジアでは経済で成功した日本のやり方は正しいのではないかと勘違いする人たちが出てくると欧米の独禁当局は怒っている。

田村淳さん:本来独占禁止法は消費者のためにあるものだから消費者目線で法律を動かさなければいけないのに、企業側に使っているということですね。

町田さん:最優先が消費者。あとは小さな会社。大きな会社が下請けイジメするようなやつも独禁法で守らなければならない。弱い者の味方になっていないのが日本の独禁法。

田村淳さん:何で山崎さん、そうなっちゃうんですかね。

山崎さん:まずお上があって、そこにぶら下がっている企業があって、その下に消費者がいて国民がいる。上には従っておいた方がきっといいんだろうといったような文化もあるのかも知れない。

町田さん:これ(リニア談合)は誰も被害者がいないように見えるが、工事費用が高ければ将来の運賃は上がる。必ず誰かから搾取する悪い犯罪。

田村淳さん:いずれ回収されるのはリニアに乗る利用者からということなんですね。

町田さん:そうなります。今は公的融資を受けているので、公的融資を貪っているという言い方ももちろんできる。しかし長い目で見れば運賃は必ず上がる。

今週のキキタイ、テーマは「不祥事連発?!日本のモノづくりは大丈夫?これからどうなる日本企業」

「モノづくり日本」への信頼を揺るがしかねない大企業による数々の不祥事。この現状について実業家の堀江貴文氏はこう語る。

堀江さん:全然氷山の一角なんじゃないですか?すごい昭和な経営体質を続けながら、働いてないのにすごい高給をもらっている社員がいる会社とか結構大企業ゴロゴロいる。これで何で利益が出ているんだろうな?って何となく不思議に思うが、何年か経つとこういう不祥事がドーンって出てくる。

田村淳さん:鈴木奈々さん、この一連の大企業不祥事。ニュース見てます?

鈴木奈々さん:はい、見てます。

田村淳さん:どう思ってますか?名だたる有名な企業が不正を行ってますけど。

鈴木奈々さん:心配なのは、こんなに日本のモノが不正が起きてしまったら、日本の信頼がなくなってしまうんじゃないかなっていうのが一番怖いです。海外が信頼してくれて日本から(モノを買ってくれているのに)。このままだと絶対信用をなくすと思います。

田村淳さん:山崎さんが驚いてますよ。意外とちゃんとしたところに(目を付けていると)。

山崎さん:目を見張るというか、日本の心配をしてくれてたんだと。

鈴木奈々さん:大好きなんで。日本大好きなんで。

田村淳さん:いかがでしょうか?まさに鈴木奈々が懸念しているとおりだと思うんですけど。

山崎さん:昭和の体質と堀江さんは言われたが、昭和でなくても、多分新しい時代になっても不祥事はなくならないと思う。例えば平成のベンチャー企業にしても会計数字を操作して調子よく成長しているように見せて株式を公開したいとか。不祥事をする理由はいっぱいあるので。結局個人が何らかの理由で不正に手を染めるのだが、個人の心理を考えると企業のためだとか国のためだとか、他人のため組織のためということだと人間は悪いことができる。私もやったことがあるんですよ。

田村淳さん:そうなんですか!

山崎さん:90年代の初頭ぐらいだが信託銀行に務めている時に、例えばある顧客の年金運用で株式の先物取り引きをして利益が出た時に自分の会社にとってもっと重要な顧客、例えば私は住友信託銀行に勤めていたのでパナソニック(当時の松下電器)。

田村淳さん:すごい!ドンドン実名が出てくる。

山崎さん:例えばその松下の年金に利益を付け替えるとかっていうことをファンドマネージャーの一人としてはやってたわけで。それってでも金庫番が泥棒をしているような悪いことなのだが会社のためだし、まあバレないだろうと。他の人間も他の会社もやってることなのでそれでいいだろうと。自分のためにやっているわけではないのだからいいじゃないかという心理が一人ひとりには働く。しかしそれをやってしまうと自分の手が後ろに回る(逮捕される)のだと思えば、そこでストップがかけられたかも知れない。しかし一人ひとりが会社という単位の中で会社のために働いているのだという心理だと人間悪いことができちゃうので。それ自体は昭和であっても平成であっても、これから(将来)についても変わらないのではないかと思う。

田村淳さん:ということは、どうすれば不正が明るみに出て、それをどう正すかが重要ということですね。

山崎さん:まず誰が何をやっているのかがよく分かるように透明化を図る。だいたいライトを当てれば小悪党はほとんど直るので。

田村淳さん:小悪党はライトを当てるとだいたい直る。すごい名言ですけどね。

山崎さん:透明にすることと、やはり罰則だったり、あるいは不正を告発した人の利益になるような仕組みが張り巡らされる必要がある。しかし新しい仕組みができればその下でまた不正をするのだろう。不正は常態的にあるのだろうと思う。まあでも悪いことを昔やっていたので、どうも済みませんでした(深々と頭を下げながら)。

田村淳さん:僕は初めてですよ。こんなに身を切る話は初めてですよ。自分の懐を肥やすためではなく会社のためなら悪いことができてしまうという心理状態がずっと続くのであれば、古いも新しいもなく(不祥事は)ずっと続くということですが、町田さん、いかがですか?

町田さん:最近の事例に限れば、東芝とその他は分けて考えるべき。ただし全てに共通するのは経営者のレベル低下。経営者のだらしなさ。東芝問題のスタートは2006年のウェスティングハウス(米原子力発電企業)買収にある。当時ライバルの三菱重工業も買いに行って、相場の倍の価格で買うと言ったが、東芝はさらにその上の値段で買った。当時から原子力発電はスリーマイル島の事故などもあり陰りが出ていたのでそもそも買う価値があったのか?という議論もあるが、いずれにせよ相場の倍を出すとライバルが言うのをさらに上の値段で買うのは値付け自体が間違いで、いくら利益が出ようがおそらく補えない。その状態を背景にして2008年から2014年の問題(不正会計)が起きた。当時は「東芝チャレンジ」と呼ばれた。(原子力発電部門が巨額負債を抱えているので)他の部門が利益を出せと。無理だと言っても出さなければダメなんだと。

田村淳さん:ウェスティングハウス買収を無理してやっちゃったから他にしわ寄せがくるということなんですか?

町田さん:そういう証明はされていないがそう考えるのが自然だろう。私はそう見ている。最初に買ってはいけない値段で無理して買ったことが問題で、それを隠し続けようとした経営者の問題。しかし東芝以外の問題は多少違う。昭和に限らず大正時代から続く日本企業の強みは現場がしっかりしていること。どんなに難しい問題に直面しても現場が考えて解決してしまう。コストダウンも現場の努力で実現する。これらはトヨタのカイゼン運動でも有名になったが、現場の素晴らしさでバカな経営者がいても会社が回る仕組みを作っていた。ところが低成長の時代に入って儲からなくなった。そうなると工場拡張や設備更新などの投資はなくなり、担当者の昇進もなくなり20年経ってもずっと同じ課長業のようなことをやっている。そうするとトラブルがないことが一番(という考え方になる)。何か問題が起きると減点主義でペケが付いてしまうので(問題を)隠す時代に入っていた。それでも今までどおりに矛盾を押し付け続けて、その矛盾を解消しようとしなかった経営者の責任がもう一度出てくる。我慢できなくなっている現場の問題に目をつぶった経営者の責任。Made in japanは高いけど高品質だと信じて海外の人たちは買ってくれた。しかしそれが嘘だったとなると本質的な大問題。

山崎さん:鈴木奈々さんが経団連の会長になれば…(スタジオ内失笑で包まれる)。榊原さん(経団連会長)が自分の在任中の問題を知らなかったで責任回避できるとなると、経営者が現場を知る努力をする土壌が作られず、それは現場の問題で私は知らなかったと謝罪をすればそれで済むということになってしまう。その仕組はよくない。どうすれば倫理が徹底できるかを考えるのが経営者の役割なのだから、徹底してねと目的を言っただけではダメ。手段を考えてこその経営者なのだから役に立っていないということ。

阿部哲子さん:厳しい。

田村淳さん:最初小刀と思ったらすごいの出してきましたね(刀を振り下ろす仕草をしながら)。

町田さん:構造的という意味では、不正が報じられた4つの会社(日産、神戸製鋼、三菱マテリアル、東レ)も有名だが、神戸製鋼が部品を納めていた会社が約300社あり、それがさらに何百社に行くのでとんでもない広がりが出てしまう。これではMade in japan全部ペケという話になってしまう。

鈴木奈々さん:ヤバイ、ヤバイ。

町田さん:それで山崎さんが言われたどう変えるか。日産のケースで言うと無資格者が完成検査していても書類上は有資格者の捺印がされている。だから書類上では不正があったことが分からない。書類に不備がなければ調査を行わないことを昭和と言うなら確かにそう。それがダメならすべての工程をビデオ撮影して可視化するなどIT技術を導入すれば信頼回復も可能だろう。しかも書類作成のコストも節約できる。そういう工夫も必要になってくる。

田村淳さん:どうですか?鈴木さん。

鈴木奈々さん:何か不安になってきた。

田村淳さん:日本がこれまで培ってきたことが崩れていくと我々にも当然影響してきますよ。

鈴木奈々さん:経済が下がってきますよね、日本の。これじゃ。

田村淳さん:経済力がね。

鈴木奈々さん:ちょっと本当に経営者しっかりしてください!お願いします。

田村淳さん:カーツですね。

以上、山崎バズーカ第13弾炸裂・前編をお送りしましたがいかがだったでしょうか?個人的には番組冒頭で飛び出した阿部哲子アナの「保険やめました」発言には驚かされました。山崎さんのアドバイスを素直に受け入れて、このようにスッパリと保険を切り捨てる決断ができるとは!「カモ」認定をされてもなかなか行動に踏み切れない鈴木奈々さんとは対照的ですね。あと驚いたといえば何と言っても山崎さんの赤裸々な不正告白でしょう。いくら20年以上前のこととはいえ、実名を挙げて手口まで詳細に告白するとは驚きです。まさに身を切るコメンテーターですね。ただ山崎さんの当時の行為自体はすでに時効なのかも知れませんが、その不正により受け取る年金が目減りしまっている人たちも現実にはいるわけで、問題の根深さを思わずにはいられません。それにしても信託銀行が年金運用でそんな不正を当たり前のように行っていたとは、私自身予想もしていませんでした。これでは企業年金の担当者としてもたまったものではありませんね。

さて、後編のテーマも引き続き「今週のキキタイ」です。業界の急激な変化に対応できない日本企業の危機をお伝えする予定です(文字起こし作業はまだ終わっておりません)。いよいよ山崎さんと町田さんのバトルも登場しますのでどうぞお楽しみに。

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