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ひふみ投信第9期運用報告書斜め読み

kage

2017/11/25 (Sat)

去る10月1日に設定から9周年を迎えたひふみ投信は翌10月2日に決算を迎えました。ちなみに決算日が設定記念日前日の9月30日ではなく10月2日になったのは単純に9月30日が土曜日であったためです。そして昨日、ひふみ投信の運用元であるレオス・キャピタルワークス株式会社より“「ひふみ投信 第9期運用報告書」発行のお知らせ”と題するメールをいただきましたので、早速ブログネタとして使わせていただこうというのが本エントリーの趣旨であります。なおひふみ投信を筆頭とする姉妹ファンド(ひふみシスターズ)の運用報告書については昨日付でレオス社のサイトに掲示された「ひふみ投信、ひふみプラス、ひふみ年金の運用報告書を発行いたしました。」にそれぞれへのリンクが貼り付けてありますので、関心をお持ちの方はぜひそちらからアクセスしてみてください。

なおご承知のとおりひふみシスターズはすべて同じひふみ投信マザーファンドで運用されているため、運用結果についてもまったく違いはありません。ただしコスト面では多少の違いがあります。本エントリーではひふみシスターズの長女として最も運用暦の長いひふみ投信に敬意を表して、その運用報告書を元ネタとして選ばせていただきました。

ひふみ投信第9期運用報告書

それでは早速ひふみ投信第9期運用報告書斜め読みを始めることにしましょう。まずいきなり1ページ目から驚かされるのが純資産総額の急増ぶりです。もちろんこれは今年2月の「カンブリア宮殿効果」がもたらした結果なのですが、8期末の331億35百万円が9期末には868億44百万円に急拡大しています。単純計算でも2.32倍ですから「カンブリア宮殿効果」の威力は絶大でしたね。もっともひふみシスターズの稼ぎ頭は今やひふみプラスですので一応そちらの方も運用報告書で確認しておきますと、5期末の945億57百万円が6期末には2,973億30百万円まで膨らんでいます。こちらは単純計算で3.14倍となり、まさに稼ぎ頭の名に恥じぬ働きぶりと言えるでしょう。ちなみにひふみ年金は今回が初めての決算でしたので、比較対象となる前年の数字がありません。

同じ1ページ目では株式組入比率の推移も確認できます。これを見ると1月末の95.1%が2月末には90.8%に急低下、3月末には84.4%まで下がりその後はそのまま8月末まで80%台が継続、そして9月末になってようやく92.8%まで上昇したことが分かります。ご承知のとおりひふみ投信の運用方針は「守りながら増やす」ですので、2月から8月は多少守りに重心を移した運用を行っていたとも考えられます。実際にこの期間は相場環境もそれほど良くはありませんでしたしね。しかしおそらくこれも「カンブリア宮殿効果」とは無縁ではないのでしょう。すなわち「カンブリア宮殿効果」で激増する入金により結果的に現金比率が増えた(=株式組入比率が減った)というのが実態だったのではないでしょうか?とはいえ増えた現金で安易に株を買わなかったことこそが「守りながら増やす」運用戦略の一環なのだと言われれば確かにその通りであり、結果的に9月から日経平均株価の急上昇が始まったことを思えば「大正解」でした。もし仮にただ単に運が良かっただけだったとしても相場の世界では運も大切ですから、「強運の持ち主」と周囲から思われることは決して無駄にはならないと私は思っています。

少し飛んで7ページ目には「ベンチマークとの差異について」という項目があります。ご承知のとおりひふみ投信はベンチマークを設けていませんので、毎回参考指数としてTOPIX(東証株価指数)配当込みとの比較が行われています。しかしひふみ投信が外国株式の組み入れを始めた今となってはこの比較にどの程度の意味があるのでしょうか?とはいえ他に適当な指数もなさそうですし(どれを選んでも一長一短になりそう)、あくまでも参考指数なのでわざわざ手間をかけてまで変更する必要はないとは思いますが、今後の検討課題として認識していただければ幸いです。

同じ7ページ目には「収益分配金について」という項目もあります。ひふみ投信は設定以来無分配を継続しており、もちろん今回も分配金はゼロでした。ただしここから分配金対象収益が1万口当たり35,439円であることが分かります。すなわち出そうと思えば35,439円の分配金を出すこともできるわけで、「ひふみ投信は基準価額が高すぎて買いにくい」という世間の誤解がなかなか解けないのであればこれを一気に吐き出して基準価額を下げる手もあるということですね。もっともレオス社がそんなことをやるはずもなく、私がここで強調したいのはこれこそが複利の効果を生む源泉であるということです。ひふみ投信を筆頭とするひふみシスターズの基準価額は現時点が設定来高値ですので、受益者全員誰一人として損をしていません(ただしひふみプラスで販売手数料負けしているケースはあります)。すなわちここで分配金を吐き出してしまうと受益者全員が普通分配金として利益に対して課税されるわけで、例え分配金再投資を選択していたとしても課税分だけは確実に戦力ダウンになってしまうのです。しかしひふみ投信が無分配を継続してくれる限りは当然のことながら分配金に対する課税はなく、引き続き私たちの大切な資産を増やすための重要な戦力であり続けてくれるのですから、長期投資にとって無分配ほどありがたいことはありません。もちろん利益がある限り税金はいずれ払うことにはなるのですが、iDeCo(個人型確定拠出年金)の例でもお分かりのとおり「課税の繰り延べ効果」は絶大ですので。

続いて9ページ目には「1万口当たりの費用明細」という項目があります。一般的な投資信託の運用報告書では1万口当たりの絶対金額しか書いておらず、比率は受益者自身が計算するしかないのですが、ひふみ投信はキチンと比率まで書いてくれていて親切ですね。【追記ここから】最近はどの運用報告書も同様の形式で、ひふみ投信が特別親切というわけではないようですね。大変失礼いたしました。常々私が運用報告書を読んでいないことがバレバレでお恥ずかしい限りです。【追記ここまで】これによると9期の実質コストは年1.358%とのこと。私個人としては積立投資継続期間9年の内で4年分が資産形成応援団応援金付与の対象になっていますので、ザックリとした計算でここから約0.089%のコストダウンに相当しているはずです。

次に13ページ目に飛ぶと「ひふみ投信の販売状況」という項目があります。これによると「カンブリア宮殿効果」で特に50代以上の顧客が増えたとのこと。やはりネット世代の若者とは違って私たちおじさん世代にとってはテレビの影響は絶大なのでしょうね。ここでは触れられていませんが前期の運用報告書と比較してみると女性比率が30.9%から35.3%に増えています。これもカンブリア宮殿で女性たちの成功事例が取り上げられた効果なのかも知れませんね。

さらに飛んで21ページから23ページまでには10月2日時点にひふみ投信マザーファンドに組み入れられている全銘柄が掲載されています。現在の月報(ひふみのあゆみ)における組み入れ銘柄公開は直近が上位10銘柄、3ヵ月前が上位30銘柄となっていますが、これを見れば約2ヵ月前の全銘柄を知ることができます。カンブリア宮殿で紹介された銘柄では大塚家具、朝日印刷、薬王堂などいずれも前期より保有株数が増えていますね。なおWASHハウスについては前期末の保有数がゼロなので比較ができません(10月2日時点で保有はしています)。もっともカンブリア宮殿効果で運用資産の絶対額が急増しているので、単純に保有株数だけを前期と比べてもあまり意味はないような気がします。全体に占める保有比率は低下しているのかも知れませんしね。なお外国株式については相変わらずマイクロソフトとアマゾンのみで、全体に占める保有比率も3.0%に過ぎません。確か外国株投資は拡大する方針のはずですが、さすがに米国株がダウ平均株価、ナスダック総合指数、S&P500指数ともに史上最高値圏にある現状ではなかなか手が出しにくいのでしょうね。まあこちらも今年の日本株と同様に慌てて買う必要などなく、いずれ訪れるであろう調整局面を待つスタンスでいいのではないでしょうか?

次の24ページ目にはひふみ投信マザーファンドの「損益の状況」があります。これによると6期(ひふみ投信の9期と同じ期間)の売買益は686億8,229万円、売買損は61億8,406万円となっています。いくら辣腕揃いのひふみ投信運用チームといえども完璧な運用など望むべくもなく、年間で62億円近い損切りを余儀なくされているのですね。その一方で着実に687億円近くの利益確定も行っており、必ずしも長期保有にこだわらず短期的に株価が急騰して割高になったと判断すれば淡々と売っているのでしょう。直近のエントリーでもたびたび書いているとおり、投資において含み益など所詮「絵に描いた餅」に過ぎません。利益はあくまでも「確定してナンボ」なのです。こうして確定された687億円の利益は間違いなく私たち受益者にもたらされたのですから、誠にありがたい限りです。私自身ハイリスク投機家として身に染みて痛感していますが、利益確定や損切りの決断は想像以上に難しいものですから。

以上、ひふみ投信第9期運用報告書を読み飛ばしながら思い付くままに好き勝手なことを書き散らかしてみました。思い起こせば「祝!ひふみ投信基準価額4万円超え」を書いたのは今年5月8日のことでした。それが今や49,527円で節目の5万円が目前に迫っています。いくら楽観的な私でもこの調子がこのまま続くとは思っていませんが、来年10月1日の記念すべき設定10周年の基準価額がいったいいくらになっているのか?今から大いに楽しみです。もちろん基準価額だけでなく中身(外国株式がどれくらい増えているのか?など)にも注目していますので、第10期も引き続き私たち受益者をワクワクさせてくれるひふみ投信であり続けてください。

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