2018 08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. »  2018 10

続・アクティブとインデックスの境界線

kage

2017/10/08 (Sun)

本エントリーは今年3月9日に書いた「アクティブとインデックスの境界線」の続編です。昨日のエントリーで私自身が毎月コツコツと積立投資を継続しているセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドが来年からスタートするつみたてNISAではアクティブファンド枠に入っていることに触れました。これまで私は自分が行うハイリスク投機とバランスを取る(=リスクを分散する)意味でインデックス運用のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドに投資を続けてきたのですが、同ファンドがアクティブファンドとなると私の資産運用におけるアクティブ運用比率が上昇して当初の目論見に狂いが生じかねません。もちろんつみたてNISA上の区分は単に金融庁の判断に基づくものであり、ここでアクティブファンドと判定されたからといってセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの運用方針が変わる訳ではないことは私も重々承知しております。しかし昨日のエントリーで紹介したように、中野社長から「セゾン投信は2つのアクティブファンドの提供を通じて圧倒的な成果を追求してまいります!」というような発言が飛び出すと、天の邪鬼な私は「受益者はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドに圧倒的な成果など求めてませんから」と皮肉の一つも言いたくなります。そこで本エントリーでは今回の事例を参考に再びアクティブとインデックスの境界線を探ってみたいと思います。それではしばし机上の空論にお付き合いくださいませ。

今回の事例からアクティブとインデックスの境界線を探るには、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドよりむしろ明確な比較対象が存在する世界経済インデックスファンドとSMT世界経済インデックス・オープンが良い例題となるのではないでしょうか?ちなみにつみたてNISAでは前者がアクティブファンド、後者がインデックスファンドに区分されています。しかし両者の運用方針はかなり似ており、株式と債券比率が50:50、GDP比率で資産配分、同一マザーファンドを組み入れなど、ほぼ姉妹ファンドと呼んでも差し支えないでしょう。しかしつみたてNISAにおいては両者の間に明確なアクティブとインデックスの境界線が引かれたわけで、その決定的な要因はいったい何だったのか?私としても大いに興味をそそられます。そこで昨日のエントリーで出した仮説は、「おそらく資産配分において時価総額比率にしてもGDP比率にしても現実に即した正確な連動を目指した運用でなければアクティブと見なされてしまうようですね」だったのですが、実際に両者の目論見書から資産配分の部分を抜粋して比較してみましょう。

世界経済インデックスファンド

ハ.各マザーファンド受益証券の基本組入比率は、地域別のGDP(Gross Domestic Product(国内総生産))を参考に決定するものとします。また、各マザーファンド受益証券の基本組入比率には一定の変動幅を設けます。

SMT世界経済インデックス・オープン

ハ.各マザーファンド受益証券の基本組入比率は、地域別のGDP(Gross Domestic Product(国内総生産))総額の比率に基づき決定します。また、各マザーファンド受益証券の組入比率には一定の変動許容幅を設けます。

ご覧のとおり両者はほとんど同じですが、唯一「GDPを参考に決定」と「GDP総額の比率に基づき決定」の部分が異なります。いわばここがアクティブとインデックスを分ける境界線というわけですね。要は資産配分比率について前者は「GDPを参考にしてザックリと決定」、後者は「GDP総額の比率に基づき厳密に決定」ということでしょうか?いずれにせよこの違いにより両者の基本組入比率には違いが生じています。ご参考までに8月末時点の月報では下記のとおりです。

世界経済インデックスファンド

国内株式/債券:各5%、外国株式/債券:各30%、新興国株式/債券:各15%。

SMT世界経済インデックス・オープン

国内株式/債券:各3%、外国株式/債券:各27.5%、新興国株式/債券:各19.5%。

上記目論見書どおりの運用がなされているのであれば、おそらくSMT世界経済インデックス・オープンの資産配分の方が実態に近いのでしょうね。ほとんど同じような中身であっても実際に資産配分比率が違えば当然のことながら受益者が享受する成果にも差が出てきます。金融庁としてはそこに運用者の予断が入り込む余地を極力排除したかったのかも知れません。もちろん世界経済インデックスファンドの運用において「今は米国株が強いから外国株式比率を上げておこう」とか「今後は新興国通貨が上昇しそうだから新興国債券を増やしておこう」などといった予断が入り込む余地はまったくないのですが(それが入れば正真正銘のアクティブファンドですので)、金融庁としては例え予断はなくても資産配分はできるだけあらかじめ決められたルールに則って機械的に調整して欲しいのでしょう。そう考えれば世界経済インデックスファンドやセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド以上にザックリ配分と思われる8資産均等や6資産均等などがインデックスファンド区分に入っていることも納得できます。

それではここで改めてセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの目論見書から該当部分を確認してみましょう。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

■世界の株式市場及び債券市場の動きを捉えることを基本とし、各々の市場の地域別投資比率については、各地域の市場時価総額を勘案して、適宜見直しを行います。

私の仮説が正しければ、「勘案して」の部分がアクティブ判定の要因だったのでしょうね。ただし改めてインデックス認定を得るために現実に即した資産配分を行おうとしてコストや労力を費やすのは本末転倒ですので、私個人としては現状維持を是とします。ただ中野社長からは「つみたてNISAでアクティブファンド枠に入りましたが運用方針はこれまでとまったく変わりません。受益者の皆さんはどうぞご安心ください。」と言ってもらいたかったですね。先に記したような「セゾン投信は2つのアクティブファンドの提供を通じて圧倒的な成果を追求してまいります!」という発言だと受益者は混乱してしまいかねませんので。

以上、今回は金融庁視点におけるアクティブとインデックスの境界線を探ってみましたがいかがだったでしょうか?この考え方を拡大解釈すると個々のアセットクラス毎に低コストインデックスファンドの積立投資を行っていても、リバランスを疎かにしているとアクティブ投資家認定を受けてしまうことにもなりかねません。実際に米国株が強くて先進国株式クラスの評価額が上昇しているのをそのまま放置しているのは「まだまだ上がる」との予断を持ってそうしていると考えることもできますので(実際にはそうでなくても第三者からはそう見えることもあるということです)。そうなるとアクティブとインデックスの境界線がどこにあるのかよく分からなくなってしまいますね。そこで最後は「アクティブとインデックスの境界線」からのコピペで締め括りとさせていただきます。

裏を返せばアクティブとインデックスの差など所詮この程度なのですよ。投資に関心のない人から見れば、アクティブ投資家とインデックス投資家の論争など表現は悪いですが「目くそ鼻くそを笑う」ようなものなのでしょうね。私に言わせればインデックス投資家であってもリスクを取って投資をするという決断をした時点で全員が「アクティブな投資家」です。以上、同じ投資をする仲間が細かい手法や戦略の違いで対立するのは馬鹿馬鹿しいとは思いませんか?というのが本エントリーの主旨でありました。

(Sponsored Link)

関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック