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山崎バズーカ第11弾炸裂 前編

kage

2017/09/10 (Sun)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第11弾となります。なおこれを機にタイトルにある数字の部分をこれまでの漢数字からアラビア数字に改めました。また今回もご紹介したい発言が多くなってしまったため、ご覧のとおり前後編の2本立てとさせていただきます。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は昨日9月9日でした。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は山崎さんとの共著(下記参照)もあるファイナンシャルプランナー岩城みずほさんでした。このメンバーですので、今回は久しぶりにお金に関する話題が満載となりました。これも前後編の2本立てとなった理由でもあります。

 

それでは今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

共著があると聞いた番組MCの田村淳さん:コンビなんですね。岩城さんは山崎さんのこと、どういうイメージなんですか?

岩城さん:おっしゃることはすごく正しくてブレない。そこはすごく尊敬している。でもすごく口が悪く、ちょっとハラハラする。

山崎さん:仕方ないですね。現実に口が悪いし。正直に言っちゃうってことだけなんですけどね。

1週間NEWSフラッシュ!の中から気になる話題は?と問われて岩城さん:「パート主婦争奪戦 外食・コンビニ 保育所を設置、業務簡素化」。少子高齢化で人手不足が深刻なので主婦が働きやすい環境作りは重要。主婦が働きやすい環境の企業が増えるのはいいこと。もうひとつ皆さんもお聞きになったことがあると思うが130万円の壁というものがあって年収が130万円を超えると所得税とか住民税とか社会保険料も払わなくてはならず、ご主人の扶養からも外れる(筆者注:詳しくは「103万円の壁と130万円の壁」をご参照ください)。手取りが減るので130万円を意識する人は多い。しかし長い目でみれば社会保険料を払うということは将来厚生年金がもらえるということ。年収を141万円まで上げると月額約8,000円の年金保険料を支払うことになるが、20年間払い続けると将来もらえる年金が月額9,200円増える。これが一生続くと考えればやはり働ける内にしっかり働くのがお得。私的保険では(公的年金のように)給付が一生涯続くなんて考えられないので。

田村淳さん:では扶養から外れる年収の壁など気にせずにドンドン働いた方がいいということですか?

岩城さん:いいと思います。

山崎さん:その通りだと思う。壁を気にせずドンドン働くべき。今は専業主婦も経済的にはほどんど成り立たない。ある意味ではぜいたく品になってきているので、どうせ働くならたくさん働く方が家計としては合理的だと思う。

田村淳さん:主婦皆さんガッツリ働きましょうということですね。阿部ちゃん(番組アシスタントの阿部哲子アナウンサー)みたいに。

阿部さん:頑張ってます。

田村淳さん:フル稼働ですから。山崎さんが気になった話題はどれですか?

山崎さん:「消費税10%不可避 19年10月 岸田氏“確実に実施”」。安倍さんの後継者として名前が挙がる石破さん、岸田さん、小泉進次郎や今すぐ首相になるのは難しいと思うが(民進党代表の)前原さんなどは皆増税派。しかし来年予定どおりに消費税を上げるのがいいのかどうかには疑問がある。現在は(日銀が掲げる)インフレ目標2%に達していない。消費税を上げてしまうとまた不景気に戻ってしまう可能性があるので10%ということを今の段階で言い切らない方がいいと思う。

田村淳さん:でも岸田さんは言い切ってますけどね。

山崎さん:その方が官僚の受けがいいから。政治的な立場は分からなくはないが、マーケットや経済の立場からすると安倍首相を応援したい気持ちはサラサラないが来年3月の日銀総裁交代は安倍首相にやってもらいたい。もうひとつは消費税の判断。上げるのが不適切ならもう一度延期という判断も必要になってくるので安倍政権が続いてくれる方が、例えば株式投資をしている人とか経済活動をしている人にとってはちょっと安心かなという面はある。そういう意味では岸田さんもそうか(増税派か)というのはちょっと心配。

田村淳さん:消費税を8%に引き上げたことは安倍政権の失敗だと言う人がたくさんいますが。

山崎さん:2014年のタイミングで8%にしたのは確かに良くなかった。例えば8%を5%に下げられるのなら本当はいいのだが。(岸田さんは)消費増税の代わりに社会保障を充実させますよと言えばある程度国民の支持は得られると思っているのかも知れない。しかし社会保障の充実と増税のタイミングは分けて考えるべき。その時の経済環境に応じてどのようにお金を調達すべきかを考えればいい。社会保障の充実には消費増税が不可欠、この2つはセットなんだ、同時に実現するんだという発想にはならない方がいい。

今週のキキタイ。テーマは「あなたの保険は大丈夫?ライフステージ別 保険の考え方」。

積立保険、医療保険、年金保険に加入していて保険料負担が大きいと感じているという鈴木奈々さんに対して岩城さん:保険会社のカモになっている気がする。そんなに入る必要ない。誰かを扶養していて自分に万が一のことがあれば金銭的に困る人がいなければ保険は必要ないし、そもそも今は保険でお金は貯まらない時代。なので完全にカモ。

田村淳さん:でも長く保険料を払い続けているとある段階から解約返戻金が100%を超えてくるじゃないですか。

岩城さん:でもその間はずっと元本割れ。普通に貯金していけば元本割れはしない。それに保険はあらかじめ決められた事由に該当しないと払ってくれない。生命保険であれば死亡した時とか。しかし貯金であれば自由に使える。保険会社からお金を借りることはできるが利息を払わなければならない。

鈴木奈々さん:もったいない。止めようかな。

田村淳さん:一度契約してしまったら途中で止めるのってどうなんですか。

山崎さん:途中で止めた方が得だと思う。契約を継続している間にも保険会社は着々と儲けているわけだから、その儲けの分だけ自分は損をしていると考えればいい。確かに途中で解約するとこれまで支払った分の全額は返ってこないので損だと思考停止してしまう人が多いが、その状態を継続するよりはその不利な状態から少しでも早く脱した方が結局は得になる。

鈴木奈々さん:でも入っていた方がいい保険ってありますよね。

山崎さん:時々あります。例えば自動車保険は運転する人にとって必要。例えば貧乏な夫婦に子供が生まれてしまった場合(田村淳さんや鈴木奈々さんから「口が悪い」とささやき声が聞こえる)、10年から20年は死亡保障の保険が必要になる。それ以外はがん保険もいらないし、ましてや積立保険や年金保険はまったく効率が悪くて論外。

田村淳さん:でもがん保険に入っていればがんになった時にたくさんお金がもらえるじゃないですか。

山崎さん:たぶんもらえると期待できる金額より実際にはずっと多くの保険料を支払うことになる。

岩城さん:貯金しておいてそこから使えばいい。

山崎さん:先ほどの説明(筆者注:コーナー冒頭のVTR解説)で高額療養費制度が紹介されたが、公的健康保険に入っていれば所得が高い人でも毎月約9万円までの負担で済む(筆者注:詳しくは「高額療養費制度」をご参照ください)。後は貯蓄があれば充分。だから医療保険に支払うお金を貯蓄に回す方がずっと有利。

田村淳さん:お二人の意見は保険に入らず貯蓄をしようということですか?

山崎さん:おおよそでいえばその方が得だということ。保険はめったに起こらないが起きれば大変だということに対して必要最小限の金額で泣く泣く掛けるもの。保険を一言で表現するなら「損な賭け」そのものなので、できるだけ小さくした方がいい。

田村淳さん:マジか。俺の保険の担当者見てるか!大至急連絡ください。お話があります。

鈴木奈々さん:それホントに?本当の話?

山崎さん:ライフステージ別にそれぞれ適した保険があるというのは、保険会社がそのようなイメージを植え付けているだけ。若くても若くなくても岩城さん流にいえば「保険会社のカモ」になるわけなので。

田村淳さん:(横にいる阿部さんに向かって)入ってる?

阿部さん:入ってます。年金保険と医療保険に。

田村淳さん:呼び出した方がいいよ、担当者。

阿部さん:みんながみんな悪徳というわけじゃないですよね。

山崎さん:いや、ほぼ完全に悪いですよ。金融商品としては。

田村淳さん:岩城さんも同じ考えですか?

岩城さん:皆さんすでに毎月高い社会保険料を支払ってますよね。つまりすでにしっかり保険を持っている。そこをしっかり知らないで保険会社の人に「あなたが亡くなった後、残された家族はどうなりますか?」などといろいろと不安を煽られると…。

田村淳さん:言われました!「淳さんが死んだ後、奥さんと娘さんどうやって生活していきます?それに備えた方がいいんじゃないですか?」って言われましたよ。

岩城さん:たぶん田村さんが亡くなられても奥様は新しい人生を歩まれると思うので…。

田村淳さん:岩城さん!もうちょっと(オブラートに)包んでくださいよ!いくら俺がメンタル強い方だといっても。

山崎さん:いっぱい保険に入ってしまうと経済的にはパパが死んじゃうのが一番安全だという本末転倒の状態になる。そういう家庭はたくさんある。

田村淳さん:確かに俺が死んだ方がお金はたくさん残るかも知れない。口も出さないしね。寂しい!鈴木も同じだよ。

鈴木奈々さん:私は貯金もしているけど、保険は勧められたんですよね。

山崎さん:保険でない形でお金を増や方がずっと効率的に増える。保険を勧めるのは勧める人が儲かるから。

岩城さん:何て勧められたんですか?

鈴木奈々さん:「お金を使っちゃう人ですか?」と聞かれて「あれば使っちゃうかも知れない」と答えたら「それなら保険に積み立てていた方が貯まりますよ」と言われました。だから積立保険に入っているんです。

岩城さん:先ほども言ったように、保険はある程度の期間を超えなければ元本割れ。そこがポイント。手数料などのコストがかかっているのでどうしてもマイナスからのスタートになる。普通に貯めていればいいものをわざわざコストを払って貯めてもらっている。保険会社は「これは積み立て(貯蓄性)だけではなく、保障性もある」とアピールするが、今は保障と貯蓄は別に考えるべき。

山崎さん:必要最小限の保障を掛け捨てで買えばいいということ。それ以外の余分な貯蓄の商売や運用の商売を保険会社にされているのが貯蓄性の付いた保険。私自身保険会社の運用部門にいたことがあるが、保険会社は運用が上手いわけではない。典型的な保険であれば保険料の30%から40%は手数料で、残りの部分が保障や貯蓄に回る構造。これは金融商品として相当のボッタクリ商品。

田村淳さん:ボッタクリ商品。おい!俺の担当者!あんなに優しく近付いてきて。納得して契約しちゃいましたけど。もう解約した方がいいですか?

山崎さん:ファイナンシャルプランナーも保険を勧めたりするが、契約できると何カ月にも渡って謝礼が支払われたりする。保険に関わる人(売り手側)は皆ものすごく儲かるようにできている(筆者注:詳しくは「ライフネット生命が保険代理店手数料率を公開」をご参照ください)。それは買い手側が損をしているということ。

阿部さん:それでもどうしても保険に入りたい人はいると思うんです。安心だから。その際に保険料の安いネット系保険会社はどうでしょう?

岩城さん:確かにネット系は人件費や家賃や書類の印刷代などを抑えられる分だけ保険料も安い。そもそも生命保険における保障部分の保険料(純保険料)は死亡率から算出するのでネット系も大手対面系も同じ。違うのはそこに上乗せされる事業費。例えば30歳男性が保障期間10年で保証額2,000万円の定期保険(掛け捨て)に加入する場合、保険料は大手国内生保なら月額5,400円。これに対してネット生保なら月額2,230円。これだけ違う。実際には人件費の差が一番大きい。

田村淳さん:マジで俺の担当者、見てたらMXテレビに来てください。名前は言わないですけど。

阿部さん:でもネットにもデメリットはあって、保障内容など自分で調べて把握する必要がありますよね。自分でやらなければならないことが多くなる。

山崎さん:そもそも自分で把握できないようなものに入るべきではない。自分で把握できないのに保険に入れることをあたかもメリットのように語るのは止めた方がいい。

田村淳さん:(ライフステージ別に)これだけ詳しく書いて用意したパネルがいらなくなってしまいましたね。

山崎さん:ただ定期保険と収入保障保険は掛け捨てで必要最小限のものを使った方がいい場合がある。

岩城さん:保障が必要なのは子供が生まれてから成人するまでの間。もし共働きなら生命保険も収入の割合に応じて按分して入る。保障額も日本の平均値である2,000万円程度でよしという前提で保険料の試算をしてみる。ネット系の生保なら簡単に試算もできる。その上でこれなら貯蓄と並行して支払えると思える金額に決めればいい。

山崎さん:ガッツリ保険に入ってしまって貯蓄ができなくなっている家庭が多い。そうなるとお金の自由度も小さくなる。保険料を払ったつもりで貯蓄する方がずっとずっと合理的なケースが多い。病気に対する備えも(公的な)健康保険に入っていれば充分なので、民間の医療保険に入るよりは自分で貯蓄した方がいい。年齢が高くなると保険料も高くなるので、ネット生保よりもむしろ共済の方が得になる場合もある。共済は年齢に関係なく掛金が一定というケースも多いので、そちらを検討するのもひとつの方法。基本的にはネット生保のホームページで試算してみるのがいい。

田村淳さん:えー、でも俺もう入っちゃったもんなー。

山崎さん:保険にしても投資信託にしても、人間から買うと高いし不適切なものを買っちゃうんですよね。

田村淳さん:人間から買ったよ、おい。担当の人間来い。

山崎さん:お金の世界では人を信じてはいけない。岩城さんのような保険会社とつるんでいない、腹黒くないファイナンシャルプランナーに相談すればいい。

以上でようやく「前編」が終わりましたが、今回のバズーカの威力はいかがでしょうか?個人的には久しぶりに爽快とも思える破壊力を堪能させていただきました。もしこれがスポンサーに保険会社が付いている番組なら、絶対に言えないことばかりですよね。例えスポンサーに保険会社がなくても、大手テレビ局であれば他番組への影響を考慮した「忖度」が働いてNGとなる内容であると思います。それがいくら放送エリアが狭く低視聴率で自虐的に「校内放送」を自称するMXテレビでも、地上波で放送してしまうところが本当にすごいと思いました。反対に言えば、発言にこれくらいの自由度がなければ山崎さんの本当の魅力は引き出せないのでしょうね。

今回の放送を視聴して改めて痛感しましたが、「世界一保険好き」とも揶揄される日本人は保険会社にとって本当に「いいカモ」なんでしょうね。以前「外貨建保険」にも書きましたが、日銀のマイナス金利政策で運用環境が悪化している保険会社が積極的に勧めてくる商品には何か裏があるに違いないとまずは疑ってかかるべきなのでしょうね。それ以前に山崎さんが言われるとおりお金の世界では人を信じてはいけないので、そもそも人間から金融商品を買ってはいけないのかも知れません。保険は「運が悪い人に当たる宝くじ」と表現されることもありますが、保険外交員が販売する大手保険会社の商品の中には実際の宝くじ(払い戻し率約46%)より割りの悪いもの(=支払った保険料の半分以上が人件費や運営費に使われる)がゴロゴロしているという実体は是非知っておいていただきたいと思います。現実に顧客をカモにしようとする保険会社が存在する以上は自ら金融リテラシーを高めて自衛するしかありません。例えば今回の放送の中で純保険料という専門用語が出てきましたが、現在加入している保険の担当者に「私が支払っている保険料の内訳を純保険料(保障)、貯蓄、付加保険料(手数料)別に教えてください」と聞いてみるのもいいかも知れませんね。

後編のテーマは「どうすれば貯金ができるのか」です。まだまだお金に関する話題が続きますのでどうぞお楽しみに。それでは文字起こし作業に戻りますので、更新までもうしばらくお待ちください。

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この記事へのコメント

kage

このシリーズの更新、大変楽しみにしています。
コメンテーターの氏名の文字を太文字にしていただけないでしょうか。
把握しやすくなるのでお願いいたします。

Posted at 15:57:49 2017/09/11 by

この記事へのコメント

kage

コメント&リクエストありがとうございます。

取り急ぎ今回の前編・後編で対応してみましたのでご確認くださいませ。

Posted at 06:49:10 2017/09/12 by おやじダンサー

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kage


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