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老いも若きも皆等しくその細胞年齢は3歳に満たない

kage

2017/09/03 (Sun)

私が大好きなテレビ番組の一つにNHK・Eテレ(教育テレビ)の「モーガン・フリーマン 時空を超えて」があります(筆者注:リンク先は番組公式サイトです)。今回のタイトルはその中で紹介された情報からいただきました。ご承知のとおり私たちの体を構成する細胞は日々生まれ変わっており、3年を待たずにすべてが入れ替わるそうです。これは年齢には関係なく皆同じで、5歳の児童であろうと90歳の老人であろうと細胞年齢が3歳未満という点ではまったく変わりはありません。ただし歳を重ねるに従って徐々に細胞のコピー能力が衰えてくるため、これが老化として現れるわけですが。このように体のすべてが3年未満で入れ替わるわけですから、3年前の自分と今の自分を細胞レベルで見ればまったく別人という捉え方もできそうです。3年程度前であれば記憶も記録も豊富に残っているはずですが、あの頃の自分は今とはまったく別人なのだと考えると何だか不思議な気持ちになりますね。

さて、今回はいきなり細胞レベルの話題から始めましたが、お察しのとおりこれが主題ではありません。外見は変わらないのに中身は短期間で入れ替わるというのはアクティブファンドも同じだと言いたかったのです。例えば私が設定以来毎月淡々と積み立て投資を継続しているひふみ投信は来月1日でめでたく9歳の誕生日を迎えますが、私が初めて買い付けを行った設定日の中身と現在の中身はまったく別物です。さらには運用責任者も藤野さんではありませんでした。変わらないのは名前と「守りながら増やす」という運用方針くらいでしょう。ですからことアクティブファンドに関しては過去の結果をあまり気にする必要はないのではないか?というのが本エントリーに書きたい主旨であります。

ひふみ投信に関してよくある誤解のひとつに「基準価額が高すぎて危険」というものがあります。確かに9月1日時点の基準価額44,108円は数字の絶対値としては高いでしょう。しかし投資信託の基準価額は単に過去の実績を積み重ねた結果に過ぎませんので、数字だけを単純比較しても意味はありません。例えばひふみ投信と同じマザーファンドで運用されるひふみプラスやひふみ年金は設定日が遅い分だけ過去の実績の積み重ねが少なく、基準価額もその分低くなっています。しかし、それぞれを1万円分買い付ければ運用面においてはまったく同じ結果が得られますので、基準価額44,108円のひふみ投信は危険で基準価額13,205円のひふみ年金なら安心という理論は誤解であることが容易にお分かりいただけるでしょう。ひふみ投信の基準価額44,108円の多くは今とはまったく別物だった過去の中身によって形成されたものですから、その高い安いを過度に気にする必要はありません。大切なのは今の中身なのです。

あと高い安いの判断には「割高」「割安」という切り口もありますよね。例えばある個別銘柄が人気化して短期間で株価が急騰して実力以上の値が付いた状態は明らかに「割高」だと判断できます。もしひふみ投信の組み入れ銘柄がそのような割高株ばかりであるとしたら、ひふみ投信の今の基準価額も割高だといえるでしょう。しかしひふみ投信に限らずほとんどのアクティブファンドは割高になった銘柄をそのまま放置することはありません。短期間に株価が急騰して割高になったと判断した銘柄は淡々と利益確定して次の有望銘柄に乗り換えるか待機資金(キャッシュポジション)を厚くして次のチャンスに備えるはずです。もちろん個々の投資判断の中には失敗するものもあるでしょう。しかしアクティブファンドの中身は常に「現時点ではこれがベストである」とファンドマネージャーが考える内容に組み替えられていますので、基準価額が上がれば割高になる理論は誤解であるとお分かりいただけると思います。こちらも大切なのは今の中身なのです。

ひふみ投信に関してよくある誤解には「過去の成績が良いからといって飛び付くのは危険」というものもあります。確かに投資の世界においては「過去の実績は未来を保証しない」が常識であり、「将来の値動きは誰にも分からない」が真理ではありますが、天の邪鬼な私は「それなら過去の成績がボロボロのファンドや設定されたばかりで実績のないファンドなら安心なのですか?」と聞いてみたくなります。とはいえ運用期間が10年に満たないひふみ投信では過去の実績はすべてまぐれだった(=単に運が良かっただけ)という可能性も完全には捨てきれません。ちなみにこれはずいぶん以前にご紹介したこちらのセミナーの中でバンガード・インベストメンツ・ジャパン前代表取締役の加藤隆さんが話された以下の内容からの請け売りです。

(アメリカの著名投資家)ウォーレン・バフェット氏の運用成績はインデックスと比較してどうだったのか?という質問に対して。

加藤:バフェット氏は長期に渡ってインデックスを上回る素晴らしい運用成績を残している。私はそれを否定するつもりはない。しかしその素晴らしい成績もまぐれである可能性は否定できない。これから50年も過去50年と同じような好成績を残し続けられるか?という問題もある。さらには50年前にバフェットを見つけられたか?という疑問もある。


ご承知のとおりバフェット氏は個人投資家に対してインデックス運用を推奨していまが、ご自身が行っているのはバリバリのアクティブ運用です。これはご自分の運用能力に自信があるからこそであり、実際にバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの株価は多少の波はあるにせよ右肩上がりの上昇を続けています(本家Yahoo!からお借りしてきた下記チャートをご参照ください)。

Berkshire Hathaway Inc (BRK-A)

この株価を見る限り100%まぐれである可能性はかなり低いのではないでしょうか?いくつかの幸運に恵まれたことはあったにせよ、残りの多くはバフェット氏の卓越した運用能力が築き上げた実績だと考えるのが妥当だと思います。であれば運用能力に自信を持ち、なおかつしっかりとした実績を残してきた人に乗るという投資判断は大いにアリだと私は思うのですがいかがでしょう?あるいは百歩譲ってこの実績がすべてまぐれであったと仮定するなら、バフェット氏はたぐいまれなる強運の持ち主ということになりますので、それに乗ってみるという投資判断も面白いかも知れません。まあこれは決して合理的な判断ではありませんが、投資の世界には「当たり屋につけ」という格言もありますからね。

上記の加藤さんの発言が出たセミナーは2010年12月11日に開催されました。あくまでも結果論ではありますが、その時にバークシャー・ハサウェイの株を買っていれば今頃大儲けできていたはずです。すなわち、バフェット氏がすでに素晴らしい成績を残していたあの時に飛び付いてもまったく遅くはなかったわけですね。もちろん過去の成績が素晴らしいからといって将来の成績も素晴らしいとは限りませんが、このようにそのまま素晴らしい成績が続く可能性だってまったくゼロではないのです。今ひふみ投信を買うのは危険だと思っておられる方々はおそらくこの先基準価額が5万円を超えることなどあり得ず、ましてや10万円超えなど夢のまた夢だと考えておられるのでしょうね。天の邪鬼な私はぜひその根拠を聞いてみたいと思ってしまいます。

こちらのエントリーでご紹介した「カンブリア宮殿効果」でひふみ投信やひふみプラスに資金が集まった時も「テレビ放送で人気化したファンドに飛び付くのは危険だ」という意見をネット上でよく目にしました。確かに純資産総額が急拡大することで「ひふみ投信 Ver.2.0」でご紹介したような新たな運用手法へのチャレンジも必要になっています。これらは過去の実績がないため、ひふみ投信にとっては新たなリスク要因を抱えることになりました。しかし新たな投資手法が次の成長要因となる可能性も決してゼロではないのです。これが普通の企業であれば一朝一夕に事業内容を変えることは困難ですが、投資信託であれば朝令暮改どころか朝令朝改のスピードで中身を入れ替えることも可能ですので、今後もスピード感を持って最適ポートフォリオの構築に努めてくださるよう大いに期待しております。繰り返しになりますが、大切なのは今の中身なのですから。

ひふみ投信を始め同じマザーファンドで運用されるひふみプラスとひふみ年金(ひふみシスターズ)は9月1日時点で設定来最高値を更新しました。すなわちこれは手数料を除いた運用部分で含み損を抱えた受益者が誰一人いないことを意味するわけで、アクティブファンドとしては理想的な状態にあるといえます。しかし改めて申し上げますが、投資信託の基準価額は単に過去の実績を積み重ねた結果に過ぎませんので、基本的にいくら設定来最高値を更新してもそのことで将来の成績が左右されるわけではありません。ですから「設定来最高値更新=危険」という発想はそもそもナンセンスなのです。しかし一方で設定来高値更新は過去の運用能力が高かったという紛れもない事実を示しているわけで、将来の運用能力もおそらく高いだろうと推測する材料になることは確かですよね。過去の成績がまぐれか実力かについてはいろいろな見解があるとは思いますが、ハイリスク投機家を自認する私としてはひふみ投信にはぜひ「長期間実力でインデックス指数を上回る成果を残せるアクティブファンドは実際に存在する」という実例になっていただきたいと大いに期待しております。

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