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iDeCo(イデコ)のススメ

kage

2017/08/12 (Sat)

先日、とある飲み会の席である知人から「そろそろ資産運用を考えてみたいのですが」という相談を受けました。そこで私が何をオススメしたのか?と言いますと、本エントリーのタイトルですでにバレバレではありますが、ズバリ「個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo[イデコ])」です。その理由を書く前に、まずは相談者のプロフィールを簡単にご紹介しておきましょう。30代女性、既婚、子供なし、共働き。察するに共働きで家計に余裕が出てききたところで、漠然とした将来の社会保障に対する不安もあり、資産運用に関心を持たれたのでしょうね。そして私は、彼女のようなケースであれば、例え資産運用はしなくても(=元本確保型商品100%でも)iDeCo(イデコ)に加入するメリットは大きいと判断して熱烈推奨するに至りました。なおここで重要なポイントとなるのは「彼女のようなケースであれば」という部分です。すなわち一人ひとりの状況によりこの判断は変わってきますので、いくら加入者の範囲が拡大して資産運用の選択肢に入ったとはいえ、iDeCo(イデコ)は誰にでも無条件でオススメできる制度ではないという点にくれぐれもご注意ください。すなわち本エントリーの主旨は、制度の仕組みを正しく理解して上手に活用しましょうということであり、これはiDeCo(イデコ)に限らずNISAからふるさと納税まですべての制度に共通して該当することですよね。

それではここで改めて確定拠出年金の対象者とそれぞれの拠出限度額を確認しておきましょう。下記は厚生労働省のサイトにある「確定拠出年金の対象者・拠出限度額と他の年金制度への加入の関係」のスクリーンショットです。ご覧のとおり、以前は加入できなかった専業主婦(夫)や企業年金のある大企業のサラリーマンに加えて公務員にまで対象が広がっていることがお分かりいただけるでしょう。

イデコ対象者

今回の相談者の勤務先には企業年金(厚生年金基金)がありましたが、確定拠出年金については「何それ?おいしいの?」的な反応でしたので、おそらくは上記図表でいえば右から2番目に該当するものと思われます。もしそうであれば、拠出限度額は月額1万2千円(年間14万4千円)となるわけですね。そして冒頭にも書いたとおり、私はこの年間14万4千円を全額元本確保型の定期預金で運用したとしてもiDeCo(イデコ)に加入するメリットは大きいと判断しました。ご承知のとおり現在の定期預金は日銀のマイナス金利政策の影響もあり、期待できる利息収入(インカムゲイン)は文字通り雀の涙ほどです。しかしiDeCo(イデコ)に加入すると毎月各種手数料がかかるため、定期預金で運用していては完全に「手数料負け」してしまうでしょう(手数料と利息の差額分だけ確実に運用資金が目減りしてしまう)。ちなみに私が加入しているSBI証券 確定拠出年金積立プラン(個人型401K)でも国民年金基金連合会に支払う国基連手数料103円と事務委託先金融機関に支払う事務委託手数料64円の合計167円が毎月かかります。これに対して例えば元本確保型の「あおぞらDC定期(1年)」の適用利率は2017年7月3日現在で0.02%ですので、14万4千円を1年間預けたとしても利息はわずか28円80銭(端数を繰り上げても29円)に過ぎません。実際には毎月1万2千円の積み立てになるわけですから受取利息はこの半分以下となり、年間2千円弱の赤字となるでしょう。それでもなお私が大きなメリットがあると判断した理由は、iDeCo(イデコ)最大のメリットと言っても決して過言ではない(と私が思っている)「拠出金全額が所得控除の対象」の存在に他なりません。

私は相談者の年収を知りませんが、仮に500万円と想定しましょう。そして各種控除を差し引いた後の課税所得が330万円以上であるとしたら、適用される所得税率は20%となります(厳密にはさらに復興特別所得税が上乗せされますがここでは無視します)。この場合iDeCo(イデコ)の拠出金14万4千円全額が所得控除の対象となるため、非常にザックリとした計算では14万4千円×20%=28,800円所得税が減ることになります。さらには地方税も14万4千円×10%=14,400円減るため(筆者注:こちらも非常にザックリとした計算で、実際にはもっと複雑な計算式が必要です)、合計で43,200円の節税効果が期待できるのです。いかがでしょう?これなら年間2千円程度の手数料負けなど全然気にする必要はありませんよね。まさにこれは「損して得取れ」の典型とも言えるのではないでしょうか?私のようなおじさん世代にとっては、サラリーマンの資産形成第一歩は財形貯蓄が常識でした。しかしながら過去の常識が通用しないマイナス金利時代に突入した現在、いくら財形貯蓄の金利が優遇されているとはいえ、「ほとんど誤差の範囲」というのが正直なところでしょう。それなら同じ給料天引きでiDeCo(イデコ)をフル活用する方が100倍マシというのが私の意見です。事実、同じ定期預金でも結果は100倍以上違ってきますから。サラリーマンなら面倒な控除の手続きや税金の計算もすべて年末調整にお任せできて楽ちんですので、これを使わない手はないでしょう。

ここであえて注意点も書いておきますと、iDeCo(イデコ)を活用すると確かに支払う税金は減りますがそれは課税を免除されたわけではなく、年金受け取り時に課税が先送りされただけであるという事実を決して忘れてはなりません。ですからいざ年金を受け取る段階になってもバリバリ働いていて今よりむしろ年収が上がっていたというケースでは結果的に支払う税金が増えてしまい、iDeCo(イデコ)加入が裏目に出る可能性もあることにはくれぐれもご留意ください。しかしそのようなケースは客観的に見て間違いなく喜ぶべき状況でしょうから、その時はぜひ気前よく納税してくださいませ。さらには以前「専業主婦(主夫)は確定拠出年金に入ってはいけない?【訂正及び追記あり】」にも書いたとおり、そもそも控除の対象となる課税所得がない専業主婦(主夫)は所得控除のメリットを享受できませんので、私はiDeCo(イデコ)への加入を積極的はオススメしません。もっともiDeCo(イデコ)には一時金として受け取る際には所得税の計算がかなり優遇される退職金と見なされるという「特典」もありますので、いずれのケースでもこれを上手に活用すればかなり影響を緩和できるのでは?と個人的には思っていますが。

あとiDeCo(イデコ)は60歳になるまで1円たりとも引き出せないことがよくデメリットとして挙げられます。ただしこれは考え方次第で、60歳まで引き出せないから安易に手を付けてしまう心配がないとも考えられますよね。さらに60歳まで引き出せないということは60歳になれば引き出せるという意味でもあり、実はこれが大きなメリットにもなるのですよ。ご承知のとおり私を含めた現役世代の年金支給開始年齢は65歳であり、もし60歳で定年退職したとしたら60歳から65歳の5年間をどう食いつなぐか?が大問題となります。ですから政府も必死になって企業に対して65歳定年制の採用を促していますので、働けるなら65歳まで働き続けるというのもひとつの選択肢でしょう。またある程度まとまった額の退職金がもらえる見込みがあるのであれば、それで食いつなぐという手もあります。さらにここにiDeCo(イデコ)という選択肢を加えてはいかがでしょう?60歳から受給できるのですから、65歳までの無年金対策として十分に活用できますよね。もちろん今回の相談者のように年間の拠出金が14万4千円では、例え30代から加入したとしてもそれだけで5年間を食いつなぐことは現実的に難しいとは思いますが、家計にとってはかなりの助けになるはずですので検討する余地は大いにあると思います。ちなみに65歳まで国民年金や厚生年金をもらえない私たちの世代も60歳からの繰り上げ支給を選択することは可能です。しかし支給金額が30%減となるためできることなら避けたいところです(減額は一生涯続きますので)。逆に支給開始年齢を70歳まで繰り下げれば42%増となります(こちらも増額は一生涯続きます)ので、iDeCo(イデコ)を上手に活用して年金増額にチャレンジしてみるのも面白いかも知れませんね。

最後に極めて重大な注意点をひとつ。過去のエントリーでもたびたび触れてきたとおり、確定拠出年金(企業型・個人型)には現在凍結中の「特別法人税」という地雷が存在します。ひとたびこれが長い眠りから覚めて炸裂すると確定拠出年金はたちまち最低・最悪の資産運用法に転落してしまうことを覚悟の上で加入するようにしてください。「特別法人税」は運用益に対する課税ではなく、運用資産全体に対して一律で課税する資産課税ですので影響(被害)が甚大なのです。とはいえこれを気にしていてはいつまで経ってもiDeCo(イデコ)のメリットは享受できないわけで、個人的には炸裂したら仕方がないと腹を括って飛び込むしかないのでは?と思っています。

先ほど最後と書きましたが、今度こそ本当に最後のご紹介をひとつ。いつの間にか国民年金基金連合会が「iDeCo公式サイト」を立ち上げていたようです。その中でiDeCo(イデコ)の公式ロゴ(下記左)や公式キャラクター「イデコちゃん」(下記右)が紹介されていました。初心者にも分かりやすい内容になっていますので、iDeCo(イデコ)に興味を持たれた方はぜひ一度訪問してみてください。
イデコロゴ イデコちゃん

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