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山崎バズーカ第十弾炸裂 前編

kage

2017/08/05 (Sat)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第十弾となります。先週7月29日に山崎さんが「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)にご出演されましたので、早速ブログネタにさせていただきます。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は第四弾以来久しぶりにジャーナリストの須田慎一郎さんに戻りました。

タイトルをご覧いただければお分かりのとおり、本エントリーは放送の前半部分をご紹介する「前編」です。今回初めて前後編に分けた理由はいくつかあります。まずは純粋にご紹介したい発言が多く、前半終了時点で文字数がかなり多くなったこと。須田さんのご発言をできるだけ要約することなどで対応しようとしたのですが、限界がありました。もうひとつはこのところの暑さを言い訳にして最近のブログ更新頻度が著しく低下していること。このためエントリーを前後編に分けてエントリー数を稼ごうという浅はかな考えも正直なところあります。さらに蛇足ながら付け加えると、本日はこれからこちらのエントリーでご報告していた大腸内視鏡検査を受ける予定で、単純に作業時間が足りなかったこと。ちなみに本エントリーは検査に備えてお腹の中を空っぽにするための「経口腸管洗浄剤」を飲みながら書きました。この薬(?)は約2時間かけてゆっくり飲む必要がありますので、それを作業時間に充当した次第です。

それでは今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

1週間のNEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて山崎さん「今週は豪華なラインナップだが大きいのは蓮舫さんの(民進党代表)辞任。これまで安倍政権最大の資産は「民主党政権の時はひどかったね」という国民の記憶だった。そういう意味では蓮舫さんが代表で野田さん(前総理大臣)が幹事長という体制は選挙にはものすごく不利だった。それがやっと看板を変える気になったのは野党が不在の状態で解散総選挙になることがないという意味では良いのだが、ただ経済の面では気になる点が出てきた。もちろん政治は株価対策のためにあるのではないし経済だけで見る(評価する)ものでもないが。加計問題で安倍政権の支持率が下がった。しかしこれは具体的に行政を歪めた証拠が出てくるような問題ではないと思う。ただ首相の資質が問われ、特に女性の支持率低下が顕著。そうなるとどこまで保つのか?ということになる。来年秋の自民党総裁選挙も焦点になるが、経済の立場で気にしているのは来年の3月。このタイミングで日銀の正副総裁の任期が来るわけで、この人事を安倍さんができるのかどうかでものすごく違う。もし安倍政権が途中で倒れて石破さんなのか小泉進次郎さんなのか分からないが別の総理が金融緩和に消極的な財務省出身の人を日銀総裁に選ぶと、日米欧の金融政策の違いから円安になっている現状が変わり為替レートが(対ドルで)10円くらい円高になって日経平均株価は2千円くらい下がるだろう。そういう意味では安倍政権が不安定化することがこれから経済面の不安材料になる。蓮舫さんの代表辞任で民進党の態勢が整ってきたり、小池さん(都知事)が「国民ファーストの会」を立ち上げたりして(反安倍政権の)受け皿ができてくると、簡単に解散もできなくなるだろう。しかし解散せずに粘ってくれれば来年3月がクリアできるのでその方がマーケット的には良いのかも知れない。ただ一方では「相手の準備が整わない内に解散してしまえ」という議論もあるようだが。」

山崎さんの発言を受けて須田さんが解説。

・続投に意欲を見せていた蓮舫代表が急転直下辞任に至った理由は自民党の二階さん(幹事長)あたりから「9月冒頭解散するぞ」というブラフ(はったり、威嚇)が流れたため。これで「蓮舫代表で選挙は戦えない」という党内の声が一気に高まった。
・政治家にとって一番大事なのは国民生活などではなく自分の当選。
・もし民進党や小池新党の準備が整っていない9月の冒頭で解散すれば、自民党は議席を減らしても公明党と併せて過半数はほぼ確実に取れるだろう。
・先ほど山崎さんから安倍さん後継者として石破さんの名前が挙がったがそれはないだろう。なぜなら石破さんは自民党内で極めて不人気だから。
・石破さんが党内で人気がない理由は義理人情の人でないから。応援演説を頼まれてもあっさり断ってしまう。
・だからまだしばらく安倍政権は安泰。

これに対して山崎さんからは「とはいえ負け幅によっては責任問題にもなるのでは?」とのご意見が出ました。

次の話題は番組MCの田村淳さんが選んだ「今週のキキタイ」。テーマは「マイナス金利で銀行がヤバい?!私たちの生活は大丈夫?」。

田村淳さん「鈴木さん(番組レギュラー出演者の鈴木奈々さん)は普段銀行のお世話になっていますか?」

鈴木奈々さん「お世話になっています。銀行に私はお金を貯金しています(筆者注:ゆうちょ銀行、JAバンク、JFマリンバンク以外なら「預金」ですね)。だた運用とかはまったくしていないです。運用の仕方が何も分からないので。」

山崎さん「銀行で運用するよりはその方がいいですよ。銀行で投資信託を買ったり保険を買ったりするよりは何もしないで預金しておく方がいい。銀行のカウンターで出てくる商品は手数料の高いダメな商品ばかりなので。そういう意味では運用に手を出さずに預金だけしている状態の方がまだ安心。」

須田さん「山崎さんほどの知識があれば相手を言い負かすこともできるが奈々ちゃんはぜったいだまされる。」

鈴木奈々さん「えー、怖いんですけど。」

須田さん「銀行に寄り付かない方がいいと思う。」

山崎さん「無料相談なんかが一番良くない。ああいうのに行かない方がいいですよ。」

田村淳さん「アベノミクスの現状はいかがですか?数字だけ見ればバブル期並みということですが。」

山崎さん「20年経ってようやくバブル期並みということなので全体的には決して順調ではない。ただ雇用がこれだけ改善して、インフレもまだ十分ではないが低インフレの状態である現在は経済学的には結構良い状態。」

鈴木奈々さん「バブルの感じがしないです、全然。」

山崎さん「それはまだ給料が上がっていないから。だから実感がない。でも今の状態を維持する方がいい。消費税は上げない方がいいだろうし、できれば下げるくらいのことを考えた方がいい。バーナンキさん(前FRB議長)が「量的緩和で日本は脱デフレできるとの見込みが甘かった」と言われたが(5月24日の日銀講演にて)、それはアベノミクス3本の矢の2本目を消費増税で自分に向けて放ってしまったようなものなのであれがマズかった。もっと財政を使うべきだったと思う。マイナス金利政策で長期国債の金利までゼロにしているのは弊害が大きいような気がする。だからといって今すぐ止めろとは言わない。もし黒田さん(日銀総裁)が今の金融政策を止めると言えば(為替は対ドルで)10円、15円円高になって株価も下がり不景気になるだろう。それでも政府がもっとお金を使ってインフレ率を上げる形の方がいいと思う。」

バブルの雰囲気がまったくないのは給料が上がっていないからという山崎さんの指摘に対して須田さん「一部の大企業の正社員の給料は上がっている。しかし中小零細企業や非正規で働いている人の給料はほとんど上がっていない。だから使うお金がない。それではなぜ中小零細企業の給料が上がらないのかといえば業績が悪いから。大企業からもらう手間賃・工賃・部品代が上がるどころか下がっているので業績も上がらない。大企業が作っている製品も国際競争で値下がりしているのでそのしわ寄せが中小零細企業に来ている。値下げをして、円安の追い風もあって、大企業の製品は売れているが値下げのために部品単価を安く買いたたいている。だから中小零細企業の業績はいつまで経っても良くならない。だから結果的にはいくら金融緩和をしても変わらないと思う。日本の企業が適切な値段でモノを売れる状況を作らない限り本格的な景気回復の実感は得られないだろう。」

次の話題は「もはや銀行は消費者金融?」。消費者金融に対する総量規制(年収の1/3を貸し出し上限とする)が銀行には適用されないため銀行カードローンの利用が急拡大している。しかしその実態は系列の消費者金融(三菱東京UFJ銀行ならアコム、三井住友銀行ならプロミス)が保証会社になっているので境界線は曖昧。

山崎さん「カードローンが儲かるということでメガバンクを始め地方銀行からネット専業銀行に至るまで各社が手がけている。先ほど説明があったように三菱東京UFJ銀行から借りたと思っていても返済が滞れば保証会社のアコム系列の会社が取り立てに来るので実質は消費者金融で借りているのと変わらない。年収制限適用外の銀行カードローンでお金を借りて消費者金融の返済をすればまた新たに消費者金融から借金できることや、銀行カードローンだけで500万円から1,000万円が借りられてしまうことも問題。消費者金融のCMで「ご利用は計画的に」と言うが、計画的に生活できないからお金を借りているわけでそもそも無理な注文。銀行カードローンでまとまった金額が借りられてしまうことは借り手にとっても良くない。さらに銀行だけ総量規制の対象外で儲けていいのか?という問題もある。この問題に対して金融庁がどう対応するのかと思えば「業界の対応を見守りたい」と消極的であり、事実上時間稼ぎに手を貸していると私は思う。」

須田さん「マイナス金利で業績が厳しい銀行に対して監督官庁の金融庁は“国債ばかり買うな”“日銀にお金を積んでおくな”“もっと融資をしろ”とかなりプレッシャーを掛けている。だから住宅ローン、カードローン、アパート建設融資などが急増している。本来なら企業に融資して設備投資や新商品開発の後押しをすべきなのだが回収に時間がかかるため、手っ取り早く回収できる不動産や消費者金融に注力している。実は私、こんな怖い顔をしていても消費者金融に総量規制を導入する議論をした時の政府委員で張本人。良いこともやっているんだよ僕も!(スタジオ大爆笑)」

田村淳さん「その時になぜ銀行は対象外になったんですか?」

須田さん「まさか銀行は消費者金融みたいな悪辣なことはやらないだろうと思ったら豈図らんや(あにはからんや)、銀行も悪辣なことを始めてしまった。自社の利益のためにはドンドン多重債務者を作ることもいとわないようなことをやっている。そこは私のミスだった。」

山崎さん「銀行にはドンドン預金が集まるが融資先はない。金融庁は良い事業を探して無担保で貸してあげなさいと言うが、それはもう何十年も前から銀行がやりたいと思っていながらできなかったこと。それでも何とか収益は獲得しなければならないので対個人でいえば、富裕層からは投資信託や保険の手数料で取り、貧乏人からは金利で取る。それで何とか儲けようとしているのが今の銀行のビジネスモデル。そんな中で今最も注力しているのがアパート建設融資。金融庁が一番に問題視しているのがこれで、おそらく将来融資が焦げ付いて大問題になるだろう。確か2014年から(筆者注:正確には2015年1月1日です)相続税の課税が強化されたので、その対策として賃貸住宅を作りましょう、そのために融資しますと不動産会社と銀行がセットになって商売を進めている。ただアパートを造っても入居者がいなければ大変。首都圏で賃貸住宅の需要者となる20歳から49歳の人口は2015年から2025年にかけて15%減るし、2025年から2035年にかけてさらに13%減少する見込み。こんな状況だとやはり空室率は上がる。そうすれば融資も焦げ付くので、監督官庁の金融庁もさすがに貸し過ぎでは?と警戒し始めている。一方で消費者金融はまだそれほど問題視していない。消費者の生活は厳しいだろうがまだ問題化はしないとおそらく判断しているのだろうと思う。いずれにせよどちらも融資の質としてはあまり良くない。」

須田さん「アパート建設融資ビジネスが盛況な背景には将来の年金不安がある。融資を受けるのはほとんど中高年。将来家賃収入があれば老後生活が安定しますよというセールストークで年金不安に付け込まれている。」

山崎さん「下手なアパートを建てる方が(老後は)よほど不安です。入居者がいなくてもドカンと借金は残るわけですから。」

鈴木奈々さん「怖い。私は銀行ってメチャメチャ安心してたので、借りるなら銀行と思っていました。ビックリしました。全然考えが変わりましたね。」

田村淳さん「どうします?今預けている80億は。」

鈴木奈々さん「ない!ない!80億はない。でもちょっと考えます。」

須田さん「借りるなら銀行って言うけど、借金は将来の所得の前借りだからね。よくその辺は考えてもらわないと。」

以上で前半のご紹介は終了です。アパート建設融資の返済が滞って、いわゆる「不良債権化」するリスクが高いと分かっていながら突っ走らざるを得ない銀行の現状を見るにつけ、バブル崩壊の教訓が何も生かされていないとの思いを強く持ちました。もしかすると「バブルを知らない世代」は、バブルの実感は得られないままにバブル崩壊の苦しみだけは味わうことになるのかも知れませんね。金融庁が本気で「貯蓄から資産形成へ」を実現したいのであれば、不動産だけでなく有価証券の相続税も大幅に優遇するよう財務省に要請すべきではないでしょうか?もしかするととっくの昔に要請しているのかも知れませんが、私の耳にはなかなか聞こえてきませんのであえて書かせていただきました。いずれにせよ銀行とのお付き合いは、機械(ATM)かネットに限定した方が良さそうですね。

それではこの続きは改めて「後編」にてご紹介します。お楽しみに。

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