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国際分散と米国集中

kage

2017/06/18 (Sun)

最近投信ブロガーの間で株式投資は国際分散?それとも米国集中?という話題が盛り上がっているようですので、私もこれに乗っかってみることにしました。この議論を始めるにあたりまず注意しておくべき点としては、この2つの選択肢が「白か黒か」というような両極端な二者択一ではないということです。例えば私が毎月コツコツと積み立て投資を継続しているセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの株式部分における米国の構成比率は54.3%でした(5月度運用レポートより)。すなわち今回のタイトルに掲げた選択肢はいわば「100か54か」ということになり、例え国際分散を選んだとしても米国株への集中度は極めて高いという事実だけは認識しておくべきでしょう。これを踏まえた上で私がこの話題を見た時の第一印象は「米国集中でいいんじゃないの?」でした。実はこの判断の背景にはあの忌まわしきリーマンショックの記憶が大きく影響していました。すなわち世界最大を誇る米国経済がこければ、欧州も日本も新興国も枕を並べて討ち死にとなる悲しい現実があるのです。これにより私は「市場がパニックに陥った際にリスク分散効果が発揮できないのなら、始めから米国集中でいいんじゃないの?」と思ったわけです。つまり国際分散など単なる気休めに過ぎず、古いガンダムネタで表現すれば「ジオングの足(あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのです。)」ということになりますね。

しかしその後でよくよく考えてみると、最近の米国集中にはかなり不安もあるなと思えてきました。ご承知のとおり米国株はダウ平均株価、ナスダック総合指数、S&P500指数が揃って史上最高値を更新するほど絶好調なのですが、その実体は「FANG(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル)」に代表されるようなほんの一握りの銘柄が株価上昇を強力に牽引するという極めて歪(いびつ)な形になっています。すなわち現在の米国株に集中投資するということは、「FANG」など一握りの銘柄に集中投資するに等しいということですよね?こう考えると現時点における米国集中投資には少々危うさを覚えます。とはいえ「米国こけたら皆こけた」となる現実もあるし、実際のところこの選択はなかなか難しいですね。

そこで最終的には過去の実績を見て国際分散と米国集中の優劣を判断することにしました。下記は本家YAHOO!FINANCEからお借りしてきた比較チャートで、比較対象は赤:PowerShares QQQ Trust(NASDAQ100指数に連動するETF)青:Vanguard Total Stock Market ETF(CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するETF)紫:SPDR S&P 500 ETF Trust(S&P500指数に連動するETF)緑:Vanguard Total World Stock ETF(FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するETF)です。

VT_VTI_SPY_QQQ

なおこの比較チャートの起点は2008年6月23日(VTの設定日前日)となっており、2009年にある大きな谷は言うまでもなくリーマンショックです。あと私たち日本の個人投資家が留意すべき点としては、これらはすべて米ドル建ての成績であることです。つまり為替変動は一切反映されておらず、リーマンショックの下落ショックも株安+円高でダブルパンチ状態だった私たちの恐怖感よりかなり割り引いて見る必要があるわけです。この結果を見る限りリーマンショック後の成績はQQQ(NASDAQ100指数)が圧倒的であり、他を大きく引き離してます。これに対してほぼすべての米国株を投資対象とするVTIとS&P500指数を投資対象とするSPYはほぼ同等の成績であり、どちらを選んでも大差なしという結果になりました。しかしながら全世界株を投資対象とするVTの成績は明らかに他者の後塵を拝する結果となっており、これを見る限りではやはり「米国集中でいいんじゃないの?」が結論となりそうですね。ちなみにこの比較チャートからVTを外すと米国株を投資対象とする3銘柄の比較がもっと過去にさかのぼれますので、ご参考までにご紹介しておきましょう。なお色の区分けは上の表に合わせて赤:PowerShares QQQ Trust(NASDAQ100指数に連動するETF)青:Vanguard Total Stock Market ETF(CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するETF)紫:SPDR S&P 500 ETF Trust(S&P500指数に連動するETF)としております。

VTI_SPY_QQQ

こちらの比較チャートは起点が2001年1月1日となり、ご覧のとおり大きな谷が2つ現れます。その内、左端近くの谷がITバブル崩壊後の大底で中央近くの谷がリーマンショックです。すなわちこの比較チャートはITバブル崩壊の真っ直中からスタートして、リーマンショックを乗り越えた結果となるわけですね。それにしても正直なところ、比較期間を延ばしただけでこれら3つのETFの成績にこれほど違いが現れるとは驚きでした。成績トップのPowerShares QQQ TrustはITバブル崩壊やリーマンショックで低迷期間が長かっただけに、もし積み立て投資の対象に選んでいたら安くたくさん仕込んで個別元本を引き下げる効果を最大限に発揮できたことでしょう。しかし現実的にQQQは私たち日本の個人投資家にとってなかなか投資対象として選びにくいことも事実です。さらに今から新規投資する場合には、直近のナスダック総合指数急落のような突発事故の影響も懸念されますしね。この結果を見ると同じ「米国集中」でも選択肢により得られた成績は大きく変わったことが分かります。これを踏まえて当ブログでは、「1本で投資を完結したいのならVanguard Total Stock Market ETF(CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するETF)を選ぶべき」を結論とさせていだだきます。もちろん最適な投資法は人それぞれでありそこに正解は存在しませんので、あくまでも妄想ゲームの結論ということで何卒ご理解くださいませ。

【追記】

上記比較チャートは配当落ち後の結果です。すなわち配当支払いがまったく考慮されていない点にもご留意ください。これも含めて妄想ゲームの結論であるとお考えいただければ幸いです。

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