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ひふみにまつわるエトセトラ

kage

2017/06/11 (Sun)

一見してお分かりのとおり、前回に引き続き今回のタイトルも今から20年前に発表されたPUFFYの名曲「渚にまつわるエトセトラ」からいただきました。念のために申し添えておきますが、ここにある「ひふみ」とはもちろん現役最年長プロ棋士の加藤一二三九段(愛称:ひふみん)のことではなく、私自身が設定以来コツコツ積み立て投資を継続しているひふみ投信を指すことは言うまでもありません。そのひふみ投信に関する最近の話題といえば、まずマネックス証券のサイトにひふみ投信の運用元であるレオス・キャピタルワークス社の代表取締役社長にして最高投資責任者でもある藤野英人さんの独占インタビュー記事が掲載されたことが挙げられるでしょう。

藤野英人氏 独占インタビュー第1弾 起業の志編

この件については藤野さんご本人もTwitterでこうつぶやかれていました。



早速私も上記インタビュー記事を拝読させていただきました。ひふみ投信設定以来の受益者としてのひいき目が私にあるのかも知れませんが、とても読み応えのある興味深い内容であったと思います。ただしこの記事の立ち位置を冷静かつ客観的に判断すれば、ひふみプラスを拡販する目的のいわばPR記事であることは否定できません。従ってこの記事の根底にはひふみや藤野さんを持ち上げようとする「よいしょバイアス」が流れていることには留意が必要でしょうね。ここで私がその「よいしょバイアス」に乗っかった記事を書いても何ら目新しさはありませんので、本エントリーではあえて厳しいめの視点による感想を述べさせていただきたいと思います。

上記インタビュー記事の中では理想を追い求めて起業したレオス・キャピタルワークス社がリーマンショックの大逆風を受けて消滅寸前まで追い込まれたことが藤野さん自身の口から赤裸々に語られています。先にも書いたとおり私はひふみ投信設定時から積み立て投資を継続していますので、この大混乱を受益者として体験しました。この時、本来ならしなくてもいいはずの会社存続の心配をさせられたことは今でも私の記憶にネガティブな印象を深く刻み込んでいます。そのあたりの経緯と私の心情については下記のエントリーに詳しく書いておりますので、よろしければご参照ください。

本音と建前(2009年2月5日)

海外株式投信評価額(2009.02.06現在)(2009年2月7日)

ひふみ投信運用責任者変更(2009年8月21日)

ひふみ投信運用責任者変更に伴う説明会のご報告を読んで(2009年8月28日)

レオスのISホールディングス傘下入りは結果オーライ(2012年6月22日)

上記エントリーをお読みいただければお分かりのとおり、リーマンショックの影響で存亡の危機に立たされたレオス社は多くのIT・金融事業を傘下に持つISホールディングスの支援で何とか生き延びることができました。しかし会社存続と引き換えに創業時の理想だった独立は放棄せざるを得ません。大手金融機関系列の縦割り運用会社で雇われファンドマネージャーをしていても果たせない「理想の投資信託作り」という夢を追っていたはずなのに、これでは元の木阿弥です。上記インタビュー記事にもあるとおり、ISホールディングス傘下入りは藤野さんにとっても苦渋の決断でした。しかし同じ夢を追っていた初代運用責任者の立田博司さんはこれを容認できず、残念ながらここで袂を分かつことになったのです。立田さんのお話しに共感してひふみ投信への投資を決めた私にとって、運用責任者交代はまさに青天の霹靂でした。今にして思えば藤野さんが苦渋の決断をしてくれたお陰でひふみ投信も存続できたわけでありがたい限りなのですが、あくまでもそれは結果論に過ぎません。レオス社やひふみ投信の現状が立ち上げ当時の理想とは大きく食い違っていることは紛れもない事実であり、藤野さんがそのあたりをどう消化しているのか受益者の端くれとして聞いてみたい気もします。

とはいえ私は決して現状を否定的に捉えているわけではありません。ISホールディングスは「お金は出すが口は出さない」理想的な親会社であり、その傘下に入ったことでレオス社の信用力や財務基盤は確実に強化されましたので、受益者としての正直な希望は現状維持です。しかし藤野さん自身の今後の希望はどうなのでしょうか?あくまでも初志貫徹で独立を目指すのでしょうか?また上記インタビュー記事の中にリーマンショック前には上場の話もあったことが書かれていますが、例えば同業のスパークス(証券コード:8739)のように上場を目指す希望は今でもあるのでしょうか?あるいは親会社のISホールディングスがGMOインターネットのように子会社の積極的な上場を目指す方針に転換した場合はどうするのか?なども気になるところです。また肝心の運用成績についても、運用効率を評価する指針のシャープレシオで見る限り袂を分かった立田さんが運用するみのりの投信の方がより上手に「守りながらふやす」運用ができている現実を藤野さんがどう捉えているのか?聞いてみたいですね(ちなみにモーニングスターで調べたシャープレシオは、みのりの投信:過去1年2.28、過去3年1.86、ひふみ投信:過去1年1.77、過去3年1.55、過去5年1.88でした)。

さて、ひふみにまつわる次の話題は5月20日付の「ひふみ投信定期積立経過報告」でも触れた組み入れ銘柄開示方針の変更についてです。具体的には5月度の月報(ひふみのあゆみ)よりこれまでの組入比率上位20銘柄開示から上位10銘柄+3ヵ月前の上位30銘柄開示に変更されました。この変更理由については下記動画の冒頭で藤野さんご自身が説明しておられます。

ひふみアカデミー2017年6月

藤野さんのご説明を極めてザックリと要約させていただくなら、いわゆる「イナゴ投資家」を排除するためということになろうかと思います。これまでの組入比率上位20銘柄開示は受益者限定の特典のような扱いでしたが、「カンブリア宮殿効果」でひふみ投信への注目度が高まるとその特典を得るためだけに口座を開設して1万円や2万円だけ投資して放置する事例が増えているとのこと。藤野さんのご説明は株価形成への悪影響を排除するためでしたが、おそらく口座開設の手間や口座管理コストの増大も看過できない問題であろうことは想像に難くありません。実際のところ株価形成への悪影響についてはレオス社が大量保有報告書を提出した銘柄の株価が急騰する事例も多々ありますので、これはもう有名税だと思って諦めるしかないのだろうと個人的には思います。その上で短期的に株価が急騰して割高になったと判断すれば淡々と売り、反対に急騰の反動で売り込まれ割安になったと判断すれば淡々と買えばいいのです。「その売買自体が無駄なのだ」と言われれば確かにそのとおりなのですが、そこは「ひふみ銘柄に群がるイナゴ投資家をまとめて佃煮にして食ってやる」くらいのしたたかさで相場に臨んでいただければ受益者としても心強い限りです。いずれにせよアクティブファンドにとって最新の組み入れ銘柄情報は運用成績に直結する最高機密のようなものですので、情報開示の重要性との間で「どこまで手の内を明かすか」は悩ましい問題ですよね。上記動画の中で藤野さんも「これが最終形とは思っていない」と言われていますが、おそらくこれからも試行錯誤を続けて落としどころを探っていくしかないのでしょう。

以上、今回は「ひふみにまつわるエトセトラ」を取り上げました。マネックス証券のインタビュー記事は第2弾が近日公開予定とのことですので、ぜひ次回もブログネタとして活用させていただきたいと考えております。

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