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山崎バズーカ第九弾炸裂

kage

2017/06/04 (Sun)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第九弾となります。つい先日第八弾を書いたばかりですが、昨日6月3日に山崎さんが「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)にご出演されましたので、早速ブログネタにさせていただきます。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんでした。言うまでもなく超メジャーな方ですので皆さんご意見を拝聴できる機会は多々あるのではないでしょうか?そこで今回は初心に戻って、山崎さんのご発言を集中的にお届けしたいと思います。

それでは今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

最近の話題から気になるものは?と問われて山崎さん:「有効求人倍率バブル期超えの高水準」。雇用が改善したことはとても良いこと。特に学生が就職できるようになったというのはすごくホッとする。これから物価をもう少し上昇させるためにもこの状態をキープしていかなければならない。ただバブル期と比較していうと、バブル期採用の学生は簡単に入社できたのであまり質が良くないという評判が後から立ち、「あいつらはバブル世代だから」などと陰口を言われた。だから今の学生達には「あいつらはアベノミクス採用だから」などと将来言われないように頑張って欲しい。これから段々労働力が減っていくので(求人倍率バブル期超えを)喜んでばかりもいられない。だから日本は特にAIやロボットを一生懸命活用していく必要がある。それが問題を解決していけば少子高齢化で日本を追いかけてくる世界各国の手本にもなれる。さまざまな課題を世界に先駆けて解決する「課題先進国」というヤケクソな言い方があるが、高齢化と(少子化による)労働力不足に対する長期的な対応は必要。とはいえまずは雇用の情勢が良くなったことを喜びたい。

番組MCの田村淳さん:でも「課題先進国」としてはすべての課題を解決しないと世界各国の手本になれないですよね。

山崎さん:そうですよね。ダメなサンプルを見せてしまっても残念なので。ただ日本人の寿命はドンドン延びて長く元気に働けるようになっているので、これから就職する人たちは75から80歳まで働くつもりで人生計画を立てた方がいいのではないか。

今週のキキタイ、テーマは「国債?保険?どっちがいいの?教育無償化問題を考えよう!

教育無償化の賛否を問われて山崎さん:基本的には賛成。特に幼児教育無償化は教育経済学の論文でも効果が大きいと言われている。大学についても大卒とそれ以外では生涯所得が数千万円違うという統計がある。この差が大学の効果であるかどうかは分からないが、仮にその何分の一かが効果であるとすれば、国が大学のコストを400から500万円負担したとしても生産性の改善と税収増が期待できるので投資として成立するのではないか?そういう意味では国債で資金を調達して大学教育に投資して将来の税収増で返済するという考え方もできる。いずれにせよ日本にとって教育は投資の対象として有力な分野であると思う。

尾木さん:原則的には教育無償化大賛成。中でも大学より幼児教育を優先すべき。大学は現在大変な課題を抱えている。私立大学の4割は定員割れ。英語の授業でABCから教え直している大学もあるほど中学・高校の基礎学力がない大学生がたくさんいるという現状がある。ここにお金を投入するのは税金の無駄遣いではないか?との議論がある。また高卒や中卒の方々からしてみれば、自分たちが頑張って働いて納めている税金を何でそんな奴らに使わなければならないのだという不満が当然出てくる。このような問題を解決するためには、現状のように大学を学歴社会の入口にするのではなく、生涯学習の機関に切り替える必要がある。40歳でも定年後でも年齢に関係なく誰でもが行けるように。大学が先行して改革を進めないと国民の納得は得られない。

山崎さん:先ほど(これから就職する人は)75から80歳くらいまで働くことを考えなければいけないよと言ったが、高齢化していくと知識や職業技能が劣化してしまう。だからこそ働いている途中に知識や技術を再教育する機会が必要になってくる。大学をその受け皿に作り直して、そこに無償で通えるのが理想。ABCから教え直すのは確かにひどいとは思うが、全員がABCを知っているレベルでコミュニケーションを取れる方が全体にとっては幸せ。ただしそれを大学と呼ぶかどうかという問題はある。

財源について問われて山崎さん:一つの支出に対して必ず固定的な財源がなければならないという物事の考え方をまず止めるべき。お金には基本的に色は付いていない。増税すべき時と減税して景気対策やデフレ対策をした方がいい時がある。こども保険や消費税を財源にすると増税することになる。例え保険料という名目であっても現実に使えるお金は少なくなるので。今はまだ増税すべきタイミングではないと思う。教育無償化が投資として成立するのであれば国債でお金を調達して、日銀がそれを引き受けてデフレから脱却するのが当面は適当。そして将来インフレ率が上がってきた段階で増税すればいい。文部科学省試算の教育無償化費用は幼児教育約7千億円+大学約3兆1千億円=4兆円弱なので消費税なら2%相当。ただし今2%増税は経済政策としてはマズイ。こども保険の保険料であっても良くない。そもそもこども保険は制度が複雑過ぎる。こども保険管理機構みたいなのができて、年金と一緒に徴収したお金をわざわざ分けて、役人がゴチャゴチャいじり回すという仕組みがまたできてしまいそうな嫌な予感がする。教育は保険で賄うようなものではないと思う。

尾木さん:こども保険は不公平感から不満は出ると思うが、社会全体で教育を支えるという思考に切り替える第一ステップにしたらどうか?

山崎さん:現役世代は高齢者を養って、今度は下の方も養ってとなると、有効求人倍率が上がって徐々に経済が良くなるにしても現実的に所得は伸びていないので負担は重い。(自分を指さしながら)金融マンの目から見るとお金を持っているのは60歳以上の人が多いので、例えば資産に対する課税などで高齢者にもう少し負担してもらえるような構造にしないと厳しいのではないかなと思う。年金にしても税金と別々に徴収していることが二度手間なので、一本化して必要な年金を配ればいい。保険が好きな人は保険料として支払うことに過剰な意味を持たせがち。でもお金はある意味無色透明なものだから合理的に扱えばいい。現状では国債が適切だし、状況が変われば税金が適切になることもある。

尾木さん:でも国債は「もうこれ以上借金を増やしたくない」という思いはないですかね。

山崎さん:案外大丈夫です。結局日銀が持っており、日銀は政府の持ち物なので。日銀から外にお金がドンドン出ていってインフレになることが最大の副作用だが、今はまだインフレが足りない状態。だから現状では増税より国債が適切。

次の話題は加計学園問題と獣医師不足。

山崎さん:規制緩和の是非や獣医師の過不足とは別に行政の手続き問題がある。これは切り分けた方がいい。岩盤規制と戦っているのだからといって単純に賛成するのではなく、逆に安倍政権憎しで単純に批判するのでもなく。経済評論家として自分に偏りがあるのかも知れないが、獣医学部を作りたいなら自由に作ってみればいい。現実は獣医になりたい人が東京から来てまた東京に戻ってしまうだけかも知れないが、獣医学部を作りたいなら作れるようにした方がいい。そういう規制緩和には賛成。先ほどVTRのコメントで獣医師会の会長さんが国費が投入されていないので既得権益ではないと言われたが、獣医師の数が増えないようにコントロールできることはものすごく大きな既得権益だと思う。とはいえなぜそれが加計学園だったのか?行政手続きに問題はなかったのか?という疑問はある。他に手を挙げていた大学の計画の方が緻密だったという指摘もあるし。

「尾木さんが思う不要な大学はどんな大学ですか?」という視聴者からの質問に対して尾木さん:うーん。名前は言えないわねぇ。

田村淳さん:名前は言えない。あるのはある?

尾木さん:ある。

田村淳さん:街で会った時にぜひ聞いてくださいね。

以上、今回の山崎バズーカの破壊力はいかがだったでしょうか?今回は相棒が超メジャーな尾木さんだったこともあり、テーマが教育関係中心となったため個人的にはいつもよりインパクトは弱めだったような気がします。加えて山崎さんは前回も教育無償化について言及しておられたため、図らずも新鮮味に欠ける印象をもたらす結果になってしまいましたし。とはいえ山崎さんの「教育無償化は国家の投資として採算に合う」という主張は一貫しており、私自身も検討する余地は十分にあると感じました。そんな中でも今回私が特に新鮮味を感じたご発言が「保険が好きな人は保険料として支払うことに過剰な意味を持たせがち」というご指摘でした。確かに冷静かつ客観的に考えてみれば税金も保険も皆から広くお金を集めて必要な所に配るという構造はまったく同じですよね。しかしそこは「世界で一番保険好き」と揶揄される日本人のこと。保険という二文字にどうしても過大な幻想を抱きがちなのでしょうね。それならそれを逆手に取って、いっその事税金を「行政サービス保険」という名称に変えてみたらどうだろう?とふと思ったりしました。

今回は尾木さんのご発言を意図的に短めにしましたので最後に少々補足しておきます。尾木さんが大学より幼児教育の無償化を優先すべきと考える理由はすでに世界の趨勢がそうなっているからとのことでした。最新の研究で幼児教育の前倒し効果(社会的な適合性が高まるなど)が明確になり、義務教育開始年齢を5歳に引き下げる動きはもはや当たり前で、さらなる前倒しを検討している国もあるとのこと。そういう意味では保育園に入りたくても入れない待機児童の存在など時代逆行も甚だしいわけで、尾木さんは今週の話題の中でも「待機児童ゼロ3年先送り」を言語道断だと怒っていらっしゃいました。

結局のところ国力(文字通り国の力)は国民の能力の集合体です。自分の税金が他人の子供のために使われるのは納得できないという意見もあろうかとは思いますが、子供の能力が高まれば10年後、20年後の国力も必ずや高まるはずですから、巡り巡って自分のためにもなると考えることもできそうです。まさに「情けは人のためならず」ですね。この点では教育と長期投資はよく似ているような気がしました。

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