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セゾン投信定期積立経過報告

kage

2017/05/27 (Sat)

またまたご報告が大変遅くなりましたが、5月23日(火)はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの定期積立約定日でした。そこでいつものようにセゾン投信設立時から同一金額の定期積立のみを行っている(=定期積立の増額やスポット買いを一切行っていない)私の運用成績を公開させていただきます。

<ご参考>セゾン投信設立時より定額で定期積立のみを続けた場合の指数
●個別元本 : 9,410円 (先月比24円上昇)
●約定価額 : 13,559円 (先月比577円上昇)
●騰落率 : +44.1% (先月比5.8%改善)


先月の月次報告を書いた4月22日当時の世界経済は、時ならぬ地政学的リスクの高まりにより一時的なリスクオフムードに覆われておりました。あれから1ヵ月余りが経過した現在、ご承知のとおり世界経済を取り巻く環境は依然として不安定であり、相変わらず悲観(リスク・オフ)と楽観(リスク・オン)の間を揺れ動いています。しかしながら世界経済の代表的な存在である米国の株価は、降って湧いたような「トランプ・リスク(ロシア・ゲート疑惑)」をものともせず、NASDAQ総合指数とS&P500指数は史上最高値を更新し、ダウ平均株価も史上最高値圏に戻ってきました。このためご覧のとおり今月の約定価額は先月より577円も高い13,559円となり、私個人の運用成績を示す騰落率も先月より5.8%改善して+44.1%となりました(ちなみに金曜日の基準価額13,657円で計算した現時点の騰落率は+45.1%です)。今年の相場展開について私は漠然と「典型的なSell in May(5月に売れ)相場になるのではないか?」と予想していたのですが、現時点では大外れで自らの相場観のなさを潔く認めざるを得ません。もっとも5月相場は週明け月・火・水と3営業日残っていますの、「まだまだ結果は下駄を履くまでわからない」と諦めの悪い負け惜しみを言っておきましょう。

さてここで視点を国内の株式市場に転じてみますと、3月決算企業の本決算発表がようやく一段落したわけですが、その結果に一喜一憂された個人投資家も多いのではないでしょうか?(もちろん私もその一人です。)特に大企業の決算に関しては投資家に限らず社会の関心も高く、連日マスコミを賑わせていたことがまだ記憶に新しいところです。その中にもしかするとセゾン投信の将来を大きく左右することになるかも知れないニュースがあったのですが、セゾン号に乗り合わせた受益者の皆さんはお気付きになられましたか?それはズバリ日本郵政の決算であります。ご承知のとおり、セゾン投信に40%出資している日本郵便は日本郵政の100%子会社ですので、日本郵政の動向が巡り巡ってセゾン投信に影響を及ぼすことも十分にあり得ることでしょう。その日本郵政が5月15日に発表した2017年3月期連結決算は、最終損益が289億円の赤字でした。ちなみに赤字転落は民営化後初めてです。その最大の要因は2015年に買収したオーストラリアの物流会社トール・ホールディングスの業績悪化により4,003億円の特別損失を計上したことでした。特別損失の具体的な内容はいわゆる「のれん代」や有形固定資産の減損損失計上とのことですが、これを投資家目線で分かりやすくザックリと表現するならトール・ホールディングスの買収が典型的な「高値掴み」だったということでしょう。

この決算発表を受けて、本来なら各マスコミで「日本郵政、民営化後初の赤字に転落」という見出しが踊るはずです。しかし、現実は違っていました。それは決算発表の直前に「日本郵政が野村不動産の買収を検討」というビッグ・ニュースが報じられたためで、実際に決算発表会見の席上でも記者の質問は赤字転落よりこの報道の真偽を確かめるものばかりだったとのこと。私はハイリスク投機家特有の悪い癖で何事も裏の裏を読もうとしますので、「もしかするとこの買収検討報道は赤字転落のインパクトを軽減するために日本郵政が意図的に流したリークか?」とも考えました。しかし冷静に考えて日本郵政がそのような高等戦術を使えるとも思えませんので、おそらく本気で野村不動産の買収を検討しているのでしょう。ご承知のとおり日本郵政傘下の事業の中でも郵便は若者の郵便離れもあり構造的な赤字体質ですし、これまで稼ぎ頭だったゆうちょ銀行も日銀のマイナス金利政策の影響を受けて減収となっていますので、新たな収益源として不動産事業に着目したのかも知れませんね。

日本郵政と不動産事業は一見無関係のようにも思えますが、実は過去に不動産開発事業で成功した事例があります。それは東京駅の丸の内南口を出ると目の前に見える商業施設「KITTE」です。下記は先日私自身が所用で東京駅を訪れた際に撮影したKITTEの写真で、実際にはこの後ろに「JPタワー」という超高層ビルがそびえ立っています。東京駅前で、しかもはとバス乗り場の向かい側ということもあり、立地条件は間違いなく最高といえるでしょう。

KITTE

この成功を受けて、昨年は名古屋と福岡にもKITTEが展開されました。この分野を新たな収益源に据えるという考えは方向的には決して間違っていないと私も思います。しかしこの買収には多くの不安要素があることもまた事実でしょう。まず何より豪トール・ホールディングスの買収で「大失敗」した日本郵政が今度も「高値掴み」をしてしまうのではないか?という心配が払拭できません。また野村不動産が得意としているのはマンション開発(プラウドブランドで有名ですね)であり、果たして商業施設開発で買収効果を得られるのか?という疑問も浮かびます。もっともこれは駅から少し離れた郵便局や社宅をマンションに建て替えるつもりなのかも知れませんが。さらに言えばこれらの不動産物件は元を正せばすべて国有地であり、郵政民営化で自らの所有物になったからといって開発に乗り出すのは民業圧迫ではないか?という批判もあります。ただそれを言うなら日本郵政傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命こそが民業圧迫の双璧であり、今はそんな批判に耳を傾ける余裕など日本郵政にはないのでしょうね。

ここまでセゾン投信とは直接関係ない話題を延々と書き連ねてきましたが、一連の報道から私の脳裏に浮かんだのは「もしかして投資下手は親子共通なのかも」という思いでした。私はセゾン投信の受益者として日本郵便の出資は誠にありがたいと思っています(セゾン投信の経営基盤が強化されますので)。しかし一方でもし自分が日本郵政の株主だったら、果たしてこの出資を正当化できるだろうか?という疑問も払拭できません。実際にセゾン投信との資本業務提携は日本郵便にどの程度の出資効果をもたらしているのでしょうか?私は両社の内情を詳しく知る立場にはありませんが、もし自分が日本郵便の投資担当者で、自社か親会社の偉い人から「セゾン投信への出資効果を詳しく説明してくれたまえ」と言われたら困るだろうなという想像はできますので。そこで私が具体的に想定するリスクは、日本郵政の買収失敗のとばっちりを受ける形で日本郵便がセゾン投信から手を引くことです。そこで40%の出資分をクレディセゾンがすべて引き受けてくれるのならセゾン投信の経営基盤が揺らぐこともないのでしょうが、私が心配するのは意に沿わぬ相手に渡ってしまうことです。相手次第ではセゾン投信が創業以来頑なに貫き通してきた顧客第一の理念が揺らぎかねませんので。

2014年10月25日付の「ツッコミが甘い」で私は、セゾン投信から資金を引き揚げる条件として下記の3つを挙げました。この気持ちは今もまったく変わっていません。もし日本郵便の出資分40%が意に沿わぬ相手に渡ってセゾン投信の経営理念が揺らいだと判断した時には、迷うことなくセゾン投信から資金を引き揚げます。

・セゾン投信が設立当初の理念を失ったと判断した時。
・中野社長が解任された時。
・受益者の利益より株主の利益が優先された時。


インデックスファンドの過度とさえ思えるコストダウン競争によりセゾン投信の価格優位性は完全に失われました。言うまでもなくあえて高コストのファンドに投資する経済的合理性はありません。それでも私がセゾン投信の応援を続けている理由は、もしセゾン投信がなくなれば日本の運用業界から良心が失われると本気で思っているからです。願わくばこれからもずっと上記条件が満たされることがありませんように。

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