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アクティブとインデックスの境界線

kage

2017/03/09 (Thu)

かねてより当ブログでは「インデックス運用も広い意味ではアクティブ運用である」という主張を展開しております。その根拠はインデックス指数を決めているがアクティブ投資家であるという厳然たる事実に他なりません。すなわちインデックス指数は理論上の適正価格を平均したものなどではなく、バブルの熱狂に踊りバブル崩壊の大混乱に狼狽するアクティブ投資家が決める平均点なのですから、インデックス運用もアクティブ運用の一種だろうという論理です。ですから今回のタイトルに掲げた「アクティブとインデックスの境界線」についても、「そんなものは存在しない」というのが当ブログの結論となります。しかしそれではこのエントリーもここで終わってしまいますので、もうしばらくアクティブとインデックスの境界線を探る机上の空論にお付き合いください。

事例1:個別株とTOPIX

最初の事例はとても分かりやすいですね。すなわち、前者に投資するのがアクティブ運用であり後者に投資するのがインデックス運用というわけです。しかしここでちょっと考えてみてください。TOPIX(東証株価指数)を投資先に選んだということは、投資対象を東証1部上場銘柄に限定したということですよね?さらにTOPIXには時価総額の大きい大型株の影響を強く受けるという特徴がありますので、時価総額1位のトヨタ自動車や同2位の三菱UFJフィナンシャル・グループを重視する投資方針を採用したことにもなりませんか?これがアクティブ運用とどう違うの?というのが私の素直な疑問です。とはいえ東証1部銘柄は2千以上もありますので、個別銘柄投資とは大違いであることもまた事実です。そこで次はこのような事例を考えてみましょう。

事例2:ファーストリテイリング株と日経平均株価

ご承知のとおり日経平均株価の構成銘柄数は225です。さらに日経平均株価にはファーストリテイリング・ファナック・ソフトバンクなど値がさ株の影響を強く受けるという特徴があります。こうなると前者と後者の距離がかなり近いことがお分かりいただけるでしょう。そこで次はこのような事例を考えてみました。

事例3:トヨタ自動車株とTOPIX Core30

TOPIX Core30(トピックス コア30)は、東証1部銘柄の中で特に時価総額と流動性が高い30銘柄で構成された株価指数です。聞き慣れないTOPIX Core30という指数ではピンとこないという方は、アップル株とダウ平均株価に読み替えていただいても結構です(ダウ平均株価の構成銘柄数も30ですから)。こうなると単に投資する銘柄数が1つなのか30なのかの違いだけのように私には思えるのですが、それでも前者に投資するのがアクティブ運用で後者に投資するのがインデックス運用という風に明確に区別されるのでしょうか?もし仮にTOPIX Top10(構成銘柄数10)というような指数があったとしても、両者の間には明確な境界線が引かれるのでしょうか?

事例4:外国株に投資するインデックスファンドと同じファンドの為替ヘッジあり

次の事例は少し視点を変えてみました。比較対象はどちらもインデックスファンドです。しかし後者を選んだ投資家は自分の意思で為替ヘッジを付けるという判断をしたわけで、これはアクティブ運用にならないの?というのが私の素朴な疑問です。同じような視点で下記の事例も考えてみてください。

事例5:毎月自動積立投資と毎月自力積立投資

前者と後者の違いは買付日を自分で決めるかどうかです。後者は購入日を自分で選んだ時点で「安く買いたい」という投資家の意思が反映されるわけですから、これはもうアクティブ投資そのものではありませんか?

事例6:さわかみファンドとTOPIX

最後の事例は私が意図的に選んだ象徴的な比較です。独立系投信のパイオニア的存在であるさわかみファンドは組み入れ銘柄が増えるに従って値動きがTOPIXに近付き、「コストの高いインデックスファンドだ」と揶揄されるようになりました。論より証拠でいつものようにYahoo!ファイナンスからお借りしてきた過去5年間の比較チャートをご覧ください。

さわかみファンド5年チャート

青:さわかみファンド
赤:TOPIX


いやーホントに見事なまでの連動性ですね。この結果だけを見るとアクティブとインデックスの境界線がどこにあるのかよく分からなくなります。裏を返せばアクティブとインデックスの差など所詮この程度なのですよ。投資に関心のない人から見れば、アクティブ投資家とインデックス投資家の論争など表現は悪いですが「目くそ鼻くそを笑う」ようなものなのでしょうね。私に言わせればインデックス投資家であってもリスクを取って投資をするという決断をした時点で全員が「アクティブな投資家」です。以上、同じ投資をする仲間が細かい手法や戦略の違いで対立するのは馬鹿馬鹿しいとは思いませんか?というのが本エントリーの主旨でありました。

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