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山崎バズーカ第六弾炸裂

kage

2017/01/22 (Sun)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ねて第六弾となりました。今回も前回と同じように、1月21日(土)に生放送された「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)に山崎さんがご出演され、期待通りのバズーカ級発言の数々を炸裂させてくださいましたので早速ブログネタにさせていただきます。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は前回と同じく、ジャーナリスト・ノンフィクション作家の町田徹さんでした。前回のコンビが好評だったのでしょうか?前回のエントリーにも書きましたが、お二人はプライベートでも親交がおありとのことで、生放送中の息もピッタリ合っていました。ですから発言の流れを切らないよう、今回は町田さんの発言もできるだけ拾うように心がけております。そういう意味では本エントリーのタイトルも「山崎&町田バズーカ」にすべきだったかも知れませんね。

それでは今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で多少言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

今週の主な話題リストにあった「トランプ 米大統領就任」について。

山崎さん:(トランプ米大統領の暴言・放言は)ある意味でプロレスのマイクパフォーマンスのようなもの。何かを変えるためには議会が法案を通さなければならない。トランプ米大統領はタレントで、へんちくりんな暴言・エロおやじ(だと思えばいい)。重要なのは与党・共和党が議会でどう動くかで、トランプ大統領の言動全部にいちいち反応する必要はないのでは?という気がしている。

引き続き山崎さん:個人的に気になっているのは私自身が東京に住んでおり息子が私立高校に進学する可能性もあるので「都 私立高校生への支援拡充」の話題。都は年収760万円未満の世帯を対象にするという所得制限を設けている。これは経済学的にはあまり効率がよくない。例えば年収770万円の世帯が意図的に年収を抑えれば実質的に得をするという変なことが起こるし、小さい会社であれば対象になる期間だけ所得を抑えてもらいその差額を後になってボーナスでもらうというやり方もできるだろう。年収900万円の家庭は豊かなのか?といえば、子供がたくさんいれば違うかも知れない。そういう意味で所得制限はいいものではない。一律に支給してお金持ちからは税金をたくさん取る方がいい。給付金に所得制限を付けるやり方は政治家には受けがいいが、経済の観点から見ればあまり効率は良くない。(制限を設けると)制度が複雑になるので官僚が仕事作りをしているという側面もあるのだろう。制度の簡素化という意味でも現行案には賛成しかねる。

町田さん:山崎さんが(給付金を)もらいにくくなるからということですよね。(一同爆笑)

山崎さん:(笑いながら)そういうことになりますね。でも子供が高校生になる頃に年収が760万円以上あるかどうかは分かりません。

番組MCの田村淳さん:あるでしょうよ。

町田さん:真面目な話をすると、そもそも日本の所得税は(高所得者ほど税率が高い)累進課税制度になっている。それなのにあらゆる場面であなたは所得が高いからと言われてもらえなかったり取られたりして全然公平ではない。そこは均して見なければ。しかしそのようなデータを官僚は出さない。

田村淳さん:有権者の反応はどうなんですか?

山崎さん:一律給付は金持ち優遇にも見えるので所得制限付きの方が政治的には受け入れられやすいのだろう。ただ私立高校への支援拡充は小池さん(都知事)が私立高校関係者に対して手を打ったようにも見え、政治的な臭いもある。

今週のキキタイ、テーマは「本当はトランプ大統領より怖い?私たちの『消費』から日本経済を考える」。

将来不安でお金を貯めることを優先するという番組レギュラー出演者の鈴木奈々さんに対して田村淳さん:でもお金を貯めるばかりでは経済が回らないですよね?

山崎さん:お金を貯めなければならないのか?それとも社会のために使った方がいいのか?と問われると、今の日本で個人の立場で考えると貯めなければならないだろうなと思う。年金は徐々に縮小していくし、いろいろなものの負担率は上がっていく。しかも日本人の寿命は伸びている。将来に必要なお金はケースによって違うが、例えば厚生年金のあるサラリーマン世帯が老後に30年間現役時代の7割水準の生活をする想定では現在の可処分所得の2割程度を貯蓄する必要がある。フリーランスであれば3割程度を貯めなければならない計算になる。ただし定年を65歳から75歳に先送りして老後期間を短くできれば計算も変わってくる。いずれにせよ現状より多く貯蓄が必要でより長く働かなければならないのが世の中の流れ。しかも自分の老後の面倒は自分で見ろよ、自己責任だぞ、という傾向がますます強まっている。しかしもしかするとこの流れは日本人向きではないかも知れない。税率はさらに高くなってもフィンランドやスウェーデンのように社会保障が充実しているので老後も安心だという形の方が日本人に向いているような気もする。しかし現実は逆の方向に進んでいる。(鈴木奈々さんを指しながら)このようないかにもお金をパッと使ってくれそうな人が将来不安を感じるのはもしかすると世の中の設計が悪いのかも知れない。

町田さん:非正規雇用の増加など構造的問題もあるが、消費が増えない一番の理由は所得が減っていること。2000年と比べて2015年の所得は月額で34,000円ほど減っている。同様に月額の支出を比べると29,500円ほど減っている。つまり給料が減った分だけ消費を減らさざるを得ないということ。だからこそどういう形であれ給料が増える構造改革をやらない限り消費は増えない。アベノミクスのスローガンにある「長時間労働の是正」とか「同一労働同一賃金」のような訳の分からない抽象的なことを言っていてはダメなんです。「給料を上げる」ということをストレートに出していかないと。

田村淳さん:山崎さんはどうすれば給料が上がるとお考えですか?

山崎さん:簡単には上がらないですね。もう少しデフレではない状態にしなければならないので現金を均等に配る必要がある。実現可能と思われる案としては国民年金の保険料を全額政府負担にすれば(筆者注:現状は50%国庫負担です)現在の自己負担額月額16,260円が現金で手元に残ることになる。給付額を変えなければ高齢者も文句を言わない。ただし政府負担額が増える分だけ財源が必要になるので当面は国債を発行して日銀に引き受けさせればデフレ対策にもなり一挙両得。もちろん将来は増税が必要になるが、今は均等にお金を配ってインフレの状態を作ることが大切。サラリーマンも厚生年金を通じて国民年金保険料を支払っているので全額政府負担になれば手取り収入が増える。現状では国民年金保険料を払わなければ将来年金がもらえず生活保護を受けることになり結局政府負担が増える。であれば全額政府負担にして国民は必ず年金がもらえる制度にして(国民に)現金を回してあげればいい。

田村淳さん:財源が不安ですが何とかなりますか?

山崎さん:何とかなると思います。

町田さん:いやその財源は難しいと思います。いずれは増税が必要になるのでその分可処分所得が減る。どこかにツケが回る。ではどうすればいいか?最近経済格差を示す実例として世界で最も裕福な8人の資産額(約48兆7千億円)が世界の経済的に恵まれない36億7,500万人(資産下位50%)の資産額と同じであるという調査結果が発表された。ここで考えていただきたい。そういう資産家に税金を課す。資産課税でガンガン取る。8人のお金を取ってきて36億7,500万人にばらまく。これで経済を刺激する。

田村淳さん:でもその8人は金にモノを言わせて圧力をかけてくるのでは?

町田さん:税金には貧富の格差を縮小するために富の再分配という機能がある。しかし特定の8人を名簿に載せて、この8人から税金を取るというやり方はできない(やってはいけない)。しかしある一定以上の資産を持つ人から取るというやり方なら許される。でも資産家の抵抗は大きいだろう。

山崎さん:資産家が国外に出てしまうかも知れない。国民年金保険料を免除すれば高所得者の負担能力が上がりもっと税金が取れるという側面もある。負担だけを考えると「財源に20兆円近く必要だろう」という話にすぐなりがちだがばらまいた分だけ課税を強化できるので再分配をシンプルにやっていると考えることもできる。だから財源は案外心配ない。

田村淳さん:そんな大胆な政策を打ち出す人(政治家)は出てこないだろうし、僕たちはどうすればいいんですか?堪え忍ぶしかないんですか?

町田さん:経済成長率がほとんどゼロに近い現状では潜在成長率を上げる以外ほとんど根本的な解決にはならない。そのためには生産性の向上など地道な努力は必須になってくる。それでも先進国の成長率は落ちていくのでそことのせめぎ合いは背負っていかなければならない。

山崎さん:技術を上手に使おうということはある。技術を使って生産性が向上した分を上手に再分配しなければならない。

田村淳さん:国民は消費をしたくても将来不安でできない。企業も利益を上げているが将来不安で内部留保を増やして賃上げや設備投資にお金が回らない。

山崎さん:ROE(自己資本利益率)重視の今の政策では内部留保を自社株買いに向かわせる。ROEを上げるためには賃金を抑えて自社株買いをすればいい。安倍政権が掲げる「長時間労働の是正」についても企業は「これで残業代を減らせるな」と思う。

ここで番組アシスタントの阿部哲子さんから「こんなにあった『2020年問題』」の説明。
・オリンピック特需の終了(雇用環境や住宅価格の悪化懸念)。
・人口減少(生産年齢人口[15~64歳]が本格的に減少)。
・東京集中(消滅可能性自治体が全国の約1/2『896自治体』に上る)。
・20~39歳の女性人口が2010年~40年の間で半数に。


田村淳さん:こんな暗いニュースをよくハキハキと読めましたね。

山崎さん:そんなに悪くなる一方なのかな?という疑問もある。一人当たりの使えるお金は増えるかも知れない。一方で面倒を見てくれる人が減るだろうが、例えばロボットを使うとかAIほど大げさでなくともコンピュータを使うとかで生産性の向上は可能なのでそれを上手に分配していけばいい。もちろん国民が日本全国に分散して住んでいると非効率なのである程度都市に集中する必要はあるだろう。高齢化しても昔の高齢者よりは元気なのでまあ上手くやれるんじゃないのかなとも思う。人数は減ってもみんなでしみじみ仲良くしようよということ。仲良くしなければいけない。

特集のテーマは「人工知能・AI技術の普及で仕事が奪われる!?」。

町田さん:13年後の2030年にAIが日本のGDPを50兆円ほど膨らませて600兆円に迫らせるという民間シンクタンクの試算がある。ただしAIが増やす新規雇用500万に対してAIで不要になる雇用が770万あり、差し引き270万の失業が発生する。過去に産業革命で人類は同じような経験をしている。産業革命による生産性向上は歴史上評価されているが英オックスフォード大学の研究者によるとその生産性向上が賃金上昇につながるまで80年かかっている。パソコンの仕事への普及にも20年ほどかかっている。AIでもこのようなタイムラグは必ずあるので、AIの普及で良い思いをする人と直撃を受けて不幸になる人が出てくる。それを解消するにはそれなりの時間がかかるだろう。AIが入ってきそうな仕事であればAIを活用して自分の価値をいかに高めるかを常に考えておく必要がある。

山崎さん:全体としてはAIで生産効率が向上する。しかしAIを保有している人や活用できる人のところに利益が集中してしまう。そこから弾き出された人は最低賃金レベルに近付きやすくなる。だからこそ再分配が大事になるし、職業では対人サービスが重要になる。(人間が)モノ作りや事務作業から解放された結果、お互いの暇つぶしに貢献できることが人間の価値になるかも知れない。例えば鈴木奈々さんのようなタレントさんはものすごく価値の高い職業になる可能性がある。一方でAIを使える人と使えない人の格差が拡大するだろう。例えばAIを使える弁護士と使えない弁護士がいたとして、使える弁護士は100倍仕事ができる状態になった時に使えない弁護士は非常に厳しい。現在チェスではすでに人間がAIに勝てないが、最強なのは人間(必ずしも上級者である必要はない)がAIを活用する組み合わせ。そういう意味でAIを上手に使う人になるかどうかが極めて重要。弁護士になるにしても医師になるにしてもそれによって差が付いてくる。人間の仕事が完全にAIに置き換わる前にその中間の時代が結構長くなるのかも知れない。もし今学生ならまずAIのプログラミングをできるようになった上で別の専門分野を持つと良いだろう。

鈴木奈々さん:AIが普及すると人間の頭の働きが悪くならないですか?

山崎さん:確かに電卓が普及して暗算の能力は落ちたかも知れない。しかし電卓を使いこなすことによりトータルでできる仕事は増えているのだからそんなに心配することはないと思う。

町田さん:(番組で流れたVTRで)銀行の融資業務がAIに奪われる可能性が高いとあったが、融資の申込者が基準に適合しているかどうかはAIに判断できても嘘を言っているとか人間性を判断するのはまだ人間の仕事。組み合わせて使うようになる。従ってAIを使えない人は当然使える人より出世は遅くなるし、給料も下がりますよということ。

山崎さん:「金を貸してくれと言う人に金を貸してはいけない」というのが金融業の基本ですもんね(筆者注:「銀行は晴れた日には傘を貸して、雨が降り出すと取り上げる」とも揶揄されます)。

町田さん:だから金融機関は嫌われるんですよ。

山崎さん:新銀行東京は自動審査のようなことをやり過ぎでアッと言う間にダメになった。

「どうすれば貯金できるようになりますか?」という視聴者からの質問に対して。

町田さん:給料の残りを貯金しようと考えていてはダメ。給料をもらったらまず貯金をして残ったお金で生活する。これは私が新聞記者一年生の時に教わった。その後三十数年間実践できていない。できていないがそうすればお金が貯まると聞いている。

山崎さん:まさにそのスタイルが王道だが、まず一度自分が使えるお金をすべて現金で管理してみることをお勧めしたい。クレジットカードなどを使うとダラダラとお金を使ってしまうので。例えば1ヵ月に20万円使えるとしたら、給料日にまず10万円を引き出す。それで生活して半月経たない内に使い切ってしまえば使い過ぎだと分かる。そして残りの期間でやり繰りする内にお金の使い方が分かってきて貯金できるようになるかも知れない。

以上、今回の「山崎&町田バズーカ」の数々はいかがだったでしょうか?個人的には町田さんが格差解消のために資産課税を提案されたことが印象に残りました。ご承知のとおり、現在の税制では不動産や自動車などの固定資産に対する課税はありますが、預貯金や有価証券などの流動資産を保有しているだけでは課税は行われていません。ただし現在凍結中とはいえ厚生年金基金(企業年金)や確定拠出年金の資産総額に対して課税するあの悪名高き特別法人税は紛れもない資産課税の仕組みですので、「固定資産税」ならぬ「流動資産税」の誕生もあながちあり得ない話ではないでしょう。当ブログでは過去に何度も懸念を表明していますが、この国でこのまま投資への理解が進まなければいずれ「投資など金持ちの道楽なのだからガンガン資産課税せよ!」という世論が盛り上がることになりはしないでしょうか?それなら現金を自宅の金庫に入れる「タンス預金」で自己防衛するまでだ!とお考えの方もおられるかも知れませんが、近い将来にはそれさえもできなくなるかも知れませんよ。例えば紙幣や貨幣がすべて廃止されたらどうでしょう?支払いは電子マネーやクレジットカード・デビットカードなど、あるいは欧米のように個人が振り出す手形や小切手のみとなり、マイナンバー制度と合わせて個人の保有資産額は当局に完全把握され逃げも隠れもできません。そうなると山崎さんご指摘のとおり、もはや海外脱出しか手段はないのかも知れませんね。とはいえ、その時に残りの人生を遊んで暮らせるほどの資産があればいいのですが、そうでなければ簡単に海外脱出もできません。

特集のテーマであった「AI」についてもいろいろと考えさせられました。この話題については今月8日付のエントリー「新年会」でも触れておりますが、やはりいかにAIを使う側に回るかが重要になりそうですね。おそらくAIの発達と普及は不可避だと思われますので、私たちは好むと好まざるとに関わらず産業革命規模の社会変革に直面することになるでしょう。その時にAIを使えるか使えないかが大きな差になることは疑いようもありません。そうは言ってももう人生の折り返し点を過ぎてしまった私のようなおじさん世代はいったいどうすれはいいのでしょうか?残念ながら私の脳裏には、まずはアップル社の「Siri」やマイクロソフト社の「Cortana」などのコミュニケーションツールを使ってみるという方法くらいしか思い浮かびませんでした。いずれにせよAIが私たちのライフスタイルを劇的に変えていくであろうことだけはあらかじめ覚悟しておく必要がありそうですね。

山崎バズーカ第七弾の炸裂がいつになるのかは分かりませんが、実現したらまたブログネタにさせていただきますのでどうぞお楽しみに。

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