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投資初心者にセゾン投信はおすすめできない?

kage

2016/06/19 (Sun)

本エントリーは昨日書いた「結果にコミットする」の続きです。昨日のエントリーの最後に私は“続きは来週更新予定の「セゾン投信定期積立経過報告」をご覧ください”と書きましたが、来週まで待つのがもどかしいという気持ちをどうしても抑えることができず、こうして独立したエントリーにしました。

昨日も書いたとおり、私がセゾン投信に対して抱えている不満とは私が勝手にセゾン投信から受益者に向けたコミットメントであると理解している信託報酬の引き下げがいまだに実現していないことです(ただしバンガード社由来のコストダウンは除く)。そうこうしている内にファンド業界はインデックスファンドを中心にコストダウン競争が激化し、セゾン投信が運用する両ファンドのコストは相対的に割高感が増大してしまいました。論より証拠でセゾン投信の公式サイトに掲載されている両ファンドのコストを以下に引用してみましょう。皆さんはこの水準を客観的に見て安いと思われますか?

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 年0.69%±0.03%(税込/概算)

セゾン資産形成の達人ファンド 年1.35%±0.2%(税込/概算)

順番は前後してしまいますが、まずセゾン資産形成の達人ファンドのコストから検証してみましょう。同ファンドはアクティブファンドですので比較対象は私自身が現在も保有を続けているひふみ投信と過去に保有していたさわかみファンドとします。なお以下に示す数値もすべてそれぞれの公式サイトに掲載されている信託報酬を引用させていただきました。

ひふみ投信 年1.0584%(税抜年0.980%)

さわかみファンド 年率1.08%(税抜年率1.00%)

ご覧のとおりセゾン資産形成の達人ファンドの信託報酬はひふみ投信やさわかみファンドと比較して明らかに割高です。それでもアクティブファンドなら高コストを相殺して余りある圧倒的なパフォーマンスを残してくれさえすれば何も文句はありません。しかし「SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>」でご紹介したとおり、セゾン資産形成の達人ファンドの実績は辛うじてTOPIXには勝っている程度であり、私個人の印象としては支払うコストに見合った運用成績とは到底思えません。

それでは次に私自身も毎月積み立て投資を継続しているセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのコストを検証してみましょう。比較対象には同ファンドと同じようなコンセプトで運用している世界経済インデックスファンドと、運用コンセプトは少々異なりますがeMAXISシリーズからeMAXISバランス(8資産均等型)を選びました。

世界経済インデックスファンド 年率0.54%(税抜0.5%)

eMAXISバランス(8資産均等型) 年率0.54%(税抜 年率0.5%)

ご覧のとおりセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドも世界経済インデックスファンドやeMAXISバランス(8資産均等型)と比較して明らかに割高です。さらに同じ株式対債券比率50:50のバランスファンドではこのようなファンドもあります。

三井住友・DC年金バランス50(標準型)(愛称:マイパッケージ) 年0.2484%(税抜き0.23%)

ちなみにこのファンドは名称に「DC年金」が入っていますが、私のメイン口座であるSBI証券では特定口座やNISA口座で売買可能です。ただし国内比率70%(国内株35%+国内債券35%)という独特の資産配分にはご留意ください。

このようにセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのコストはもはやお世辞にも安いとは言えない現実に目を背けて、商品案内に堂々と「低コスト」と書くことはセゾン投信が示す運用会社の矜持(詳しくは「セゾン投信が示す運用会社の矜持」へのツッコミをご参照ください)としてどうなのよ?というのが私の偽らざる感想です。

ここで「山崎バズーカ第二弾炸裂」でご紹介した経済評論家・山崎元さんのコメントから、コストに関するものをいくつかご紹介しましょう。

ハッキリ言えば金融機関が取る手数料が小さい方がいい。例えば同じ株式に投資する金融商品で手数料に差があれば儲かった時は手数料の差だけ儲けが少なく損をした時は手数料の差だけ損が大きくなる。手数料の差は必ず不利になる。

日本には5千本以上の投資信託があるが手数料を考慮すれば99%は最初から考える必要はない。ごく少数の金融機関の取り分が少ないシンプルな商品を選べばよい。リスクを取りたくない人なら個人向け国債変動金利10年型。リスクを取ってもよい人なら日本株のインデックスファンド(TOPIXに連動するETFが良い)、外国株に連動するインデックスファンド。この3つだけを覚えておけばよく、後の余計なことは考えなくてよい。

確定拠出年金の中でもこれにあてはまるものを選んでいく。率直に言って確定拠出年金の中にも金融機関が儲けようとしている高手数料の地雷のような商品が混ざっている。これを踏まないようにすることが大事。運用管理手数料が年率0.3%以上かかるような商品は地雷。あるいは「ターゲットイヤー型」とか「バランスファンド」とか怪しげな名前が付いている商品も地雷。

山崎さんのお言葉をお借りするまでもなく、金融商品における高コストは絶対悪です。それでもアクティブファンドであればまだ「絶対悪ではない、必要悪だ!」と強弁することも可能かも知れません。しかし、ことインデックスファンドに関しては絶対悪だと断言して間違いないでしょう。さらに山崎さんのご指摘は単純明快です。金融商品はシンプル・イズ・ベストであり、高コストの商品はもちろん「ターゲットイヤー型」とか「バランスファンド」とか怪しげな名前が付いている商品も地雷なので始めから検討する余地なしだと。この「山崎理論」に従うとセゾン投信が運用する両ファンドも完全に地雷認定されてしまうわけですね。この「山崎理論」をハイリスク投機家の私が投資初心者向けに噛み砕くことをお許しいただけるなら、こうなります。

手間を惜しむな、コストを惜しめ。

ご承知のとおり昨今のインデックスファンドを中心にしたコストダウン競争激化により、現状では各アセットクラスごとに低コストインデックスファンドを組み合わせればバランスファンドよりかなりのコストダウンが可能になります。少し前まではコストを極限まで抑えるならゴールは投資初心者にはかなりハードルが高い海外ETFしかないという風潮もありましたが、インデックスファンドのコストがここまで下がればもはや海外ETFは投資上級者が集まる趣味の世界と考えて差し支えないでしょう。すなわち今は投資初心者でも簡単にインデックスファンドを組み合わせて低コスト運用ができるという少し前までは考えられなかったような恵まれた投資環境にあるのですから、投資初心者はまずこのメリットを最大限生かすことを考えるべきであろうと私は思います。

突然ですがここで昔話を一席。昔々マネックス証券にマネックス資産設計ファンドという名の投資信託がありました(今もありますが)。登場した当時(設定日は2007年1月26日)はまだ信託報酬が年1%を切るバランスファンドは珍しく、たちまち個人投資家の注目を集めることになりました。ところがしばらくすると、このファンドが某ネット巨大掲示板で「パトラッシュ」という愛称で呼ばれるようになったのです。「パトラッシュ」とはもちろん日本アニメ不朽の名作「フランダースの犬」に登場する犬の名前です。それではなぜマネックス資産設計ファンドが「パトラッシュ」と呼ばれるようになったのでしょうか?それは主人公ネロ最期の言葉「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ…。」に由来するものでした。すなわち「理想の投資法を求めていろいろなファンドを試した個人投資家が試行錯誤に疲れ果ててたどり着いたコストもリターンもそこそこの天国」という意味だったのです。

私は今でもこれこそ個人投資家がバランスファンドにたどり着く理想のコースだと考えています。すなわちいろいろと試してみた結果、自分は投資に手間を掛けられないという結論に至った個人投資家が、コストもリターンもそこそこでいいと納得の上で選択するのがバランスファンドというわけです。こうして納得の上で選んだバランスファンドであれば、決して安くないコストや決して高くないリターンにも文句はないでしょうから。それにバランスファンドにたどり着くまでの経験は後々の運用に必ず生きてきますから、決して無駄にはなりません。ですから私は、特に長期投資を志す初心者こそまずはコスト重視で運用を始めていただきたいと考えています。これが本エントリーのタイトル「投資初心者にセゾン投信はおすすめできない?」の理由でありました。

実際にハイリスク投機家を自認する私がセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを選んだのも「投機に忙しいので長期投資にまで時間を割いていられない」という思いからでした。それに設定当時(設定日は2007年3月15日)は憧れの米バンガード社のファンドに投資できる商品としてコスト競争力もありましたしね(現実は競合相手が高コスト過ぎたのですが)。あれから9年以上も積み立て投資を継続してきましたが、正直なとこといよいよ私の不満も限界点に近付きつつあります。それならセゾン投信とはスッパリ縁を切ればいいではないか。以前「ファンドとの付き合い方」に書いたことと言行不一致だ。とお叱りの声もあるでしょう。しかしそう簡単に縁を切れない理由もそれなりにあるのですよ。そのことについては今度こそ週明け更新予定の「セゾン投信定期積立経過報告」をご覧ください。

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