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資産運用のこれから

kage

2016/01/11 (Mon)

前回のエントリーでは資産運用を取り巻く環境の過去から現在までを再確認してみました。そこで今回は引き続きその未来について考察してみたいと思います。もちろんしがないハイリスク投機家に過ぎない私などに資産運用の未来を正確に予想できるはずもありませんので、これから書く内容は単なる私の妄想(あるいは杞憂)に過ぎないことをあらかじめご承知置きください。

私個人としては「資産運用のこれから」を考える上で最も注意すべきは株式ではなく債券だと思っております。その理由については昨年12月17日付の「ひふみ投信定期積立経過報告」に以下のように書いておりました。

少し前に夏場の世界同時株安でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が巨額の運用損失を計上したことが報じられ、「国民の大切な年金を博打(ばくち)に使うな!」というご意見も耳にしました。それでは以前のように国内債券の比率を増やせば安心なのでしょうか?私にはとてもそうは思えません。何故ならご承知のとおり日本国債は日銀が異次元緩和でジャンジャンバリバリ買いまくっており、価格形成を激しく歪めているのですから。先日は日銀の国債保有額がメガバンクの保有額を超えるという報道もありました。このような状況で日銀と一緒になって(表現は悪いですが)能天気に国内債券を買うことこそ、私の目には博打(ばくち)に映ります。今回の原油安を発端としたプチ波乱で米国のジャンク債(日本ではハイイールド債という名称の方が有名ですね)が暴落していますが、もし日銀が「国債の買い入れを止める」と発表したら国内債券市場はいったいどうなるのでしょうか?もちろん何も起こらない可能性もあります。しかし私は国内債券の安全資産神話は崩壊の危機にあると思っています。



下記は「ぱらっとチャート」というサイトからお借りしてきた日本国債10年もの金利の長期チャート(1988年から現在まで)です。ご覧のとおりバブル時のピークからほぼ一貫して右肩下がりを続けています。

日本10年債利回り推移

日本の長期金利(=10年国債金利のこと)がこのような軌跡をたどった理由は言うまでもなくバブル崩壊後にわが国を長きにわたって苦しめたデフレ時代「失われた10年」とも「失われた20年」とも表現されます)があります。ご承知のとおりデフレとは物価が下がり相対的に通貨の価値が上昇する状態のことですので、投資環境としては「国内債券最強」時代が長く続きました。その後アベノミクスの発動により日本もようやくデフレ脱却の糸口を掴んだのですが、現在は(冒頭で引用したとおり)日銀がジャンジャンバリバリ国債を買い入れることにより長期金利を低く維持しているのです。しかしこの日銀の「力技」がそろそろ限界に近いことは誰の目にも明らかです。もしかすると4月にも追加緩和があるかも知れませんが、一部には「打ち止め感が出て効果なし」との予想もあるくらいです。そうなると長期金利は長く続いた下降トレンドをいよいよ終えて私たちが長い間忘れ去っていた上昇トレンドに転換するのかもしれません。長期金利の上昇は10年国債本体価格の下落を意味しますので債券投資には注意が必要というのが私の考えです。

さらに私が危惧しているのは団塊の世代が大量相続時代を迎えることです。少し前に団塊世代の大量退職が問題視されたことがありましたが、今度はその相続版ということですね。具体的には都会で暮らしている団塊の世代が地方の親から不動産を相続した際に売ることも貸すこともできずに今問題化している「空き家」になってしまうことで国民の金融資産が目減りしてしまうことを私は心配しているのです。なぜなら日本がこれほど借金を抱えても(昨年6月末時点で1,057兆2,235億円、国民1人当たり約833万円)長期金利が低く維持できている一因は国民の金融資産(昨年3月末時点で1,708兆円)が借金を上回っているからだとされており、金融資産の評価額が目減りすることで国債の信用が揺らいでしまう可能性があると考えるからです。これまでは株や不動産が値下がりすると債券に投資資金が逃避するのが一般的でしたが、もしかすると国内債券に限ってはその「常識」が通用しなくなるのかも知れませんね(株、為替、債券、不動産が同時に下がる「日本売り」になるのかも知れません)。

最後にオマケとして米国の長期金利推移も見ておきましょう。下記は本家Yahoo!からお借りしてきた米10年国債先物金利の長期チャートです。

米国10年債先物利回り推移

ご覧のとおりこちらはオイルショック時の悪性インフレ以降ほぼ一貫して右肩下がりのチャートを描いています。しかしご承知のとおり米国は日本や欧州より一足早く利上げに踏み切り金融緩和政策からの出口戦略に転換しました。ですから私は「資産運用のこれから」を考える上で債券投資においてはこれまでの常識が使えなくなる(それどころが常識が180度ひっくり返る)可能性もあるのでは?という点に注意が必要だと考えている次第です。

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