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北斗晶さん

kage

2015/10/04 (Sun)

乳ガンのため先月24日に右乳房全摘出手術を受けた元プロレスラーでタレントの北斗晶さんが昨日退院会見を開かれました。「他人事とは思えない芸能人のガン報道」にも書いたとおり、今は私も同じガン患者という立場ですのでとても他人事(ひとごと)とは思えませんでした。この会見で北斗さんより主治医から「5年後の生存率は50%」と告げられたことが明らかにされ、センセーショナルに報道されています。確かに「5年生存率50%」という言葉を額面通りに受け取れば、「2020年の東京オリンピックを生きて迎えられる確率は50%」というかなりショッキングな印象を受けます。しかしこの「5年生存率」にはある種の「数字のマジック」的要素が含まれていることは「大腸ガンの種類と進行度」でご紹介したとおりです。ご参考までに該当部分を下記に再掲しておきましょう。

ステージ2の直腸ガンの5年生存率は8割弱です。すなわち私は2割強の確率で東京オリンピックを自分の目で見ることはできないことになります。しかしこれには多少「数字のマジック」があります。この数字は単に5年後に生存している人の数をカウントしただけで死因は問いません。つまり必ずしもガンの再発で死亡したわけではなく、他の病気や事故の可能性も含んでいるのです。さらに言えば年齢も問いません。40代の患者も80代の患者もすべてまとめたのがこの数字なのです。だからといってもちろん安心はできません。同年代の健常者と比較した5年生存率は9割弱という厳然とした事実があるのですから。



このようにガン患者が実際に重視すべきは同年代の健常者との比較なのです(これを5年相対生存率と呼びます)。北斗さんはまだお若いので「現実的な5年生存率(5年相対生存率)」は50%よりかなり高いのではないでしょうか?あと今回の「5年生存率50%」報道でひとつ気になったのは「ステージ2のB、極めて3に近い段階です」という北斗さん自身のコメントです。乳ガンと大腸ガンのステージ判定が異なるのは承知の上ですが、「ステージ2Bで5年生存率50%」という発言には私自身ガン患者としてかなりの違和感を覚えずにはいられません。もしかするとこれは「ステージ3B」の勘違ではないでしょうか?リンパ節への転移があったということなので、「ステージ3B」であれば違和感なく納得できるのですが。

私の場合も「もしリンパ節への転移が確認されたら再入院してもらう」と退院前日に担当医から宣告されておりました。しかし幸いにもリンパ節への転移はなく、結果的に比較的副作用が軽い抗ガン剤治療を受けることができています。抗ガン剤治療の効果と副作用の関係は投資でおなじみのリスクとリターンの関係と同じで、高い効果が期待できる治療であるほど副作用も大きくなります(投資でいうところのハイリスク・ハイリターン)。ご承知のとおり投資であれば自分でリスクのコントロールが可能で、私のように一攫千金を求めて株式中心に高いリスクを取る人もいれば債券を中心にローリスク・ローリターンの安定運用を目指す人もいます。しかしガン治療においては「命をつなぐためには大きなリスクを取ることもやむなし」という厳しい決断を迫られることがあるのです。心ならずもハイリスクの選択を余儀なくされた北斗さんですが、私たちガン患者の希望の星として是非病気を打ち負かして欲しいと心より願っております。

最後に私自身が手術前に担当医から言われて印象に残っている言葉をご紹介しましょう。それは「手術を受けられることは幸運だと思って欲しい」というものでした。ガンの種類によっては多少対応は異なるのかも知れませんが、少なくとも大腸ガンにおいては進行度最上位のステージ4(他の臓器や部位にガンの転移がある)の場合は手術を行いません(腸閉塞を起こしているなどの緊急時は例外です)。ステージ4では手術を行っても再発の可能性が極めて高いため、まず抗ガン剤や放射線治療で症状の進行を抑えることが優先されるのです。そういう意味では手術を受けられた私や北斗さんはガン患者の中でも幸運なのです。なぜなら完治(5年間再発なし)の可能性が十分にあるのですから。

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