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高額療養費制度

kage

2015/09/10 (Thu)

本エントリーはまた病気の話題ですが、多少は投資系ブログに歩み寄った(?)お金のネタです。今回の「人生の転機」で実際に入院・手術・術後補助化学療法(抗ガン剤治療)を経験したことで、ひとたびガンになってしまうと治療費がかなり高額になることを実感しました。だからと言って私は「ガン保険や医療保険で万が一の事態に備えるべきだ!」と主張するつもりはサラサラありません。なぜなら国民皆保険が実現している我が国には今回の表題に掲げた「高額療養費制度」という誠にありがたい仕組みがあるからです。この高額療養費制度とは厚生労働省の資料によると、「医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。」と説明されております。なお詳細につきましては下記リンク先をご参照ください。

高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省のサイトです)

実は私も以前から高額療養費制度の存在は知っていました。しかし今回の「人生の転機」で実際のその給付対象になってみて、今年の1月からその内容が改訂されていたことに初めて気付きました。ちなみに下記が厚生労働省の資料からコピペしてきた現行制度の内容です。もしかすると皆さんの記憶にある数字と違っているかも知れませんね。

所得区分 ひと月あたりの自己負担限度額(円)
年収約1,160万円~

健保:標報83万円以上

国保:年間所得901万円超 
252,600(医療費-842,000)×%
 <多数回該当140,100> 
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保年間600万~901万円
167,400+(医療費-558,000)×%
<多数回該当93,000>
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:年間所得210万~600万円 
80,100+(医療費-267,000)×%
<多数回該当44,400>
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:年間所得210万円以下
57,600
<多数回該当44,400>
住民税非課税者35,400
<多数回該当24,600>

ご覧のとおり、「ひと月あたりの自己負担限度額(円)」は所得に応じて5段階に分かれています。下の2つは難しい計算式がないので分かりやすいと思いますが、その月の治療費がどんなに高額になっても自己負担額はここに書かれた金額が上限となるわけです。上の3つは計算式がややこしいですが、その計算結果が単月の自己負担額の上限となるのは同様です。あと「多数回該当」とあるのは直近12ヵ月間で3回以上高額療養費制度の適用を受けている場合に4回目から適用される上限のことです。今回の私のように長期間に渡ってガンの治療を続けなければならない患者にとっては本当にありがたい仕組みです(実は抗ガン剤治療もかなり高額ですから)。これらにより私たち日本国民は、ガンのような重い病気になって際限なく治療費がかかってしまうという悪夢から解放されるわけですね。

ちなみに高額療養費制度は、こうした公的な給付制度としては珍しく自分から申請しなくても先方(健康保険運営元の自治体や組合)が計算して通知を送ってきてくれます。これを受けて決定した給付金の振り込み依頼をするというのが手続きの流れです。

【追記】

これはあくまでも私のケースであり、加入している健康保険によっては患者側からの申請が必要になる場合もありますのでご注意ください。ご参考までに厚生労働省のQ&Aより該当部分をコピペしておきます。


Q1.高額療養費の支給申請はどのように行えば良いですか。

A1.ご自身が加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など。以下単に「医療保険」といいます。)に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられます。病院などの領収書の添付を求められる場合もあります。

ご加入の医療保険によっては、「支給対象となります」と支給申請を勧めたり、さらには自動的に高額療養費を口座に振り込んでくれたりするところもあります。

なお、どの医療保険に加入しているかは、保険証(正式には被保険者証)の表面にてご確認ください。


ただし私のケースでは通知が届くのは3ヵ月後(例えば4月分なら7月の中頃)、振り込みはさらにその1ヵ月後となっていますので、治療費の還付までにはかなり時間がかかることはあらかじめ覚悟しておいてください。

このように還付までに時間がかかることで何が困るかといいますと、今回の私のように手術のために入院して治療費が桁違いに高額になる場合などです。例えば私の実例でご説明しますと、糖尿病のための血糖値管理もあり3週間近く入院して手術も受けたため治療費は実費で約170万円かかりました。これを通常の3割負担で計算すると、自己負担額は51万円となります。いくら高額療養費制度が適用されて4ヵ月後に還付金が入ると分かっていてもこの一時負担額はきついですよね。しかし実際には私は51万円を支払う必要はありませんでした。なぜなら高額療養費制度には下記のようなありがたい仕組みもあるからです(これも厚生労働省の資料からのコピペです)。

入院される方は用意する費用が少なく済みます

入院される方については、加入する医療保険から事前に「所得区分」の認定証を発行してもらうことにより、医療機関の窓口での支払を負担の上限額までにとどめることもできます。このため、一度に用意する費用が少なくて済みます


実は私、今回入院するまで恥ずかしながらこのような仕組みがあることをまったく知りませんでした。しかしそんな私がなぜこの仕組みの恩恵を受けることができたかと申しますと、入院時に病院から渡された案内資料一式の中にその説明書きがあったからです。「糖尿病は辛いよ」に書いたとおり、私は入院してからも手術前までははぼ毎日「運動のため」という理由で外出していましたので、自分の足で「所得区分の認定証」の取得に行きました。そしてそれを病院に提示することで単月の自己負担額は高額療養費制度の上限に抑えることができたのです。私はたまたま3月入院4月退院と2ヵ月にまたがっていたので自己負担額も2ヵ月分となりましたが、もし仮にこれが単月で終わっていたら1ヵ月分で済んでいたことになります。

このように高額療養費制度は私のようなガン患者にとってとてもありがたい制度なのですが、客観的に考えるとこの制度を維持しつつ超高齢化社会を乗り越えられるのか?という懸念も禁じ得ません。本エントリーでは触れていませんが70歳以上になれば高額療養費制度もさらに手厚くなりますので、正直なところ「これでは医療費の削減は難しいだろうな」という感想を持ちました。今の私は保険料を負担する側と給付を受ける側の間(はざま)でジレンマに悩まされています。

冒頭で私は「ガン保険や医療保険で万が一の事態に備えるべきだ!と主張するつもりはサラサラありません」と書きました。もちろんこれは私個人の意見であり、皆さんにそれを押し付ける気は毛頭ありません。しかし高額療養費制度の適用で単月の自己負担額がかなり低減できることもまた事実です。緊急時に医療費に回せるまとまった貯蓄がある場合や生命保険に入院・手術特約を付帯しているケースではわざわざガン保険や医療保険に加入する必要がないこともあるでしょう。余計なお世話かも知れませんが、ガン保険や医療保険の加入については是非慎重にご検討ください。ガン患者の私としては「ガン保険だけは検討する価値あり」と言いたいのは山々なのですが、実はガン保険に入ることで「これでもう安心だ」と思ってしまうことを心配しているのです。勘違いしている人はおられないとは思いますが、ガン保険はあくまでガンになった時の出費に備えるものであり、ガンにかかるリスクを低減してくれるわけではないのですから。

【追記】下記エントリーの中で高額療養費制度について少し補足説明を書きました。よろしければご参照ください。

術後補助化学療法 第5クール終了

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この記事へのコメント

kage

高額療養費制度の勧奨通知についてですが

「ちなみに高額療養費制度は、こうした公的な給付制度としては珍しく自分から申請しなくても先方(健康保険運営元の自治体や組合)が計算して通知を送ってきてくれます。これを受けて決定した給付金の振り込み依頼をするというのが手続きの流れです。」

との記載ですが、誤解されていますよ。

言われている通知は、申請漏れが出ない様に出されている
「勧奨通知」です。

勧奨通知は、
各保険団体(保険者といいます)が、
それぞれの基準で発行されているもので
高額療養費制度の対象者全員に
案内が送られることが
補償されているものではありません。

世帯合算などの基準が除かれていたり、
医療機関の保険請求の遅れにより
発行されない可能性もあります。

あくまでも、
高額療養費制度は
診療月の支払いが終わった時点で
各加入者(被保険者といいます)が
各保険者(保険団体)に申請を行うべきものです。

ただ、
外にも救済になる制度が適用になる場合も考えられ
かつ遡及適用できない制度もありますので、

できれば、高額な医療費がかかりそうな場合は
事前に各保険者に確認をとられていた方が
より望ましいと思います。

Posted at 19:46:58 2015/09/11 by torisugari

この記事へのコメント

kage

すみません、制度が変わっていましたね。↑

すみません、制度が変わっていましたね。

上記の記載は、誤っています。

でも、遡及適用ができない制度があるのは
変わっていないので、
高額な医療費がかかりそうな場合は、
事前に各保険者にご相談された方がよいと思います。

Posted at 20:01:07 2015/09/11 by torisugari

この記事へのコメント

kage

torisugariさん

ご指摘ありがとうございます。

すべての健保が同じ対応ではないのですね。早速本文中に注意書きを追記させていただきました。

Posted at 21:41:30 2015/09/11 by おやじダンサー

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kage


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