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もしも東芝が上場廃止になったら

kage

2015/07/18 (Sat)

本来であれば現時点では未確定の重大な事象に対してこのように不安を煽るようなタイトルを付けてエントリーを書くべきではないのですが、当ブログに設置しているアクセスカウンターの付属機能である検索キーワードを見るとこのところ明らかに「東芝 上場廃止」のようなパターンが増えていますので、上場廃止となった西武鉄道(現在の西武ホールディングス)株を10年近く持ち続けた私の経験を改めてまとめておこうと思い立った次第です。ちなみにこのようなキーワード検索で当ブログがヒットする理由は2ヵ月前のエントリー「上場廃止株を持ち続けるとどうなる?」で下記のとおり東芝に言及していたからです。

以下は余談ですが、会社の不祥事といえば東芝もそうですよね。もし仮に現在問題となっている不適切会計が会社の意図的な粉飾決算と認定されれば最悪の場合上場廃止の可能性もあるのではないでしょうか?実際に東芝が上場廃止になる確率は極めて低いとは思いますが、もしそうなれば西武ホールディングスの夢よもう一度で将来的な再上場に賭けて買ってみてもいいかな?と漠然と思ったりしています。西武ホールディングスは上場廃止後、後藤社長以下全社一丸となって必死の思いで企業改革に取り組みましたので、もし東芝が万が一上場廃止になるようならもう一度10年間株を持ち続ける覚悟で「奇跡の大復活」に賭けてみたいと思います。


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本題に入る前にまず私の素人考えを申し述べさせていただきますと、この期に及んでも私はまだ東芝が上場廃止になる可能性は極めて低いと考えています。現在までに明らかになっている情報を総合的に勘案すれば東芝の行ってきた行為は明らかに組織ぐるみの粉飾決算であり、上場廃止に処されて当然であろうと私も思います。しかし東芝のように上場廃止になると日本経済に重大な影響を及ぼす可能性がある企業の場合は上場廃止の決定は高度な政治的判断となり、永田町方面(政治家)や霞ヶ関方面(官僚)から東京証券取引所を管轄する日本取引所グループに対してさまざまな圧力がかかることが想像されます。実際に過去の事例を見ても西武鉄道やカネボウは上場廃止になったのに対して日興コーディアルグループやオリンパスの上場は維持されました。皆さんご承知のとおり東芝は日本を代表する総合電機メーカーであり、国内の公共事業や海外の重要プロジェクトにも深く関わっているため簡単に上場廃止にはできないのではないか?というのが私の素人考えです。ただそれでは本エントリーもここで終わってしまいますので、ここからはタイトルに掲げた「もしも東芝が上場廃止になったら」という想定で話を進めさせていただきます。

日本取引所グループが東芝の上場廃止を決定すれば、株価はまず間違いなく現在の水準よりさらに下落するでしょう。上場廃止後は証券取引所で自由に売買できなくなりますので機関投資家は否応なく売らざるを得ません。また東芝は東証1部銘柄であり日経平均株価構成銘柄でもありますので、上場廃止によりインデックスファンドも機械的に全数売却に動きます。そのような怒濤の売りに対抗してあえて火中の栗を拾おうと考えるのは、東芝の経営権や事業の一部を狙っている企業や高値で転売を考えているハゲタカファンド、そして空売りの買い戻しや再上場で一攫千金を夢見る私のようなハイリスク投機家くらいでしょう。ちなみに西武鉄道の株価も上場廃止決定後は下落を続けました(最後の最後は少し値上がりしましたが)。あえてその時の恥を晒しておきますと、上場廃止決定の混乱に乗じて短期売買で利益を上げようと目論んでいた私は文字通り「落ちてくるナイフを素手で掴む」状態となり、買っては損切りを繰り返してアッと言う間に20万円以上の損失を確定するお粗末な結果となりました。ただその時に売らずに持ち続けた株が10年を経て見事に再上場を果たしてくれた今になってみれば、それも懐かしい思い出です。一般的に経営破綻による上場廃止であれば株価の下落は上場廃止まで続くと予想できますが、不祥事による上場廃止の場合は多くの場合で事業が継続されるため売りが一巡した後の値動きの予想は困難です。特に東芝のような大企業の場合は上場廃止後の動向を巡ってさまざまな思惑が交差することになりそうですので、上場廃止日に向けて乱高下するかも知れませんね。

そして上場廃止日を過ぎると証券保管振替機構(通称:ほふり)の銘柄登録が抹消されるため、証券会社の口座に置いておくことができなくなります。ちなみに特定口座に置いていた場合は証券会社から「特定口座払出通知書」が送られてきます。一般口座やNISA口座ではどうなるかは私自身経験がありませんので、お手数ですが証券会社にお問い合わせください。ちなみに西武鉄道が上場廃止になった当時はまだ紙の株券が生きている時代でしたので、ほふりから書留郵便で自分の名前が裏書きされた株券が送られてきました。今でも非上場企業では紙の株券を発行することは可能ですが、もしも東芝が上場廃止になってもおそらく株券の電子化は維持するのではないでしょうか?その方が発券や発送などの無駄なコストがかかりませんし、将来の再上場を目指すという姿勢を示す意味にもなりますからね。証券会社の口座から出庫されたのに株券が手元にない状態では株主の権利が維持されるのか不安に思われる方もおられるかも知れませんが、株式関係の管理は引き続き委託先の信託銀行が担当するはずですので心配はいりません。そして東芝の株主名簿に記載されている限りは株主の権利は維持されるのです。

上場廃止後は証券取引所で自由に売買することはできなくなりますが、個人が相対で取引することは可能です。お互いが値段で折り合えば担当の信託銀行に名義の書き換えを申請することになります。ただ非上場株は自由な市場で値付けがされないため、現時点で妥当な株価がいったいいくらなのかが判断しにくいことが難点になります。これは「上場廃止株を持ち続けるとどうなる?」にも書きましたが、上場廃止後は自由に株式の売買ができないという弱みに付け込まれて安く買い叩かれる可能性もあることには注意が必要でしょう。実際にカネボウの事例では上場廃止時の株価360円に対してTOBを行った投資ファンドの買い取り提示額は162円でしたし、西武ホールディングスの事例でも敵対的TOBを断行したサーベラスが提示した買い取り価格は再上場時の公開価格1,600円より低い1,400円でしたので。

非上場株を売却して利益を得た場合は所得税の課税対象となります。もちろん特定口座(源泉徴収あり)は使えませんので確定申告が必須です(申告書に添付する取引明細も自分で作成しなければなりません)。また売却で損失が出た場合でも翌年以降への繰り越しはできません。損失を確定した年限定で上場株式や投資信託の利益と損益通算が可能ですが、これも2016年1月1日以降はできなくなる予定です。また非上場株の配当についても「上場廃止株を持ち続けるとどうなる?」に書いたとおりかなり面倒です。具体的に面倒な点を箇条書きにすると以下のとおりです。

1.源泉徴収されるのが所得税のみのため別途住民税計算のための申告が必要。
2.申告分離課税の選択ができないため上場株式や投資信託の損失との相殺が不可。
3.総合課税となるため年収によっては所得税率が最大40%になる。
4.住民税の税率が10%。

1.については1年間保有を続けて年間配当額が10万円以下であれば所得税の確定申告は不要で済ませることはできますが、その場合は別途居住する区市町村への申告が必要になります。3.については反対に10%や5%に減ることもありますので、年収が低い場合は確定申告不要(源泉徴収20%)で済ませると損をすることもあります。4.については上場株式の5%に比べると2倍です。あと証券会社の口座に入れられないため、当然のことながら証券口座での配当受け取りはできません。このため受け取り方法は昔のようにその都度郵便窓口に配当金受領証を持ち込むか、担当の信託銀行に銀行口座振り込みを申し込むことになります。

もしも東芝が上場廃止になったとしても将来的な再上場の可能性は大いにあるでしょう。そういう意味では数年間資産を寝かせる(=塩漬けにする)覚悟で上場廃止が決まった東芝株を買うという選択肢を検討する余地はあると思います。しかしここで重要なのは東芝に本気で生まれ変わる覚悟があるのかどうかです。西武鉄道はほとんどオーナーである堤家の私有企業のようなものでしたが、上場廃止後は後藤社長以下全社一丸となって必死の思いで企業改革に取り組みました。同様に東芝も今回のピンチをチャンスに変えて華麗な復活劇を見せてくれるかどうかは私には分かりません。しかしだからこそ上手く行った時のリターンが大きくなる(=一攫千金を狙える)こともまた事実です。もしも東芝が上場廃止になったら、私はまた持ち株を10年間寝かせる覚悟で少しくらい買ってみてもいいかな?と漠然と考えているところです。

以上でエントリーを終えるつもりだったのですが、書き忘れていたことがありましたので最後にもうひとつ。上場廃止になった銘柄が将来見事に再上場を果たした際に改めて証券会社の特定口座に入れる場合には取得単価の証明などいくつかの書類が必要になります。私が西武ホールディングス再上場時に経験したことについては「西武ホールディングス上場前夜」に書いておりますのでよろしければご参照ください。

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この記事へのコメント

kage

とても参考になりました.ありがとうございます.

Posted at 23:11:18 2017/07/31 by

この記事へのコメント

kage

コメントありがとうございます。

本文の中で上場廃止決定後の株価動向について偉そうに書いていますが、直近のタカタの事例では一時株価が急騰して予想外のストップ高まであり、過去の常識がまったく通用しないことを痛感させられました。もし東芝が上場廃止になれば、タカタ以上のマネーゲームになるのかも知れませんね。

Posted at 22:45:25 2017/08/01 by おやじダンサー

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kage


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