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上場廃止株を持ち続けるとどうなる?

kage

2015/05/17 (Sun)

個別株の取引をしておられる方ならすでにご承知のことと思いますが、現在東京証券取引所には今月末に上場廃止となる2銘柄が存在します。具体的にはマザーズの京王ズホールディングス(証券コード:3731、上場廃止日5月29日)と東証1部の江守グループホールディングス(証券コード:9963、上場廃止日5月31日)です。

2015/04/28 東証 上場廃止等の決定 —(株)京王ズホールディングス—

2015/04/30 東証 上場廃止等の決定 —江守グループホールディングス(株)—

実はこの2つの銘柄は同じ上場廃止でもその後の株券が持つ意味に大きな違いがありますので、本エントリーでは私の過去の経験に基づいてその違いをご説明してみたいと思います。

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それでは順番は前後しますが、まず江守グループホールディングスの事例から始めましょう。上記リンク先をご覧いただければお分かりのとおり、同社が上場廃止になった理由は民事再生手続開始(事実上の経営破綻)です。このようなケースでは債務超過のため100%減資となり株券は無価値となるのが一般的です。最近の上場廃止で似たような事例としてはスカイマークがありますが、同社の場合も100%減資で株券の価値はゼロとなりました。過去をさかのぼれば日本航空(JAL)も同様でしたね。すなわち江守グループホールディングスの場合は、あえて上場廃止後まで株の保有を続ける意味はないという結論になります。もし今同社の株をお持ちであれば、値段が付いている内(売買が成立している内)に売却されることを強くお勧めいたします。過去の同様の事例では最終売買日が迫るにつれて株価は1円に近付き、最終的には1円売り気配となり1円でも売れないという状況になることもありましたので。

この「1円でも売れない」という状況を、実は私自身も経験したことがあります。その銘柄とは2009年1月に書いたこちらのエントリーにあるジャスダック上場の半導体洗浄装置大手のエス・イー・エスです。この時なぜ私が最終売買日まで株の保有を続けていたかと申しますと、同社には保有資産の評価次第で債務超過とならない可能性もわずかながらあったためです。そのため「1円で売るくらいならこのわずかの可能性に賭けよう」と思って保有を続けたのですが、その結果は証券会社から「特定口座払出通知書」(上場廃止株は特定口座に入れておけないので出庫しましたよという通知です)が送られてきたのみで後はなしのつぶてでした。

さて、それでは次に京王ズホールディングスの事例に移りましょう。同社が上場廃止となった理由は上記リンク先に長々と書かれていますが、ザックリ言うと不正な資金の流れが改善されなかったためです。つまり同社の場合は経営破綻したわけではなく、今のところは上場廃止後も事業は継続される見込みなのです。この場合は会社が存続するわけですから、株券の価値もゼロとはなりません。同じように会社の不詳時で上場廃止となった事例としては、私自身が今も保有を続けている西武ホールディングス(旧西武鉄道)やカネボウなどがあります。カネボウは上場廃止後、投資ファンドの傘下に入るなどの紆余曲折を経て会社組織は消滅しましたが、西武ホールディングスは10年弱の時を経て見事に再上場を果たしてくれました。ですから今回の京王ズホールディングスの事例でも、将来的な奇跡の大復活に賭けて上場廃止後も株の保有を続けるという選択肢もあるにはあるでしょう。しかし同社の場合、将来的な再上場に期待できるか?と問われれば簡単ではないだろうと私は答えます。現実的な可能性としては筆頭株主の光通信などによるTOB(株式公開買い付け)が考えられますが、上場廃止後は自由に株式の売買ができないという弱みに付け込まれて安く買い叩かれる可能性もあることには注意が必要でしょう。実際にカネボウの事例では、上場廃止時の株価360円に対してTOBを行った投資ファンドの買い取り提示額は162円でしたので。また西武ホールディングスの事例でも敵対的TOBを断行したサーベラスが提示した買い取り価格は1,400円でしたが(これでも上場廃止時の485円より大幅に高いですが)、その後の再上場時の公開価格は1,600円となりました(それが今では2倍以上の3,240円です)。

あと非上場状態の西武ホールディングス株を10年近く持ち続けた私の経験からアドバイスをさせていただけるなら、非上場株を保有していると税務上は何かと面倒になりますよ。もちろん上場廃止になっても会社が存続するのであれば株主の権利はそのままですし、株主名簿の管理や登録変更手続きも引き続き担当する信託銀行が行ってくれますが、私が一番面倒に感じたのは配当の確定申告でした。実は上場株式と非上場株式の配当では税務上の取り扱いが大きく異なるのです。ご承知のとおり上場株式の配当の場合は所得税と地方税(住民税)が源泉徴収されるため確定申告不要で済ませることも可能なのですが、非上場株式の場合は源泉徴収されるのが所得税のみであるため地方税(住民税)を計算するために確定申告が必須となります。また非上場株式の配当は申告分離課税が選択できないため、他の株式や投資信託との損益通算ができません。京王ズホールディングスは2015年3月期の配当予想を従来の年間5円から無配に変更したようですが将来的に復配する可能性もありますので、上場廃止後も同社の株式を持ち続けようと覚悟を決めた方は国税庁のサイトや証券会社のサイトで非上場株の配当の取り扱いを事前学習されることをお勧めいたします。

以下は余談ですが、会社の不祥事といえば東芝もそうですよね。もし仮に現在問題となっている不適切会計が会社の意図的な粉飾決算と認定されれば最悪の場合上場廃止の可能性もあるのではないでしょうか?実際に東芝が上場廃止になる確率は極めて低いとは思いますが、もしそうなれば西武ホールディングスの夢よもう一度で将来的な再上場に賭けて買ってみてもいいかな?と漠然と思ったりしています。西武ホールディングスは上場廃止後、後藤社長以下全社一丸となって必死の思いで企業改革に取り組みましたので、もし東芝が万が一上場廃止になるようならもう一度10年間株を持ち続ける覚悟で「奇跡の大復活」に賭けてみたいと思います。

【追記】

改めて東芝について書いてみました。よろしければご参照ください。

もしも東芝が上場廃止になったら

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kage

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Posted at 19:10:33 2015/05/19 by

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Posted at 15:50:16 2016/01/11 by

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