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再掲・セゾン投信で未成年口座を利用する際の注意点

kage

2015/05/07 (Thu)

まず最初にお断りしておきますが、本エントリーは今をさかのぼること7年と7ヵ月前に書いた「セゾン投信で未成年口座を利用する際の注意点」の焼き直しです。なぜ今になってわざわざそのような古びたエントリーを掘り出してきたかと申しますと、相互リンクさせていただいているレバレッジ投資実践日記セゾン投信で「こども口座」開設を拝読して、(手前味噌ながら)真っ先に当該エントリーを連想したからです。加えてこのエントリーは当ブログのトップページで公開している「過去半年間のアクセスランキング(2014年11月-2015年4月)」において堂々の4位にランクインしており、当該事例の関心の高さがうかがえましたので改めて取り上げてみようと思った次第です。

以前は教育資金の積み立てといえば学資保険が一般的でした。しかし、アベノミクスが始まってからその状況が一変してしまいました。すなわち皆さんご承知のとおり日銀が異次元緩和で長期金利の上昇を抑えつつ年2%のインフレ目標の達成を目指しているため、学資保険の魅力が一気に色あせてしまったのです。具体的には超低金利+年2%のインフレ+消費増税という条件下では今の学資保険の返戻率はまったくお話にならないレベルといえるのではないでしょうか?(筆者注:あくまでも私個人の感想です。)

このようにアベノミクスがもたらした急激な環境の変化もあり、(エルさんのご家庭のように)子供の将来のために積み立て投資を選択するという事例も実際に増えているのではないかと拝察いたします。そこで保護者が子供のために積み立て投資を行う際にはぜひ贈与税の課税リスクにもご留意ください、というのが本エントリーの主旨であります。

それではまず国税庁のサイトにある「No.4405 贈与税がかからない場合」に書かれた以下の文章をお読みください。

2 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの

 ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
 なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります


これを具体的な事例で示すと、祖父母から「孫のランドセル購入のために」と渡された10万円で実際にランドセルを購入すれば贈与税の対象とはなりません。しかしその10万円を両親が子供名義の口座に預金したり投資に使えば贈与税の課税対象となるわけです。しかし預金しただけで贈与税の対象となるというのはいささか厳しいですよね。10万円受け取ったが実際にランドセルを購入するのは来月の予定という場合でも預金することは許されないのでしょうか?私は税務署の人間ではないので安易に解答は示せませんが、おそらく常識的な範囲内で税務署が白黒の判断をするということになるのでしょう。ここで重要なのは白黒の決定権はあくまでも税務署にあるということです。しかもその裁量権はかなり広く、白黒の判断基準も結構曖昧であるのが現実です。しかし課税に関しては税務署がルールブックです。個人が勝手な判断で「これくらいは大丈夫だろう」と安直に決め付けるのは大変危険です。

それでは次に同じく国税庁のサイトにある「No.4402 贈与税がかかる場合」に書かれた以下の文章をお読みください。

毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合

Q1
親から毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受ける場合には、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下ですので、贈与税がかからないことになりますか。

A1
各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下である場合には、贈与税がかかりませんので申告は必要ありません。

ただし、10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることが、贈与者との間で約束されている場合には、1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、約束をした年に、定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかりますので申告が必要です。

なお、その贈与者からの贈与について相続時精算課税を選択している場合には、贈与税がかかるか否かにかかわらず申告が必要です。

(相法21の5、24、措法70の2の3、相基通24-1)


すなわちこれは、セゾン投信のこども口座(愛称カンガルーぽけっと)で積み立て投資を行うケースで、長年に渡って自動引き落としで毎年同額の贈与を行うとすべてまとめてひとつの贈与と見なされる恐れがあるということです。もしあなたが税務署から指摘を受けて「いや、そんなことを言われてもあらかじめ同額の贈与を続ける約束はしていないし、実際に家計が苦しければいつでも中止するつもりだった。結果的に10年間続いただけだ。」と弁明しても簡単には通らないでしょう。何といっても課税に関しては税務署がルールブックなのですから。そして都合の悪いことに銀行口座やセゾン投信のこども口座には毎月定期的に同額の積み立てを行った「動かぬ証拠」が残っているのです。このような予期せぬ贈与税の課税を回避するためには、毎年積み立て日や積み立て額を変える、子供と毎年異なる金額で贈与契約書を交わす、あえて年間110万を超える贈与を行い超過分の贈与税を支払う、などの対策が考えられますが、最終的には税務署の判断となりますのでどれもパーフェクトとはいえません。繰り返しになりますが、こと課税に関する限り個人が勝手な判断で「これくらいは大丈夫だろう」と安直に決め付けるのは大変危険です。

もちろんこのようなリスクが存在するのはセゾン投信のこども口座に限ったことではありません。実際に私もその後ほとんど同じ内容で「コモンズ投信でこどもトラストを利用する際の注意点」を書いていますし、ひふみ投信の未成年口座(愛称くるみ)も同様です。現実にはこのような心配をしても十中八九杞憂に終わるとは思うのですが、累計贈与額が大きい場合は課税された場合のリスクも高まりますので万が一の事態に備えて対策を講じておくことも必要ではないでしょうか?

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