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武者大先生の日経平均株価4万円説

kage

2015/04/12 (Sun)

武者陵司さんは日本の個別株を売買している個人投資家の間では万年強気の投資ストラテジストとして広く知られていますが、奇しくも日経平均株価が一時2万円の大台を突破した4月10日に私がいつも株式情報の収集に活用させていただいているストックボイスにご出演され、さらなる強気論をぶち上げられたようです。武者さんの論調が万年強気であることから一部では「オオカミ少年」的扱いも受けているようですが、曲がりなりにも日経平均株価は実際に2万円の大台に到達したのですからここは謙虚にそのご高説を拝聴させていただきたいと思います。なお番組ご出演の模様はYouTubeでアーカイブ公開されておりますので、下記のリンクからご覧ください。

武者陵司さん

ゲスト4月10日 武者リサーチ 武者陵司さん

それでは誠に僭越ながら武者陵司さんの日経平均株価4万円説を今回のブログネタにさせていただきます。なお以下のまとめには私なりの解釈で表現を変えた部分もありますので、正確さをお求めの方はぜひ上記リンクから実際に放送された動画をご確認ください。

Q:(日経平均株価)2万円は通過点か?

武者:その通りだと思う。歴史的大相場が始まったことはほぼ間違いないと私は思っている。歴史的大相場となると最小で5倍、最大で10倍というような壮大な値上がり幅となる。日本の高度成長期を振り返ると4回の大相場があったが、前半の3回はいずれも5倍、最後の1回は10倍だった。このような大相場と比較すれば現在の状況はアベノミクスが始まってからまだ2.3倍程度の上昇に止まっており、到底ピークだとか転換点にはほど遠い水準にある。

Q:バブル当時を知る世代としては当時の高値である38,915円にチャレンジしてもおかしくないと思っているのだがどうか?

武者:私はいずれ超えていくと思っている。何故なら米国もドイツも英国も基本的に先進国の株価は史上最高値圏にあるのだから。つまり世界経済は歴史上最も良く、株価は最も高く、人々の生活水準も歴史上最も高い。これが先進国の常識。なのに日本の株価だけが過去の高値から半値近い水準にあり著しく立ち遅れている。従ってこれから日本が世界の株価にキャッチアップしていくのであれば引き続き壮大な株価上昇が続くだろう。

Q:歴史的大相場の条件が整いつつある中で最大の要素は何か?

武者:決定的に重要な要素は日本の価値創造のモデルが大転換したことだ。戦後日本の経済繁栄を支えた価値創造の仕組みを端的に言えば米国の技術を模倣し、米国より安いコストで製造して競争力を獲得し、成長した。すなわち模倣技術と価格競争力が日本の繁栄を作ってきた。しかしこの価値創造モデルは完全に賞味期限を過ぎ23年前に終焉を迎えた。すなわち米国の日本バッシングが始まり超円高が起こった。さらに同様の価値創造モデルを韓国・中国・台湾がもっと効率的に行えるようになった。これが今から23-4年前に起こったバブル崩壊の背景にある日本の価値創造モデルの破綻である。そして今起きていることは日本企業、あるいは日本経済がかつての価値創造モデルを全部捨てて新たな価値創造の仕組みを作り出した。それは徹底的な技術開発・技術追求により価格競争の輪から抜け出し、相手が求めるだけのものを提供すること。例えば現在サムスンのスマートフォンは中国のファーウェイ・シャオミ・レノボなどにキャッチアップされており、いずれサムスンのシェアは奪われるだろう。何故そのようなことが可能になったかを端的に言うと、サムスンの製品供給を可能にしている日本の優れた部品や材料や装置を中国メーカーも供給を受ければ同じものができる。そうなるとメーカー側は頭を下げて日本の優れた部品・材料・装置を売ってくださいと言ってくる。これは価格競争にはならないので十分な価格を付けて売ることができる。技術・品質優位のビジネスモデルは価格競争がなく、非常に大きな価格優位を維持できる。同時に日本企業は海外で現地生産を行い、世界全体をサプライ・チェーン(ビジネスのネットワーク)の中に囲い込むグローバル・サプライ・チェーンを作った。これにより日本製品を輸出することで海外に失業を生み出すことがなくなった。現在は日本企業が成長することで現地の雇用が増える現象が起こっている。すなわち日本企業は嫌われ者のビジネスモデルから世界で大歓迎されるビジネスモデルに大転換し、23-4年前にいったん挫折した価値創造のモデルが新たに再構築できた。これが現在の日本企業の史上最高収益の背景にあり、これこそがアベノミクスを成功させる最も重要なファンダメンタルズである。経済において最も重要なことは価値を創ること、すなわち価値創造のメカニズムである。価値が創られるからこそ雇用も消費も投資もできる。価値か創られなければ何も始まらない。日本がダメになったのはかつての価値創造モデルが崩れたからであり、今日本が復活しつつあるのは新たな価値創造モデルが復活しつつあるから。ただし現状は価値は創っているがそれがまだ本当の需要につながっていない。企業は儲かっているが本当に給料が上がって皆の消費が拡大するところまでは至っていない。いよいよ今年、賃金が上がって企業の収益(=価値創造の成果)が需要となって大きな好循環を生み出す場面に入ってくる。従って今の株価上昇は単なる金融緩和効果やアベノミクス効果といった上からの加熱だけで起こっているのではなく、むしろ最も重要なファンダメンタルズの変化が十分に整っていることが背景にある。だから日本企業の収益は史上最高であり、日本の株価は主要国の中で最も割安なのだ。このような現実があるから外国人はあわてて日本株を買い始めている。この本質的な理由が分かれば日経平均株価は年末には2万5千円、その後数年で3万円、そしてやがては4万円と壮大な上昇を続けていく可能性は極めて高いと思っている。ただしこのような認識はマーケットの中にほとんど織り込まれていない。だから多くの人々は株価は十分に上がった、もうそろそろ怖い、売り時だ、と思っている。だがそれはファンダメンタルズの本質がまったく変わっていることを理解していないからそういう認識になる。ファンダメンタルズの本質が変わったことが理解できれば人々の認識も変わる。その結果、現金・預金・国債から株式へと壮大な資本の移動が起こる。それはまだこれからだ。株価上昇のクライマックスはまだまだこの先にやってくる。

Q:日本企業の価値創造モデルの変化はどういう形で投資家に認識されていくのか?

武者:まず企業収益の増加が設備投資や昇給という形で周囲に波及し、ファンダメンタルズが全体として良くなっていくという証拠を見せる必要がある。またこの変化はマクロとミクロを複眼的に見ていないとなかなか理解できない。マクロだけを見ていても、ミクロだけを見ていても分からない。しかし複眼的な視点が人々に共有されるまでには時間がかかるだろう。

Q:企業が実際に収益の分配を強化すれば人々の見方も変わってくる?

武者:おそらく今年は過去20年で最大の実質賃金上昇が起こる。定期昇給込みで賃金上昇率は約3%弱となるだろう。一方で物価は1%も上昇しないので、差し引き2%も実質賃金が上がるというのはいまだかつてなかったこと。これにより家計の購買力は著しく高まる。原油価格は大幅に下がっている。昨年のように消費増税もない。昨年は消費増税前の駆け込み需要の反動減があったのでそこからの回復は極めて強くなる(筆者注:前年比の数字が良くなるという意味ですね)。 これをマーケットはまったく織り込んでいないと私は思う。

Q:年の半ばには調整局面がよくあるが、あったとしても一時的か?

武者:一時的であり、ごく軽微だと思う。現在の株価上昇の根底にある最も重要なポイントは地政学である。近代日本に経済繁栄をもたらした重要な地政学は3つあった。1つ目は1902年からの日英同盟。2つ目は1951年からの日米安保体制。そして今、3つ目の地政学の大きな変化が起ころうとしている。今度安倍総理が米国を訪問して上下両院で初めてのスピーチをする。それほど日本は米国にとって大事な国になっているということ。これは今般のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対する態度を見ても明らかだ。米国に同調したのは日本だけ。結局欧州諸国は民主主義や市場の透明性より目先のビジネスを優先して中国が提唱するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加表明した。米国と最も価値観が近いのは日本だと米国の人々は今強く認識していると思う。これを長い目で見れば、世界最強のスーパーパワーと最大の同盟関係にあるということ。これは極めて重要な意味を持っている。昨日(筆者注:4月9日(木)のことです)発表になった米国の為替報告書でも日本円に対する言及はなかった(筆者注:AIIBに参加表明した韓国の為替介入については言及されています)。これらのことはさまざまな形で日本経済と市場を押し上げる大きなプラットフォームとなっていくはずだ。

Q:地政学もリスクではなくむしろメリットとなる?

武者:過去23年間、地政学はマイナスだった。強くなり過ぎた日本を米国は叩いた。何故なら東西冷戦が終わって日本を強くする必要がなくなったから。しかし今は中国という新たに台頭する脅威に対して日本と米国の同盟は極めて大事になっている。

冒頭で私は武者さんのことを「万年強気の投資ストラテジスト」と表現しましたが、実は私が株式投資を始めた2000年秋頃の武者さんは弱気派の代表のような存在だったのですよ(にわかには信じられないかも知れませんが本当です)。ですから「万年強気」というレッテルは実は正しくないということをご本人の名誉のために申し添えておきます。Wikipedia情報によると、武者さんが日経平均株価4万円説を初めて唱えたのは2013年3月とのこと。当時の日経平均株価はまだ1万2千円でしたので、「日経平均株価4万円説」は多くの人にとって大ボラに近い印象だったことでしょう。しかし実際に日経平均株価が一時的にせよ2万円を突破した現時点では多少現実味が増しているのではないでしょうか?実際にこれまで内部留保の積み増しにご執心だった日本企業が利益の積極分配に方針を大転換して日本経済のファンダメンタルズが継続的に改善を続ける好循環が生まれる可能性も個人的には十分にあると考えていますので、日経平均株価4万円は無理にしても3万円は達成して欲しいと密かに願っております。

そもそも私たちの思考はなかなか常識的範囲を逸脱できないものです。例えば今あなたがタイムマシンに乗って1年前の世界に行き、当時のあなたに1年後の日経平均株価は2万円に到達している(ちなみに1年前の日経平均株価は1万4千円です)と告げたら素直に信じるでしょうか?同様に1年後のWTI原油価格は1バレル=50ドル前後まで下落していると告げたら信じるでしょうか?(ちなみに当時のWTI原油価格は1バレル=100ドル前後です)。今回の武者さんのお話を聞いて、米国のNASDAQ指数が実態経済を反映した値上がりでITバブル時の高値に近付いていることを考えれば日本企業の方針大転換で日経平均株価がバブル期の最高値38,915円に近付いても不思議はないのではないか?とふと思ったりもしました。皆さんは武者さんの日経平均株価4万円説をまだ大ボラと感じますか?それとももしかすると現実になるかも知れないと感じますか?

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