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ギブ・アンド・テイク

kage

2015/03/28 (Sat)

ブログネタとしてはすっかり出遅れてしまいましたが、当ブログでも三井住友アセットマネジメントが4月1日よりスタートさせる投信直販サービス(公式サイトはこちら→あなたの未来のために、SMAM投信直販ネット)について書いてみたいと思います。ご参考までに下記にこのサービスの概要を伝えたモーニングスターの記事を引用しておきます。

三井住友アセット、低コストのバランス型ファンド4本をインターネット直販開始へ(モーニングスター)

三井住友アセットマネジメントは23日、インターネットで投資信託の直接販売を開始すると発表した。直接販売とは、運用会社が販売会社を経由せずに投資家に直接商品を販売することを言い、投資家はコストを抑えることができるメリットがある。4月1日より国内のホームページ上で口座開設の受け付けを開始する。

対象となるのは、これまで主に確定拠出年金(以下、DC)向けで販売されてきた、「SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)」、「三井住友・ライフビュー・バランスファンド30(安定型)」(以下、「30」)、「三井住友・ライフビュー・バランスファンド50(標準型)」(以下「50」)、「三井住友・ライフビュー・バランスファンド70(積極型)」の4本のバランス型ファンド。いずれも購入時の手数料を無料とする。



モーニングスターの調べでは、「三井住友・ライフビュー・バランスファンド」シリーズの3本は、これまでもSBI証券など一部のネット証券を通じて購入が可能であったが、保有期間中のコストである信託報酬など(監査報酬など含む、税込み)は、いずれもモーニングスターのカテゴリー平均を下回っており、なかでも「30」は信託報酬が0.98%と、カテゴリー平均と比較して0.51%低い。低コストであることが長期の運用成績にも良い影響を与えており、モーニングスターレーティングはすべてのファンドが3ツ星以上で、うち、「30」と「50」の2本が2月末時点で4ツ星となっている。

「SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)」は、DC向け以外では初めて投資家が購入可能となった。国内外の株式・債券に分散投資をしながら、市場環境に合わせ、機動的に資産配分の変更を行うが、信託報酬等(同)は0.64%と非常に低く抑えられており、資産運用のコアに欠かせない1本となりそうだ。


当ブログをご訪問いただいた投資に関心の深い方なら先刻ご承知のとおり、投資信託の信託報酬は販売会社・運用会社・信託会社で山分けされます。今般のSMAM投信直販ネットのように運用会社が販売会社を通さずに顧客への直販を行えば、販売会社の取り分をカットできるためコスト削減要因になることは自明の理です。そういう意味で直販は顧客にとってメリットが大きい仕組みなのですが、これまでわが国ではさわかみ投信を筆頭とした中小零細の運用会社でしか広がりを見せていませんでした。ただ歴史をひもといてみれば、過去に大手金融機関系列の運用会社でも直販に取り組んだことはあったようですね。しかし結果的にそれが定着しなかった理由は、グループ内に販売会社を抱えているため利益相反が起こること、個人投資家が自ら投資信託を選ぶ文化風土が生まれていなかったこと、などが挙げられるのではないかと思います。いくら三井住友アセットマネジメントが三井住友フィナンシャルグループに属していないとはいえ、同じ三井住友(SMBC)を名乗るSMBC日興証券やSMBCフレンド証券を「中抜き」する直販という決断は簡単ではなかったものと拝察いたします。そういう意味で私は今般のSMAM投信直販ネット設立を大いに評価しております。

そこで改めてSMAM投信直販ネットの商品ラインナップを確認してみますと、取り扱い数は三井住友・ライフビュー・バランスファンド30・50・70とSMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)の4本のみです。モーニングスターの記事にもあるとおり、三井住友・ライフビュー・バランスファンド30・50・70はすでにSBI証券などでも購入可能でありお世辞にも低コストとは言えないため、実質的な目玉商品はこれまで確定拠出年金(DC)でしか買えなかったSMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)なのでしょう。ただ「相場環境の変化に応じて機動的に資産配分を変更します」というコンセプトは面白そうなのですが、月報を見る限り設定来の騰落率はベンチマークを下回っており、「機動的資産配分」がしっかり機能しているわけではない点が残念です。とはいえこれまで確定拠出年金(DC)でしか買えなかったファンドが一般顧客向けに広く販売されることは個人投資家にとって間違いなく大きな前進であると思います。

これを契機に確定拠出年金(DC)でしか買えなかった低コストファンドの一般向け販売をドンドン加速して欲しいと私自身も心の底から願っております。ただそれを実現するためには本エントリーのタイトルに掲げた「ギブ・アンド・テイク」が必要だろうと私は考えています。ご承知のとおり確定拠出年金(DC)には一度入れた資金は原則として60歳まで引き出し不能、基本的に加入している限りは積み立てを継続、信託報酬とは別に運営管理手数料が必要、といった「縛り」があります。確定拠出年金の加入者がこの「縛り」をギブすることで見返りとして低コストを「テイク」することができるのです。もちろん理想型は米バンガード社のように特に縛りを設けなくても「預かり資産の増加→コスト引き下げ→さらなる預かり資産の増加」という好循環が生まれることですが、投資への関心度が低い上に個人投資家もコロコロとファンドを乗り換えるわが国においては「縛り」なしでは育つものも育ちませんので。

それでは私たち個人投資家は具体的にどのような「縛り」を受け入れればよいのでしょうか?個人的には確定拠出年金のような運営管理手数料でも年や月単位の会費でも構わないと思っています。そしてそのコストを支払ったメンバーだけが確定拠出年金専用の低コストファンドの購入が可能になる仕組みです。さらに加入者へのインセンティブを考慮するのであれば、預け入れ資産の総額に応じてコストを低減したりひふみ投信の資産形成応援団のように保有期間に応じたキックバックを設定するのもいいでしょう。これによりわが国でも個人投資家が運用会社を支えて育てるという文化風土が生まれ、その結果として「預かり資産の増加→コスト引き下げ→さらなる預かり資産の増加」という好循環が生まれれば、私たち個人投資家を取り巻く環境も劇的に変化するのではないか?と一人で勝手に妄想しております。

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