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インデックス投資家にとっての理想型とは

kage

2015/02/28 (Sat)

前回のエントリーで私はインデックス運用には「数こそ力」という側面がありますので、インデックス投資家の皆さんにこそ「応援(=支えて育てる)」という思考が重要になるのではないでしょうか?と書きました。それではインデックス投資家は具体的にどのようなファンドを応援すべきなのか?を本エントリーでは考えてみたいと思います。

私がセゾン投信やひふみ投信を応援するに値すると考えている理由には、経営基盤の脆弱性から紆余曲折はあったものの設立時の理念を失うことなく運用を続けていることや運用者の顔が見える形で受益者と密接なコミュニケーションを図ってくれることなどがあります。もちろん運用会社ですので、キチンとした運用ができていることが大前提ではありますが。このように受益者重視の理念を持った直販系の運用会社が自前のインデックスファンドを組成してくれれば真っ先に応援の候補になると思うのですが、残念ながらこれに該当する事例を私は知りません。となると次善の策として従来型の縦割り系列運用会社から応援候補を探すことになるわけですが、私が保有しているインデックスファンドの中ではeMAXISシリーズ(三菱UFJ投信)を候補に挙げてもよいのではないかと考えます。ご承知のとおりeMAXISシリーズは設定以来一度も分配金を吐き出していません。これが最大の推薦理由です。ですからeMAXISシリーズがこれからも無分配を貫くことと預かり資産の増加に比例して信託報酬の引き下げを行うことを明言してくれれば応援候補としてはバッチリですね。

とはいえ私個人の意見としては、従来型の縦割り系列運用会社を応援するのには少々抵抗があります。それはいくら崇高な理念を掲げてそれを忠実に実行していたとしても、親会社の「鶴の一声」でそれが簡単に覆されるリスクを常に負っているからです。実際にeMAXISシリーズを運用する三菱UFJ投信に関しては昨年末に同系列の国際投信投資顧問(言わずと知れたグローバル・ソブリン・オープン=グロソブの運用元)との合併報道が飛び出しました。続報が聞こえてこないところを見ると報道元の日本経済新聞お得意の飛ばし記事(確証を得ないまま書かれた記事のこと)の可能性も十分にありますが、経営合理化の観点から系列内の運用会社を再編成することは十分にあり得ることだと私は思っています。このように従来型の縦割り系列運用会社には応援の途中ではしごを外されるリスクが常に存在していることを頭の片隅に置いておきたいものです。

一方で直販系投信には先にも述べたように経営基盤の脆弱性というリスクがあります。もしひふみ投信の運用元であるレオス・キャピタルワークスが親会社のISホールディングスから「ひふみ投信は基準価額が高いから買えないという声が多い。よって今後は基準価額を下げるために積極的に分配金を出せ。」と指示されたらどうするか?あるいはセゾン投信が資本業務提携した日本郵便から「経営が黒字化したら直ちに配当を実施せよ。」と求められたらどうするか?というようなリスクが存在することを、こちらも頭の片隅に置いておきたいものです。

理想としては経営基盤が盤石の直販系投信があればよいのですが、そんな運用会社が私たちの回りに果たして存在するでしょうか?その答えは「Yes」です。当ブログをおご訪問いただいた投資に関心のある方なら誰もが知っている超有名なあの会社があるではありませんか。その会社とはズバリ米バンガード社のことです。同社は世界で最も成功している直販系投信と言っても過言ではないでしょう。残念ながら日本国内においてバンガード社は直販を行っていませんが、インデックス投資家にとって理想的な形はバンガード・インベストメンツ・ジャパンが直販を始めることでしょう。日本の証券会社でバンガード社のETFを購入できるようになったことはインデックス投資家にとって確かに飛躍的な進歩ですが、それで満足してしまっていいのですか?日本での直販を最終目標に掲げて、どうしたらそれを実現できるかを考えて行動すべきなのではないでしょうか?

米バンガード社が日本で直販を行わない理由については2年10ヵ月前に書いた「バンガードが低コストを実現できる理由」でも触れましたが、端的に言えば採算に合わないからです。いくら個人投資家の間でバンガード社の認知度が高いといっても、一般的な日本国民の感覚としては「バンガード?ああ、トヨタの車ね。」くらいが関の山でしょう。余談ですがトヨタとバンガードといえばトヨタアセット・バンガード海外株式ファンドを思い出しますね。私も一時期保有していましたが、セゾン投信が誕生する前はこれがバンガード社のファンドを買うためのほとんど唯一無二の選択肢でした。マネックス証券で直接買い付ける方法があるにはあったのですが、確か別途口座管理手数料がかかる仕組みだったと記憶しています。それが今ではネット証券で普通にバンガード社のETFが買えるのですから、(繰り返しになりますが)インデックス投資家にとっては飛躍的な進歩ですよね。しかしいくら海外ETFの特定口座対応が進んでも外国株扱いという高いハードルが残っていることもまた事実です。やはり最終的な理想型はバンガード・インベストメンツ・ジャパンが円建てで、なおかつ特定口座やNISAに対応して、直販を始めることでしょう。日本においてバンガード社の認知度を上げることは決して簡単ではありませんが、その目標がいくら高く険しい道のりだからといって最初から諦めてしまっては決して実現することはありません。私個人としては可能性は決してゼロではないのだからチャレンジする価値は十分にあると思っています。

バンガード社といえば、昨日「VTを含む5本の米国籍バンガードETF™の経費率改定のお知らせ」が発表されましたね。これは「受益者が増える(=預かり資産が増える)→運用の効率化が進みコストダウンが可能になる→また受益者が増える」という好循環が続いていることを意味しています。多くの直販系投信が理想とするこの好循環を実現している直販の本家本元が日本に上陸する日を夢見て、私も微力ながらわが国において少しでも投資への理解が進むよう努力して参る所存です。なお日本では低コストインデックスファンドの代名詞のように認識されている米バンガード社ですが、本国では低コストアクティブファンドも販売しています。以前セゾン投信のセミナーで加藤代表(当時)が「バンガード社で一番預かり資産が多いのは実はアクティブファンド」というお話しをされていた記憶があります。ですから本エントリーで書いた内容は、実は「日本の個人投資家にとっての理想型」になるのかも知れませんね。

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