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ベンチマークの弊害

kage

2015/01/10 (Sat)

私が保有しているひふみ投信やさわかみファンドは運用目標であるベンチマークを設定していません。一般的に国内株式で運用するアクティブファンドであればTOPIX(東証株価指数)をベンチマークに設定する事例が多いのですが、両ファンドはTOPIXの代わりに日経平均株価やJPX日経インデックス400を設定するわけでもなく、あえて運用目標を設定しない方針を採用しています。この方針については批判的な意見もよく耳にします。これを受験生に例えるなら目標校を設定せずに受験勉強をしているようなものであり、自分の学力が合格圏内にあるのかどうかを具体的かつ客観的に判断することができません。あるいはこれを企業活動に例えてみても、組織や個人が目標を設定せずに業務を進めると出した結果に対する評価が難しくなります。ですから「ひふみ投信やさわかみファンドがベンチマークを設定しないのはけしからん!」というご批判はごもっともであると私も思います。しかし逆張りが大好きなハイリスク投機家特有の天の邪鬼な性格を持つ私は、あえてベンチマークを設定することで起こる弊害を考えてみようと思い立った次第です。

それではベンチマークの弊害を指摘する前に、まずその効果を確認しておきましょう。下記はいつものようにYahoo!ファイナンスからお借りしてきたさわかみファンドの5年チャートです。ベンチマークはeMAXIS TOPIXインデックスです。同ファンドは過去に一度も分配金を出していないため、当ブログでは疑似TOPIX配当込み指数として採用しています。

さわかみファンド

青:さわかみファンド
赤:eMAXIS TOPIXインデックス

上記比較チャートを見ると、さわかみファンドの値動きは疑似TOPIX配当込みとほとんど連動しならが成績は劣後していることが一目瞭然です。この結果からアクティブファンドのさわかみファンドをあえて選ぶ理由は乏しいと判断できます。なぜならインデックスファンドのeMAXIS TOPIXインデックスを選んだ方が良い結果が得られたのですから。一見しただけでこのような判断をすぐに下すことができることがベンチマークの大きな効果ですね。

それでも私は、ベンチマークには下記のような弊害もあるとあえて主張します。

1.運用方針を歪める圧力になる

ひふみ投信がTOPIXをベンチマークにしていたと仮定しましょう。昨年10月31日の黒田バズーカ第2弾発動時にTOPIXは跳ね上がったのに対して、ある程度の現金比率を維持していたひふみ投信の基準価額は追随できませんでした。このようなベンチマークとの乖離が広がる局面でファンドマネージャーに焦りが生じ、運用方針(ひふみ投信なら守りながら増やす)よりベンチマークに追い付くことが優先される可能性が出てきます。この弊害は四半期決算を義務付けられた上場企業で考えると分かりやすいかも知れません。株価は四半期決算の内容に大きく影響されますので、ややもすると経営陣は目先の利益を上げることを最優先にして現時点で利益貢献が望めない新たな事業を育てることをないがしろにしてしまうことになりかねません。ベンチマークを設定すると常にそれを上回る成績が求められることになり、長期的視点に立った運用が困難になる可能性があるのではないでしょうか?私個人としては、ひふみ投信に大切な資産を信じて託した以上はできるだけ縛りのない形で思う存分「守りながら増やす」の実現に向けて運用を行っていただきたいと考えています。目先のTOPIXに勝った負けたという低レベル(筆者注:あくまでも私個人の感覚です)の運用はして欲しくありません。

2.言い訳に利用される

これを具体例で示すと「過去1年間のTOPIXはマイナス2%でしたが当ファンドはそれを上回るマイナス1%を達成しました」という運用報告がまかり通ることになります。自分の大切な資産を減らされたのに「ベンチマークを上回りました」と胸を張られても受益者は困惑するばかりですよね。しかし目論見書に「ベンチマークを上回る運用を目指します」と明記されている以上はこれでも立派な目標達成となってしまうのが現実なのです。

3.誤解を招く可能性がある

ひふみ投信とさわかみファンドは現状の運用状況を見る限りでは国内株式型アクティブファンドです。しかし実は両ファンド共に目論見書上は海外株の組み入れも可能になっているのです。さらにさわかみファンドは国内外の債券の組み入れも可能になっているため、やろうと思えば世界経済インデックスファンドのような運用も可能です。そしてひふみ投信は現金比率最大50%が可能になっていることが特徴です。このようなファンドがTOPIXをベンチマークに設定してしまうと、一般的な国内株式型アクティブファンドであるという誤解を招くことにならないでしょうか?とはいえベンチマークはあくまでも目標に過ぎませんのでTOPIXで押し通しても構わないのですが、そんなベンチマークにどれほどの合理性があるのでしょうか?私にははなはだ疑問です。

以上、天の邪鬼な性格の私があえてベンチマークを設定することで生じる弊害を考えてみました。インデックスファンドはベンチマーク指数との連動を目標に運用されますのでベンチマークの設定は必要不可欠ですが、アクティブファンならあえてベンチマークは設定せず独自の運用方針に基づいて絶対的利益を追求するというスタイルもあって良いのではないか?というのが私の意見です。

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