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スチュワードシップコード

kage

2014/07/12 (Sat)

今年に入ってから投資関連の情報を収集していると、表題に掲げた「スチュワードシップコード」という単語をしばしば目にするようになりました。投資歴10年超の私ですが恥ずかしながらこの単語は初耳でしたのでグーグル先生にお伺いを立ててみたところ、野村證券のサイトに詳しい解説がありました。

スチュワード(steward)とは執事、財産管理人の意味を持つ英語。スチュワードシップコードは、金融機関による投資先企業の経営監視などコーポレート・ガバナンス(企業統治)への取り組みが不十分であったことが、リーマン・ショックによる金融危機を深刻化させたとの反省に立ち、英国で2010年に金融機関を中心とした機関投資家のあるべき姿を規定したガイダンス(解釈指針)のこと。



投資先企業の企業価値を向上し、受益者のリターンを最大化する狙いの下、機関投資家は(1)受託者責任の果たし方の方針公表、(2)利益相反の管理に関する方針公表、(3)投資先企業の経営モニタリング、(4)受託者活動強化のタイミングと方法のガイドラインの設定、(5)他の投資家との協働、(6)議決権行使の方針と行使結果の公表、(7)受託者行動と議決権行使活動の定期的報告、を行うべきとする7つの原則で構成されている。

法的拘束力に縛られない自主規制であるが、コンプライ・オア・エクスプレイン(Comply or Explain)として、各原則を順守するか、順守しないのであればその理由を説明するよう求めている点が特徴となっている。


いきなり余談から始めますと、上記説明にあるとおりスチュワード(steward)とは執事、財産管理人の意味を持つ英単語ですが、日本では女性形のスチュワーデス(stewardess)の方が広く知られていますよね。もちろんその意味は現在キャビンアテンダント(CA)と呼ばれている女性の客室乗務員を指すのですが、スチュワーデスという言葉が使われていた当時も男性の客室乗務員はスチュワードと呼ばれていたと私は記憶しています。

余談はさておき、上記の説明をザックリとまとめると、「機関投資家は投資先企業の企業価値向上に向けた行動を取り、以て受益者のリターン最大化を目指す」という意味になります。ちょうど1ヵ月前に書いた「年金運用は辛いよ」の中で私は冗談半分に「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は“物言う株主”になれ」と書きましたが、スチュワードシップコードの受け入れを宣言する(=機関投資家が受益者の利益を最大化するためのスチュワードになると宣言する)ということは投資先企業の企業価値を高めるために言うべき事はキチンと言うという姿勢を貫くという意味に他なりませんので、私の提案もあながち的外れではなかったと安堵しております。なおGPIFは正式にスチュワードシップコードの受け入れを表明しています(日本版スチュワードシップ・コードの受入れについて/【注意】クリックするとPDFファイルが開きます)。

ちなみにGPIFのリリースに「日本版」という前置きがある理由は、そもそもスチュワードシップコードは英国で生まれた仕組みですので、日本流にアレンジして日本国内で適用する際には「日本版スチュワードシップコード」と区別して呼ばれるためです。これは英国生まれのISAが日本に来て日本版ISA(NISA)になったのと同様の流れですね。

いずれにせよ日本の機関投資家がスチュワードシップ・コードの受入れを相次いで表明していることは日本株の未来を大きく変える出来事であると私は考えています。日本最大の機関投資家であるGPIFの動向はもちろん重要ですが、注目すべきは大手生命保険が相次いでスチュワードシップ・コードの受入れを表明していることです。上記解説の(6)に上げられた議決権行使はご承知のとおり株主最大の権利ですが、投資信託の運用会社では行使することが当たり前であるのに対して生命保険では行使しない(あるいは会社提案に無条件で賛成する)のが当たり前だったとも聞きますので、生命保険がキチンと声を上げるようになることは日本株にとって間違いなく大きな転換点になるだろうと私は思います。生命保険がこれまで積極的に議決権を行使してこなかった背景には企業との持ちつ持たれつの関係(株式の持ち合いとか株式を引き受ける見返りに社内への生保レディーの出入りを認めてもらうとか)があったと指摘されていますが、生命保険がそれらのしがらみと決別して受益者(生命保険の加入者)の利益を最大化するために本当に行動できるのか?私は注目していきたいと思っています。

最後にもうひとつ付け加えますと、日本版スチュワードシップコードの受け入れ拡大は5月末に書いた「JPX日経インデックス400に追い風?」にもつながる流れであることは確かでしょう。今週は日銀がETF購入の対象としてJPX400を加えることを検討するとの報道もありましたので(「日銀がJPX400を購入対象に検討へ、流動性高まった段階で(ブルームバーグ)」)、JPX日経インデックス400の動向にも引き続き注目していきたいと考えております。

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