2017 04 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2017 06

続・年金運用は辛いよ

kage

2014/07/05 (Sat)

6月上旬に書いた「年金運用は辛いよ」でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用について触れましたが、昨日のロイターの報道によると昨年度の運用実績も素晴らしい結果を残したようです。

GPIFの13年度運用益10兆円、過去最高に届かず

東京 4日 ロイター:公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4日、2013年度の運用実績を発表した。

アベノミクスで金融市場が円安、株高に振れ、年度ベースでは収益率8.64%(10兆2207億円)と引き続き高い利益を稼いだが、過去最高だった12年度の10.23%からはやや低下した。

収益率の伸びが鈍化したのは1-3月期に株式市況が低迷したためだ。



四半期でみると、この期の収益率はマイナス0.80%と、7・四半期ぶりに損失を被った。資産別の稼ぎは国内債券が0.74%、外国債券が0.51%のプラスだったのに対し、国内株式は7.05%、外国株式は0.13%のマイナスだった。国内株式の損失額は1兆5498億円と、自主運用を始めた2001年度以降で10年4-6月期の2兆0548億円に迫る規模となった。

この結果、3月末の国内株式の構成割合は15.88%と12月末の16.66%から低下する一方、国内債券は53.43%と、12月末の53.40%から上昇した。

その他の資産比率は、外国株式15.03%、外国債券10.66%だった。いずれの資産も基本ポートフォリオで定める比率(国内債券52%─68%、国内株式6%─18%、外国債券6%─16%、外国株式7%─17%)には収まった。

13年度末の運用資産額は126兆5771億円と、12年度末との比較では6兆1118億円増加したが、13年12月末からはやや目減りした。


年金運用は辛いよ」に書いたとおり、GPIFの運用の期待リターンは3.615%であり、運用目標は「現実離れしている」と批判された100年安心プランでも4.2%であったことを思えば、昨年度の収益率8.64%(収益額10兆2207億円)は間違いなく素晴らしい成績であったといえます。それなのに過去最高を記録した一昨年の記録(収益率10.23%、収益額11兆2,222億円)と比較され、「過去最高に届かず」と報道されてしまうのは年金運用の辛いところですね。

しかも上記報道を見ると、収益率がマイナスだった第4四半期をことさらに取り上げて運用の失敗を責めているようにも思えます。しかし投資を実践している方なら常識として理解されているとおり、「リスクを取る」ということは「損失を覚悟する」という意味なのです。これは以前「ファンドの損失は罪ではない」でも書きましたが、運用で損失を出したことを罪として責めるのであれば、そもそもリスクを覚悟の上でリターンを目指す投資や資産運用といった行為が論理的に成立しなくなってしまいます。しかも昨年度のGPIFの運用成績はトータルでは+8.64%だったのですから、第4四半期のマイナスだけを取り上げて責めるのも酷というものでしょう。このように国民の大切な年金資金の運用を任されているという大義名分の下、常に完璧を求められるところも年金運用の辛いところです。例えるならこれは教師や政治家に「清廉潔白」を求めるようなものですね。果たしてそれが本当に良い結果につながるのか?私たちはもう一度考えてみる必要がありそうです。

弱小ハイリスク投機家である私などにGPIFの具体的な運用方法が分かるはずもないのですが、日々投資情報を収集しているとおぼろげながらも見えてきたりします。それは年金運用の株式売買が信託銀行経由で行われるため、その動向から年金の動きがある程度推測できるからです。それらの情報を総合すると、GPIFは結構こまめにリバランスを繰り返していることが分かります。すなわち安くなれば買い、高くなれば売るを細かく繰り返してコツコツと利益を積み上げているのです。このような地道な努力を繰り返して素晴らしい成績を残したことは、素直に評価されて然るべきと私は考えます。

このようにこまめにリバランスを繰り返してきたGPIFなのですが、どうやら最近になって「安くなれば買い」から「高くても買う」に方針転換しているようなのです。これはかねてから噂されている国内株式組入比率の引き上げに関係していると考えるのが自然でしょう。これを「政府の圧力だ」と批判する声もありますが、私自身は将来のインフレと金利上昇に対応するためには国内債券依存から脱却する一環として国内株式組入率引き上げは当然必要だろうと考えています。その是非はどうあれ、もしGPIFが本当に国内株式組入比率の引き上げを断行するのであれば、当然のことながら企業の厚生年金基金や生命保険会社の運用にも少なからず影響を与えることになると考えられますので、私も個人投資家の端くれとしてその動向に大いに注目しております。

GPIFの運用は国民年金や厚生年金加入者だけでなく共済年金加入者(公務員)にとっても決して無縁ではありません。なぜなら共済年金加入者は自動的に基礎年金(国民年金に相当)にも加入していることになっているのですから。私たちが毎月コツコツと年金保険料を支払うことは基本的に投資信託の積み立てを行っているのと同じです。いくらそれが国から強制されたGPIFという名の巨大投信への積み立てであっても、直接自分の年金に関係することなのですから、「少なくとも投資に関心を持つ個人投資家はもっと年金運用に関心を持たなければ」と考える今日この頃です。

(Sponsored Link)

関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック