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国家の行動に常識は通用しない

kage

2014/04/19 (Sat)

このことは直近のロシアによるクリミア自治共和国の自国編入を見れば良く分かります。いくら住民投票の圧倒的な支持があったとしても、常識的に考えればそれを根拠に他国の領土を編入することが許されるはずはありません。このような世界の常識よりも国益を優先する事例は古今東西数多くあり、それが戦争の原因になってきた歴史があります。クリミアでの戦争といえばナイチンゲール(別名クリミアの天使)が活躍したクリミア戦争(1853年-1856年)が有名ですが、この時すでにクリミア半島にはロシア黒海艦隊の基地がありました。だからこそロシアにしてみればクリミア半島は歴史的に最重要軍事拠点であり、どんな理由があろうともこれを手放すことは考えられないという思いがあるのでしょう。そもそもクリミア半島は長い間ロシア領であったものが旧ソ連時代に日本で例えるなら県境を引き直す感覚でウクライナに移管された歴史があります。それがソ連崩壊という予想外の出来事に伴うウクライナ独立でロシアから切り離されてしまいました。ですからロシア国民にとってはクリミアはそもそもロシア固有の領土であるとの認識が強いことは理解できます。だからといって現在は独立国であるウクライナの一部であるクリミア自治共和国を自国に編入して良い理由にはなりません。ロシアがこれを正当化するのであれば、もし仮にサハリン(旧樺太)や千島列島(北方領土を含む)が属するサハリン州の住民がかつて日本の領土であったことを理由に住民投票で日本帰属を求めれば認めなくてはならなくなります。

とはいえもし実際にサハリン州の住民が日本帰属を求めたとしてもロシア政府はその要求を一蹴することは想像に難くありません。それでは国家の行動に整合性が取れないではないかと言われてもあくまでもアレはアレ、コレはコレの姿勢を貫くでしょう。なぜなら「国家の行動に常識は通用しない」からです。国益を追求するためには国家は往々にして整合性の取れない無茶苦茶な行動をするものなのです。

それではここでかつて日本国が行った無茶苦茶な行動の一例をご紹介しましょう。4月といえば新年度の始まりですが、会計年度は4月1日から翌年3月31日までなのに学校の学年はなぜか4月2日から翌年4月1日までです。皆さんはこのことに疑問を感じたことはありませんか?このズレが生じる理由は「年齢計算ニ関スル法律」に誕生日前日終了時点に年を一つとると規定されているからなのですが(つまり4月1日生まれの人は3月31日に年を一つとるので早生まれと見なされる)、常識的に考えれば誕生日に年を一つとるのが自然ですよね?なぜこのような不整合が生じたのでしょうか?

年齢計算ニ関スル法律が施行されたのは明治35年(1902年)12月22日ですが、当時の日本では出生届の提出が今ほど厳格ではなかったため届け出た誕生日が実際の出生日と異なることも珍しくありませんでした。特に3月下旬に生まれた子供は同学年の中で最後の方になるのはかわいそうだからという親の意向で4月1日生まれとして届け出る事例が多く、4月1日生まれの子供が突出して多くなるという状態になっていました。そしてここに徴兵令が絡んできます。徴兵令は4月1日時点で満20歳に達した青年に兵役の義務を負わせるものですが、国はさらに多くの兵員を集めたいと考えて翌年の4月1日生まれの青年も徴兵の対象になるように「年齢計算ニ関スル法律」を作ったという説があります。これも国益の追求の前には常識は通用しない一例といえるのではないでしょうか?

国の行動に整合性が取れない事例は今も当たり前のように存在します。この4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられましたが、本来なら国の無駄をギリギリまで削った後で国民に負担をお願いするはずではなかったでしょうか?それでは実際に国の無駄はギリギリまで削られたのでしょうか?憲法違反が指摘されている国会議員の定数是正も遅々として進まない現状を見るととてもそうとは思えません。アベノミクス第三の矢である成長戦略でも、少子高齢化時代では事実上破綻している現役世代が高齢世代を支える社会保障制度の改革でも、国益・省益(お役人の利益)・政治家の利益(支持母体の既得権)などが厚い壁になっており、なかなか前に進むことができません。このような背景から、これからも国が常識外れの行動を取る事例は数多く出てくるでしょう。相場が決して合理的に動いてくれないように、国家も決して合理的には動いてくれないことを私たちは肝に銘じる必要がありそうですね。

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