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インデックスファンドの評価基準

kage

2014/03/08 (Sat)

当ブログでは過去に何度も指摘しておりますが、インデックスファンドの評価基準はコストの安さではなく、ベンチマーク指数にいかに正確に連動する運用ができるかです。すなわち最高のインデックスファンドとは最も低コストのファンドではなく、ベンチマーク指数に最も正確に連動したファンドなのです。

実を言うと、本エントリーはまったく別のテーマで書くつもりでした。当初メインテーマに据えようと考えていたのは「国内債券最強伝説の終焉」でした。そのきっかけとなったのは一昨日に流れた「厚生労働省の社会保障審議会年金部会が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公的年金の運用方針についてあらかじめ国内債券中心を示す必要はないとの報告を示した」というニュースです。日本国政府や地方自治体が巨額な借金を抱えていつ財政問題が噴出してもおかしくないのに国内債券が不思議な強さを維持していられる一因は、借金の引き受け手がほとんど国内であるためです。つまり現状は金遣いの荒い親が子供から借金を重ねている、いわば家庭内の問題なので危機感が希薄なのです。しかし借金の大きな引き受け手であった年金の運用方針転換はこの状況を変えるきっかけになる可能性が十分にあると私は考えます。子供から借金ができなくれば他人(=外国人)からお金を借りなくてはならなくなります。外国人は身内ではないので借金の取り立ては厳しいでしょう。そうなると日本の財政問題もクローズアップされることになり、国内債券最強伝説は根底から揺らぎかねません。

そもそも長く続いたデフレの時代においては現金保有が最善の選択であり、投資においては国内債券が最強でした。しかしアベノミクスがもたらす日本の未来に書いたように、私はアベノミクスが成功するにせよ失敗するにせよ私たちを待ち受けている未来はインフレの時代だと考えています。もしそうであればデフレ時代の常識は一転して非常識になります。

当初は以上のような主旨を「侮ってはいけない国内債券」の続編として書こうと思っていました。そこで当時国内債券インデックスファンドの代表として使わせていただいた「年金積立インデックスファンド国内債券」の月報を改めて確認してみたところ、黒田日銀の異次元緩和で一時乱高下したもののその後はまた右肩上がりのトレンドに復帰していることが分かりました。しかし私が気になったのはむしろベンチマークとの乖離の大きさの方でした。

年金積立インデックスファンド国内債券

これではとても「優れた」インデックスファンドとは言えないと思い、他社の国内債券型インデックスファンドをいくつか調べてみたところ、多少の差はあってもどれも似たような状況(=ベンチマーク指数から下方乖離している)であることがわかりました。これでは国内債券型インデックスファンドはどれも「落第」ファンドとなってしまいます。そこで乖離の理由を探るべく先日発行されたばかりのeMAXIS国内債券インデックスの運用報告書を閲覧したところ、すぐに判明しました。eMAXIS国内債券インデックス第5期決算におけるベンチマーク指数との乖離率はマイナス0.5%でしたが、その内の0.4%は運用以外の管理コスト等が要因でした。すなわち期待リターンが低い国内債券型インデックスファンドでは相対的にコストが運用成績に重くのしかかるため、このような下方乖離が生じたというわけですね。このように債券運用においてはインデックスファンドといえどもキッチリ平均点を取ることは困難なのです。この結論を得てようやく思い出したのですが、当ブログでもずいぶん以前にこのことは書いた記憶があります。つまり過去にも調べていてその結果を忘れていただけというお粗末な結末でした。

そこで今回は調査をさらに一歩進めて、下方乖離が激しい中でも相対的に「優れた」ファンドを探してみようと思い立った次第です。これでようやく本エントリーのタイトルにつながったわけです。

上でご紹介した年金積立インデックスファンド日本債券のベンチマーク指数は日興債券パフォーマンスインデックス(総合)で、1月末時点の過去1年と過去3年の騰落率は2.45%と7.14%です。これに対してファンドの運用成績は1.94%(-0.51%)と5.62%(-1.53%)となっています(筆者注:分配金再投資+税金考慮せずで計算しています)。

これに対して他の主な国内債券型インデックスファンドはいずれもベンチマーク指数をNOMURA-BPI総合に設定しています。その1月末時点の過去1年と過去3年の騰落率は2.47%と7.22%です。これに対する各ファンドの実績を上記の形式に従って下記に列挙します。

SMT国内債券インデックス・オープン
過去1年2.09%(-0.38%)、過去3年5.97%(-1.25%)。

eMAXIS国内債券インデックス
過去1年2.02%(-0.45%)、過去3年5.82%(-1.40%)。

日本債券インデックスe
過去1年2.02%(-0.45%)、過去3年5.78%(-1.44%)。

野村インデックスファンド国内債券(Funds-i)
過去1年2.04%(-0.43%)、過去3年5.88%(-1.34%)。

これらの結果からベンチマーク指数との連動という評価基準で順位付けをすると以下のとおりとなります。

1位:SMT国内債券インデックス
2位:野村インデックスファンド国内債券(Funds-i)
3位:eMAXIS国内債券インデックス
4位:日本債券インデックスe
5位:年金積立インデックスファンド日本債券

この結果を相互リンクさせていただいているインデックス投資日記@川崎の「低コストインデックスファンド6種の実質コスト比較 (2014年3月)」と見比べてみますと、SMT国内債券インデックスがコスト、運用成績ともにトップであることが分かります。しかしコストで2位の日本債券インデックスeは運用成績では4位であり、コストだけでファンド選びをすることは必ずしも正しくないという現実を示してくれています。

以上、インデックスファンドを選ぶ際の何かの参考になれば幸いです。

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