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投資に関する根強い誤解

kage

2014/02/09 (Sun)

投資に関心を持ち、実際に投資の世界に足を踏み入れてみると、そこにはさまざまな誤解が存在し、しかもそれらが根強く残っていることを実感します。今回はそんな誤解の中から代表的なものをピックアップしてみたいと思います。

今回ご紹介する誤解は、当ブログでも過去に取り上げたことがあるものばかりなのですが、その最たるものといえば間違いなくこれでしょう。

1.投資は博打(ギャンブル)、あるいは金持ちの道楽である。

私自身、ハイリスク投機家を自認しておりますので、投資に博打(ギャンブル)の側面があることを否定しませんし、金持ちが道楽で行うことがあることも認めます。ですからこの指摘は単純な誤解ではありません。しかしこれは投資をあるひとつの側面からしか見ていません。例えるならNISA(少額投資非課税制度)を非課税という側面からしか見ないのと同じようなものです。投資に関心を持ち当ブログをご訪問いただいた皆さまなら、投資が個人の資産形成のための有力なツールになることは重々ご承知のことと思いますし、個人がリスクを承知の上で経済活動にお金を流すことの意義や効果、またその行為の尊さも十分に理解しておられるでしょう。しかしその認識がわが国ではなかなか浸透しないことが、私には歯がゆく思えます。

突然ですが、自分が起業を思い立ったと仮定してみてください。起業の理由は「自分の画期的なアイディアを商品化したい」でも「長年の夢だった小さなお店を開きたい」でも構いません。さらに言えば「起業」でなくても構いません。「退職後のセカンドライフは都市部から地方に移住して自給自足の生活を送りたい」というような希望でも結構です。もしその夢の実現に向けた行動が自己資金だけで始めることができれば、何の問題もなく第一歩を踏み出すことができるのですが、もし手元に十分な資金が用意できなければ、誰かからお金を出してもらわなければなりません。あなたの夢を実現するためにお金を出してくれる人とはいったい誰でしょう?銀行、ベンチャーキャピタル、両親・親戚、友人・知人などなど、いろいろなケースが想定できますが、いずれにせよあなたの事業計画かあなた自身を信用してリスクを承知でお金を出してくれる人の存在が必要です。

このように自分が出資を受ける立場になってみれば、リスクを承知の上で経済活動に流される資金のありがたみが身に染みて理解できるでしょう。そう考えてみると、わが国の起業率の低さが投資への理解が進まない一因のような気もしてきますね。

さて、続いてご紹介する投資に関する根強い誤解はこれです。

2.投資信託の分配金は利息である。

この誤解が広まった一因には、かつて金融機関が行った「分配金利回り」というまやかしの表現を使った販売促進活動にあると私は考えています。ずいぶん以前の話ですが、ある銀行で投資信託の分配金を「お利息」と説明されたという実例も聞いたことあります。基準価額が個別元本を上回った状態(=含み益がある状態)で出される分配金(普通分配金)は原資が運用益であるため、利息に近い性格があることは確かです。しかしあくまでもそれは似たような性格であり、この場合の分配金は税制上は「配当」として扱われ、税制上の「利子」とは明確に区別されます。ですから、同じ誤解をするにしてもせめて「投資信託の分配金は配当である」と言って欲しいと思います(おかしな希望ですが)。

この誤解が根強い理由のひとつにはこのような税制上の複雑な仕組みがあると思われます。基準価額が個別元本を下回った状態(=含み損がある状態)で出される分配金は原資が元本であるため、元本払い戻し金(旧・特別分配金)と呼ばれ税金がかかりません(非課税)。これは自分が預けた元本を取り崩して返却してもらっているだけなのだから当然なのですが、かつての特別分配金という呼称から「税金がかからない特別な分配金」との誤解が広まる結果となり、元本払い戻し金という呼称に改められた経緯があります。ですから含み損を抱えた状況で出される分配金は利息でも配当でも売却益でもありません。目減りしてしまった元本を取り崩して返却してもらっているに過ぎません。そういう意味では元本払い戻し金は銀行口座から預金を引き出しているのと本質は同じです(元本が毀損している分だけ銀行口座より悲惨です)。もし仮に自分の銀行口座から毎月自動的に1,000円ずつ引き出してくれるサービスがあったとして、その1,000円を受け取って嬉しいですか?

さて、続いてご紹介する投資に関する根強い誤解はこれです。

3.基準価額が高い投資信託を買うのは不利である。

この誤解については、昨年5月に書いた「ひふみ投信定期積立経過報告」でも触れました。その時にFacebookのレオス・キャピタルワークスのページで「最近お問い合わせが多い」とのコメントをいただき、実際に基準価額の高さからひふみ投信の購入をためらっている方が多いことを知りました。個別株では一時的に人気が過熱して、実態とはかけ離れたとんでもない高い株価が付くことが現実にあります。このような株を買うことは、いわゆる「高値掴み」になる可能性が非常に高く、明らかに不利(危険)だと判断できます。しかしひふみ投信の基準価額が高いから不利になると考えるのは明らかにナンセンスです。何故ならひふみ投信の基準価額は人気化して買われたから上がったわけではないからです。ひふみ投信の基準価額が高くなったのは、純粋に過去の運用が上手くいったからです。ひふみ投信のようなアクティブ型投資信託の基準価額を決める最大の要素がこの過去の運用成績です。そういう意味では、基準価額が高いことはむしろポジティブ(前向き)に捉えて良い要素だと私は思います。投資の世界では「過去の実績は未来を保証しない」が原則ですが、それでも心理的には過去に成功した投資信託の方が安心感が高いですよね。さらに投資信託の基準価額に大きな影響を与える要素があります。それが2でも触れた分配金です。分配金を出せばその分だけ基準価額が低下しますので。過去にたくさん分配金を出した投資信託ほど基準価額は低くなります。加えて期待リターンがプラスの資産に投資するという原理原則を考えれば、運用期間が長い投資信託ほど基準価額が上がりやすいともいえます。だからこそ、今の基準価額だけで有利・不利を決めるのはナンセンスなのです。

もしひふみ投信の組み入れ銘柄が「一時的に人気が過熱して実態とはかけ離れたとんでもない高い株価が付いた銘柄」ばかりであれば、いわゆる「高値掴み」になる可能性が非常に高いと判断できるでしょう。しかしそれは今の基準価額とはまったく関係はありません。基準価額が低い投資信託であっても同じ判断になります。このように投資信託の有利・不利を決める要素は運用能力、運用方針、組み入れ銘柄などであり、現在の基準価額とは無関係です。実際にはあり得ないことですが、もし仮にひふみ投信が「今が相場のピークだ」と判断して組み入れ銘柄をすべて売却して現金保有率100%にしたとしても、基準価額が高いから不利だと思いますか?

以上、今回は投資に関する代表的な根強い誤解を取り上げてみました。1は別にして、2と3には誤解を解くヒントがあります。もし「2.投資信託の分配金は利息である。」が真実であれば、個人投資家は毎月分配型投資信託に群がっているはずです。また「3.基準価額が高い投資信託を買うのは不利である。」が真実であれば、私は毎月コツコツと積み立てているひふみ投信を即刻すべて売却して、中身は同じでも基準価額の低いひふみプラスに乗り換えます。しかし実際にはそうなっていません。ということはこれらの仮説に誤解か矛盾か論理の破綻があると疑うのが自然でしょう。虚実が入り乱れてさまざまな情報が飛び交う投資の世界では、まず疑ってみることが大切です。それが最終的に自分を助けることにもつながりますので。

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