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投資信託の定期分配と定期売却は同じではありません

kage

2014/02/01 (Sat)

投資信託の定期分配と定期売却は自分の信託財産を取り崩すという点では同じなのですが、制度上(特に税制上)の扱いはまったく別物ですので注意が必要です。この件についてはSBI証券が投資信託定期売却サービスを開始する際に書いた「投資信託定期売却サービスの注意点」でも触れておりましたが、最近になってカン・チュンドさんのブログで「毎月分配金をもらうことと、定期的にファンドを解約することはまったく同じ理屈なのです」を拝読した私は、持ち前の天の邪鬼精神を発揮して改めて両者の相違点について取り上げてみようと思い立った次第です。

改めて申し上げますが、投資信託の定期分配と定期売却は自分の信託財産を取り崩すという点では同じ理屈なのですが、制度上(特に税制上)の扱いはまったく別物ですので注意が必要です。先にご紹介した当ブログのエントリーにも書きましたが、それを一言で表現するとすれば下記のとおりとなります。

定期分配≠定期売却

下記は「投資信託定期売却サービスの注意点」で使用した表です。それでは当時の説明文を現状に合わせて加筆・訂正しながら定期分配と定期売却の違いを説明してみましょう。

定期分配定期売却
個別元本<基準価額
(利益有り)
税目配当所得株式等の譲渡所得
損益通算
個別元本>基準価額
(損失有り)
税目なし(非課税)株式等の譲渡所得
損益通算不可

ご覧のとおり両者の一番の相違点は税目です。具体的には定期分配は個別株の配当と同じ扱いで、定期売却は個別株の売却と同じ扱いとなります。ただし両者とも利益への税率は20%、株式や投資信託の売却損との損益通算も可能ですので利益がある場合は現実的には大きな違いはありません。大きな相違点が生じるのは損失がある場合です。

筆者注・「利益がある場合は現実的には大きな違いはありません」と書きましたが、税目が異なりますので自ずと相違は生じます。具体的には配当所得なら税金が源泉徴収されるため確定申告なしで済ませることが可能です。また確定申告で総合課税を選択すれば配当控除を受けることも可能です。これに対して株式等の譲渡所得の場合は特定口座(源泉徴収あり)を使っていない限りは確定申告を行う必要があります。

損失を抱えた状態で出される分配金は「元本払戻金(特別分配金)」と呼ばれ、元本を払い戻してもらうという扱いで課税されません。非課税ですから損益通算をしたくてもできません。元本払戻金(特別分配金)が支払われると個別元本がその分だけ減少しますが抱えた含み損はそのままです。このあたりの仕組みについては以前「特別分配金の罠」で触れていますのでよろしければご参照ください。これに対して定期売却では損失確定(いわゆる損切り)を行うことになります。もし同一口座内に株式や他の投資信託の売却で生じた利益があれば自動的にそれと相殺されますので特に気にすることはありません。しかし不幸にして年末にトータルで赤字が残ってしまった場合は確定申告で損失の繰り越しをしなければ利益と相殺する権利が消滅してしまうのです(確定申告を行えば翌年以降最大3年間損失の繰り越しが可能です)。投資信託定期売却サービスを利用されるに当たっては、特別分配金では気にする必要がなかった損失の処理を常に気にしておく必要がある点にご注意ください。

筆者注・定期分配と定期売却には税制上の取り扱い以外にも大きな違いが存在します。それは信託財産留保額の取り扱いです。

定期分配定期売却
信託財産留保額不要必要

信託財産留保額とは投資信託を売却する受益者が手数をかける迷惑料として信託財産に残していくお金のことです。定期分配は売却ではありませんので当然のことながら信託財産留保額は不要です。これに対して定期売却は文字通り売却ですので信託財産留保額が必要になります。従って信託財産留保額が高めに設定されている投資信託では「塵も積もれば山となる」で、長期的には大きな差が生じることになります。

このように投資信託の定期分配と定期売却は自分の信託財産を取り崩すという点では同じ理屈なのですが、制度上の扱いはまったく別物ですのでご注意ください。

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