2017 04 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2017 06

チャイナリスク

kage

2013/07/13 (Sat)

昨日はひふみ投信の定期積立約定日でした。そこでいつものようにひふみ投信設立時からの同額の定期積立を行っている私の運用成績をご報告を・・・と言いたいところではありますが、取引報告書の発行が3連休明けの16日となるため定時報告はまたエントリーを改めさせていただきます。それではなぜ冒頭からひふみ投信の名前を出したかと言いますと、本エントリーのタイトルとした「チャイナリスク」とひふみ投信の運用に密接な関係があるからです。具体的には日本株にようやく底入れ感が出てきた6月の運用で、ひふみ投信はチャイナリスクを警戒して現金比率を高める「弱気」方針に転換しました(詳細につきましては6月度の運用報告書「ひふみのあゆみ」をご参照ください)。リーマンショックで大きな痛手を受けた世界経済が立ち直る過程で、その回復を先導してきたのは間違いなく中国でした。その中国において、急速に大きなリスクとして認識されるようになったのが「影の銀行(シャドーバンキング)」問題です。ひふみのあゆみには「この問題は中国政府がコントロールを間違えると第二のリーマンショックになる可能性も秘めており、軽視するのは危険だと考えています」と書かれていましたが、私自身もこれには強く同意しております。

そもそも「影の銀行(シャドーバンキング)」問題とは何か?を私の聞きかじりの生半可な知識でご説明しますと、一般的には通常の銀行ではない金融機関が行う金融仲介業務のことを指します。通常の銀行ではない金融機関の具体例としては投資銀行、信託会社、ヘッジファンドなどが挙げられます。つまり、厳しい規制が及ばない金融機関が資金の貸し手になるところに「影の銀行(シャドーバンキング)」問題のリスクの源泉があるわけですね。私がテレビで見た「影の銀行(シャドーバンキング)」の実例では、企業が設備投資を理由に銀行から借り入れた資金を本来の設備投資には使わず他者に貸し付けたり(いわゆる「又貸し」ですね)、地方政府が安全・高利回りを謳って発行した公債を販売して得た資金を都市開発に注ぎ込んだりしていました。その結果、今の中国で起こっていることは投資目的のマンションが続々と建設され部屋は売れても誰も住まいゴーストタウンがあちこちに出現したり、地方政府が農民を強制的に立ち退かせてまで推進した大規模都市開発で完成した新都市もいつまで経ってもゴーストタウンという一般通念からはかけ離れた不都合な現実です。それでも中国の経済がこれまで通りの高成長を継続できるのならば問題は表面化しないのでしょうが、景気に陰りが出てくればこれらのゴーストタウンは一気に不良債権化するリスクが顕在化します。これはかつてバブル経済を体験した日本が通ってきた道でもあります。中国には沿岸部の大都市と内陸部の地方都市の間の格差拡大という大問題が存在していましたが、それでも国全体の経済が発展していれば何とか人民の不満を抑えることもできました。しかし国全体の経済がおかしくなると、中央政府が人民の不満を抑えることが困難になり、最終的には体制崩壊に至るという実例は「アラブの春」で何度も目にしましたし、現在エジプトで起こっていることでもあります。かつてのソ連→ロシアのように中国の共産党一党独裁体制が崩壊して資本主義陣営入りすることになるのであれば、長期的には世界経済にとってはプラスでしょう。しかし体制崩壊のショックは下手をするとリーマンショック級の衝撃になる可能性があることも覚悟しておく必要がありそうですね。

バブル崩壊後にバブルの時代を振り返ってみると、常識では考えられないようなことが起きているものです。これは以前にも書きましたが日本のバブル期には日本株の時価総額合計でアメリカ全土が買える計算になっていました。実際に三菱地所はロックフェラーセンターを買い、ソニーはコロンビア映画を買い、安田火災海上はゴッホの「ひまわり」を買って話題になりました。また不動産価格が上がり過ぎて一般的なサラリーマンが都内にマイホームを持つことは事実上不可能となってしまいました。このため当時のサラリーマンは郊外の新居から2時間かけて通勤したり、企業が積極的に新幹線通勤を認めたりという状況になっていました。それなら以前から都内に自宅を持っていた人はラッキーだったかといえばそんなことはなく、固定資産税が跳ね上がり、相続時には多額の相続税が支払えないという事例が続発しました。今では見かけない「地上げ屋」という職業が話題になったのもバブル期の特徴でした。今にして思えば信じられない時代でしたね。

アメリカの住宅バブル崩壊の象徴はサブプライムローンでしたが、問題が顕在化する数年前のテレビ番組でアメリカのリバースモーゲージ利用の実例を紹介していた内容を私は今でもよく覚えています。リバースモーゲージとは自宅を担保にお金を借りる仕組みのことで、現在の日本では老後の資金確保手段として各金融機関がサービスを提供していますのでご存じの方も多いかと思います。当時の番組ではこのリバースモーゲージを利用している家庭が借りたお金をすべて消費に回していること、また住宅価格の上昇で自宅の評価額が上がれば借入枠も増えるため新たに借り入れをして消費に回していることを伝えていました。私はこの番組を見てこの仕組みはいつかは崩壊すると感じました。当時のアメリカの好景気はこのような家庭の消費に支えられていたのです。今にして思えば砂上の楼閣であったことがよく分かりますね。

現在の中国に多数存在するゴーストタウンに果たして人が住む日が訪れるのか?そこがバブル崩壊に向かう分岐点になると個人的には感じています。最終的に中国共産党は体制維持のためにはなりふり構わずどんなことでもするかも知れません。例えば大規模都市開発をした新都市に日本人高齢者を誘致して日本人街を作るとか。そして高福祉・低課税で優遇して安心してお金を使ってもらうのです。ご承知のとおり日本の個人資産の多くは高齢者が保有しており、安定した年金給付も受けているため、将来に対する不安さえなくなればその消費効果は大きいでしょう。この案が実現するかどうかはともかく、中国共産党が体制崩壊に危機に立たされたら、予想もできないような大胆な(無茶な)策を打ち出してくる可能性にも十分に注意が必要ですね。

(Sponsored Link)

関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック