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人は誰のために働くのか

kage

2013/07/12 (Fri)

来年から始まるNISA(少額投資非課税制度)の口座開設受付開始まで残すところあと3ヵ月を切り、各金融機関は顧客囲い込みのため大量にテレビCMを投入し始めています。そんなテレビCMのひとつに個人的に大変印象深いものがあります。それは3年以上前に書いたこちらのエントリーでご紹介したのと同じCMで、今回NISAバージョンとして復活したようです。ご参考までに当時書いた内容の一部を下記に再掲させていただきます。

実際に多くの日本人が誰にお金まわりの相談をするかというと銀行や証券会社の従業員が一般的です。これは「無料で気軽に相談できる」という点がメリットとして広く受け入れられているという証拠であり、テレビ東京系の朝の経済情報番組「モーニングサテライト」でよく目にする某証券会社のCMなどは下記のような内容で自社の優位性をアピールしています。

女性A:「私ね、投資信託とか株とか始めようと思って。でも証券会社って何で選んだらいいのかしら?」
女性B:「いい相談相手のいるところね。私は○○証券。××のマークよ。」
ナレーション:一人ひとりに、価値あるアドバイスを。○○証券。



さてここで冷静に考えてみてください。FP(ファイナンシャルプランナー)は個人のお金まわりの相談に乗るのが仕事ですから適正な対価(料金)をもらってサービス(アドバイス)を提供します。それでは無料で相談に乗ってくれる銀行や証券会社の従業員は慈善事業でサービスを提供してくれているありがたい存在なのでしょうか?もちろんそんなはずはなく、銀行や証券会社が無料で相談に乗ってくれるのはあくまでも自社で扱う金融商品を買ってもらうことを前提とした販促活動の一部なのです。ですからあえて極端な表現をするならば、FP(ファイナンシャルプランナー)は常に顧客の利益を第一に考えるのに対して、銀行や証券会社の従業員はまず会社の利益を第一に考えなければならないという制約が存在するわけです。これは顧客に提供するサービスの対価が会社から支払われるのですから当然といえば当然ですね。私自身は銀行や証券会社に相談に行くことはテレビ局に行って「どの番組が面白いでしょうか?」と聞いているようなものだと思います。もしテレビ局にそんな相談をしたら当然のことながら自局の番組以外は紹介しませんよね。これと同じで銀行や証券会社で相談しても自社で扱っている金融商品しか紹介できないという限界が存在します。また購入することを前提に相談しているという大前提があるため、詳しく聞いてみるとさまざまな状況から金融商品を買うべきではないと判断できる顧客に対しても立場上なかなかNOとは言いにくいでしょう。これらの観点から私自身は金融機関における無料の相談が本当に顧客のメリットになっているのかについては大いに疑義を持っています。昔から「ただより高いものはない」といいますからね。


上記のエントリーで私は「FP(ファイナンシャルプランナー)は常に顧客の利益を第一に考える」と書いていますが、これも報酬をどこから得ているかによって信頼度は著しく変わってきます。FPにFee(報酬)を支払って相談するという習慣が定着していない日本においては、多くのFPが金融機関や保険会社から報酬を得ることで生業(なりわい)を成立させているのが現実です。「命の次に大切」と表現されることもあるお金に関する相談をする時には、その相談相手の報酬は誰が払っているのか?をまず考える習慣を付けたいものです。その相談相手が真に親切心からボランティアで相談に乗ってくれているのなら何の問題もないのですが、金融機関や保険相談窓口にいる相談員は間違いなくそうではありませんので。「人は報酬を出してくれる人のために働く」という大原則を常に忘れないようにしたいものですね。

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