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続・いつかはゆかしの有効活用法

kage

2013/02/24 (Sun)

前回のエントリーに引き続き、いつかはゆかしの公式サイトをテキストにしながら個人投資家が金融系の広告を見る際にどんな点に注意が必要かを検証して行きたいと思います。

公式サイトのトップに誇らしげに書かれている「積み立てしたい商品・サービス第1位(2012年)」については私もいろいろとツッコミを入れたいところなのですが、調査における具体的な質問内容が分からないためコメントは差し控えさせていただきます。なお調査の詳細についてはこちらで公表されていますが、この調査の依頼元がアブラハム・プライベートバンク自身であった点には留意が必要であると考えます。ちなみにこの調査で私が一番知りたいことは、海外ファンドお取り寄せサービスである「いつかはゆかし」と金融商品である国内の投資信託(ファンドそのもの)を同列で比較するような無茶はやっていないだろうな?という点です。

それでは次にQ&A(よくあるご質問)から気になる点をピックアップしてみましょう。まず最初に気になったのは税金に対する質問です。その回答は下記のとおりです。

海外で積立をしている間は国内課税はかからないため、複利で資産増加を狙うことができます。これは海外投資の大きなメリットです。

ただし、海外から国内に資金を戻すタイミングで、売却益に対して20%が課されます。期間途中でも積立期間完了時でも同様です(2012年10月現在)。


当ブログをご訪問いただいている投資に関心の高い方ならご承知のとおり、日本で積み立てをしても利益を確定したり普通分配金を受け取ったりしない限りは課税されませんので最初のセンテンスは不要ですね。逆に利益確定を行うと海外直接投資では上記のように売却益に対して20%が課税されますので、日本国内の証券優遇税率10%が適用されない分だけ不利になります。またここには書かれていませんが、特定口座や日本版ISAも使えない点には留意が必要です。つまり「いつかはゆかし」で利益確定を行えば、その都度自分でその時点の為替レートを調べて取引報告書を作成してちょうど今の時期に確定申告を行わなければならないわけで、私はその手間を考えただけで嫌になります。また特定口座に入らないことでリタイア後の人は国民健康保険料の計算などで不利になる可能性がある点にも注意が必要ですね。私が海外ETFをいまだに「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」の投票対象としない理由もまさにここにあります。

次に気になったのは「お取り寄せできる海外ファンドの固有名詞を教えてください。」に対する以下の回答です。

申し訳ありません。法令の関係上、ご入会前の皆さまには金融商品やファンドに関する具体的なご質問にお答えすることができません。(後略)


アブラハム・プライベートバンクは投資助言会社なので入会前の人に手の内を見せるわけにはいかないという趣旨は私にも理解できます。しかし私が気になったのはこの趣旨に対する言行が一致していない点です。例えばアブラハム・グループ社長日記(公式)の2012年12月30日付けの記事には下記のような記述があります。

(テレビCMを放送してもらうために)結局、「いつかはゆかし」でアブラハムが推奨する各個別ファンドごとに、海外の業界紙や、アワード受賞の証拠を集めて、それをテレビ局に提出してなんとか納得してもらった次第です。


またTwitterでは「いつかは ゆかし(サポートスタッフ)」が下記のようなツイートをしています。


何も私は建前と実際の運用に不一致があってはならないと言っているわけではありません。もし建前を貫くのであれば社長や広報が「マスコミだけ特別扱いしました」と書き込むべきではないし、逆にある程度柔軟な運用をするのであればマスコミに公表した情報を公式サイトにも掲載して欲しいと思う次第です。

次に気になったのは「海外のファンド会社が倒産したら、私の資産はどうなりますか?」に対する下記の回答です。

ご安心ください。多くのファンドは、投資家の資産を分別管理しており、運用会社が倒産してもお客様の資産に影響はありません。なお、日本の銀行が倒産した場合には上限1000万円までしか保証されませんが、マン島に籍を置く金融機関(海外積立プログラム提供会社)では、投資家の時価の90%がマン島政府によって保証されます。マン島政府は日本政府より格付けが高く安全です(2012年10月)。


ファンドの話をしているはずなのに、なぜか日本の比較対象は銀行預金です。ご承知のとおり日本のファンド(投資信託)は厳正に分別管理が行われており、販売会社・運用会社・信託銀行のいずれが倒産しても保有資産は全額保護の対象となります。これは資産額が1億円でも10億円でも同じです。これに対してマン島籍の金融機関では9割しか保護されないのでわざと比較対象のすり替えを行ったのかと疑いたくなりますね。

この他にもまだ重箱の隅をつつきたい点は多々あるのですが、長くなりましたので本エントリーは以上とさせていただきます。今回のエントリーで金融系の広告を見る際の注意点を再確認していただければ幸いです。

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この記事へのコメント

kage

同感です。

前回の記事とあわせて拝見しました。

私も今回の出来事に対し「ただ騒ぐ」のではなく、今後の類似商品・サービスへの注意喚起として捉えたいと思いました。

Posted at 20:09:09 2013/02/24 by レバレッジ君

この記事へのコメント

kage

レバレッジ君さん

コメントありがとうございます。

いまだに多くの金融広告を疑義の目で見る必要があることは誠に寂しい限りですが、私たち個人投資家がいろいろな事例を見て賢くなることが最大の防御策ですね。

Posted at 07:13:49 2013/02/25 by おやじダンサー

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kage


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