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いつかはゆかしの有効活用法

kage

2013/02/24 (Sun)

相互リンクさせていただいている吊られた男の投資ブログで問題提起されている「いつかはゆかし」については私も投信ブロガーの端くれとして関心を持っておりました。そこで密かにネット世論を探ってみると「いかにも怪しい」とか「詐欺じゃないのか?」といったいわれのない誹謗中傷が多く目に付いたため、持ち前の天の邪鬼精神を発揮して擁護記事を立ち上げようと思い立った・・・わけではなく、本エントリーのタイトルはご想像通り精一杯の皮肉を込めたものです。

とはいえ私自身は「いつかはゆかし」のビジネスモデルを全否定はしません。海外のヘッジファンドに直接投資したいというニーズは確実に存在するでしょうし、直接投資のハードルが極めて高いこともまた事実です。ですから日本の個人投資家と海外のヘッジファンドの橋渡しを行うビジネスは個人的には「あり」だと思っています。それなのに「いつかはゆかし」が「いかにも怪しい」とか「詐欺じゃないのか?」という誹謗中傷を浴びることになった原因は広告や販売促進の方法にあるのではないかと私は感じています。

それでは本エントリーのタイトルに掲げた「いつかはゆかしの有効活用法」とはズバリ何であるかと申しますと、金融系の広告を読む際の注意点を説明する絶好のテキストとして活用できることです。これは「いつかはゆかし」に限らずすべての金融系広告に共通する注意点ですが、目を皿のようにして掲載内容を読まなければ重要な情報を見落としたり、誤解したりしてしまうケースが多々あります。また金融系に限らず他の業界の広告にも共通する注意点としては、あえて不利な情報は書かないこともある点も念頭に置いておくべきでしょう。

早速いつかはゆかしの公式サイトを見ながら、私たち個人投資家はどんな点に注意すべきかを考えて見ましょう。

いつかはゆかしの特長1・長期積立で、月5万円で1億円を目指せます。

この表現では「1億円が達成できる」とも「貯まる」とも書いていないところがミソです。まあこれはある程度投資に関心のある方なら基本中の基本ですね。それでは次に1億円を目指すのは誰かを考えてみましょう。アブラハム・プライベートバンクは投資助言会社なのだから1億円を目指したファンド選びを助言してくれると思ったあなた、その考えは甘いかも知れませんよ。なぜならQ&A(よくあるご質問)の中に下記のような注意書きがあるからです。

当社は、会員様に対して、国内外の各種金融商品に関する評価分析・比較結果などの情報提供をいたしますが、個別金融商品の勧誘・売買・媒介は一切行いません。銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身の判断でなさるようにお願い致します。


私たちは「アブラハムだけが目利きで優良ファンドが分かる」という主観的な立場を取っていません。


つまり「いつかはゆかし」で1億円を目指すのはあくまでも顧客であり、アブラハム・プライベートバンクが1億円を目指して個別ファンド選びの助言をしてくれるわけではないという点には注意が必要ですね。上記の表現からの理解では、過去に優秀な成績を残したファンドに投資していれば1億円は達成できるはずだ、ということのようです。なお念のために申し添えておきますが、投資の世界においては「過去は未来を保証しない」が常識です。

余談ですが、特長1で使われているようなバラ色の未来を示すグラフには一般的に「弊社がお客さまに対して将来の運用・投資の成果を保証・約束するものではありません」というような注意書きが付加されることが金融系の広告では「お約束」になっていますが、ここにはありませんね。

いつかはゆかしの特長2・海外には、優秀なファンドがたくさんあります。

世界中を見渡せば優秀なファンドがたくさんあることは事実でしょう。ただし「いつかはゆかし」に入会したからといって、そのすべてに投資が可能になるわけではないことに注意が必要です。例えば著名ファンドマネージャーであるジョージ・ソロス氏のヘッジファンドに投資ができるかと問われれば、答えは否でしょう。なぜなら同氏のヘッジファンドはすでに外部資金の受け入れを中止しているからです。この広告表現では海外の優秀なファンドのすべてに投資が可能になるとの誤解を招きかねませんね。

いつかはゆかしの特長3・「お取り寄せ」なので、低コストで積み立てできます。

ここではリンク先のQ&Aにある下記の記述が気になりました。

※図の数値は一般的な投資信託の場合に適用される手数料などの値です。実際の数値は、各種金融商品により異なります。


この表現を読んで私は、「いつかはゆかし」の投資対象であるヘッジファンドは果たして一般的な投資信託なのだろうか?との疑問を持ちました。ヘッジファンドには成功報酬制や解約日の制限など一般的な投資信託とは異なる仕組みがあることを思えば、特殊な投資信託なのだろうと私は思います。そう考えると、ヘッジファンドによくある成功報酬や解約日の制限(通称45日ルールの存在)などを分かりやすく説明すべきなのでは?と私は感じました。

いつかはゆかしの特長4・私たちは、ファンドの販売会社ではありません。

アブラハム・プライベートバンクはあくまでも投資助言会社であり、海外の優秀なヘッジファンドを組み入れて年利10%を目指す「いつかはゆかし」という投資信託を販売しているわけではありません(そんな投資信託は存在しません)。このように「いつかはゆかし」は商品ではなくサービスであると自ら強調にしているにも関わらず、最近よくネット広告で見かける下記の表現は整合性が取れていないのではありませんか?

yucasee

もし私がアブラハム・プライベートバンクのコンプライアンス担当であれば、社長から何と言われようとこの広告原稿にはNGを出しますね。

以上、まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、長くなってしまいましたので本エントリーはいったんここで区切りを付けたいと思います。この続きは追って続編として書くつもりです。

最後に蛇足ながら一言付け加えさせていただきますと、「いつかはゆかし」を感情的に「詐欺だ!」と騒ぐことは明らかに行き過ぎた反応だと私は思います。広告や販促の表現で脇が甘い点は多々ありますが、アブラハム・プライベートバンクにとってよく考えられている仕組みであると冷静かつ客観的に理解したいものですね。ただしそれが顧客の利益になっているのかはまた別の話ですが。

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