2012 06 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2012 08

侮ってはいけない国内債券

kage

2012/07/29 (Sun)

前回のエントリーで私は「スペインの10年国債利回り(=長期金利)は自力で資金調達が困難になるとされる危険水域7%を超えて、昨日は一時ユーロ導入後の最悪の7.596%にまで上昇しました(=国債本体の価格は下落)。マーケットはこれを嫌気して再びリスク・オフの動きが強まり、株が売られて円(日本国債)やドル(米国債)が買われました。」と書きました。つまりスペイン国債は売られ、国債価格は下落、金利は上昇しました。逆に米国債や日本国債は買われ、国債価格は上昇、金利は低下したわけです。(このあたりの仕組みについては以前「金利が上がるとなぜ債券価格は下がるのか」で触れていますのでよろしければご参照ください。)

10年もの国債の利回りを一般的に「長期金利」と呼びます。短期金利は日銀・FRB・ECBなどの中央銀行が金融政策によりある一定の水準に誘導することが可能ですが、長期金利は基本的に債券市場の売買で決まります(=マーケットが決める)。今回の欧州債務危機再燃を背景にしたリスクオフの高まりにより日本国債や米国債が買われた結果、日本10年国債利回りは7月23日(月)には約9年ぶりの低水準となる0.72%にまで低下し、米国10年債利回りは同じ日に1.44%を割り込み、過去最低水準にまで低下しました。